きれいなきれい〈田添公基・田添明美のブログ〉

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川原      田添明美

2021年04月19日 10時11分10秒 | 「いたずら」田添明美

あてずっぽうに春だった

わたくしは 偏狭で
春風のなかを泳いでいるので
人と人との他人というすきまに
入りこむことができない

はんなりと
うすらあかい日

石ころだらけの川原にたち
いくども石を投げる
流れながれて
つるつるとした
卵のような石を

そうして
いとしく
ちいさな骨ぶとの石を握り
その、重みをはかる

つかむ
なげる
つかむ
なげる

いくつも
いくつも
石を飛ばして


         R3.4.13


石神井公園-04/19

2021年04月19日 09時30分55秒 | 写真画像

今朝の石神井公園ボート池は,少し前のかい掘りが終わって,

きれいな水で満たされて,その水面に映る光景が前よりも

鮮やかに見えた。そこのミズキの花。

そのまま三宝寺池まで進むと,野性の藤の花が大きく広がっていた。

その藤の花を横に回って撮ろうと橋の上に来て,下を見ると鯉が

エサを期待して,こちらを見ていた。「鯉よ,エサなどない。

青空でも見よ!」と呟いていると,その横を1メートルほどある

3匹の大きな鯉が,池の底の泥煙を残して通り過ぎていった。

カメラは構えてなかったので撮影できなかった。

 

 

 


梯子      田添明美

2021年04月18日 11時30分16秒 | 「いたずら」田添明美

カーテンをあけると
空までつゞく梯子がある

一歩ずつ
一歩ずつ
下を見ずにのぼっていく

途中で
鳥にであう
雲にであう
雨にうたれ
陽にかわかされ

ずんずんと
空は広がっていく

ときは
ゆったりとたっていく

わきあがる雲
雲にかくされた月
すきとおる風

帰り道は もうない

ははの胎内の
桶のなかで 産湯をあびた
あの 産声のほうへと

向かっていく


        R3.4.12


和光樹林公園-04/18

2021年04月18日 10時26分05秒 | 写真画像

 4月は雨の日が時々あるので,早朝のポタリングも途切れがちだけど,

今朝は雨上がりで暖かく快適に楽しめました♪

ツツジもコデマリもまだ雨の跡のしずくがついていて,

キラキラ状態。

 タンポポは,おそらくしっかり綿毛になっていたのは,昨夜の豪雨で,

すっかり流されてしまっていました。かろうじて綿毛直前のタンポポは,

何とか現状を保っていました。

 そして,今年初めて見るアゲハチョウ。羽化したばかりだろうか,

少し飛んだ後,葉に止まったまま動かなかった。

 

タンポポの綿毛の完成状態の比較のために,下側に一昨日撮影の

画像も配置しました。

 

 

 

 

 

これは一昨日(04/16)の撮影のタンポポの綿毛の完成形です。


部屋       田添明美

2021年04月17日 07時35分00秒 | 「いたずら」田添明美

わたしとわたしが
ふたりっきりで すわっている

あなたとよべば
いや
わたしはわたしでしょう
とふたりで こたえる

くりかえし
おんがくが なっていて

あさから
よるまで
あさから
よるまで
ながいはなしをして
ものがたりは
もうすぐ おわる

もっとゆっくり
むこうのほうで
なにかが おこり

ごめんね と
いいあい
どちらかが 去れば
わたし

ひとりっきりに なれる


          R3.4.12


小林一茶/古本        田添明美

2021年04月15日 14時19分34秒 | 「いたずら」田添明美

先日、「一茶俳句集」をけちって、古本で買った。
(良・可)の品である。
にもかかわらず、その本には。

乱雑に、力強く、濃く、鉛筆で、大きな丸印が
好む句の上に、書き込まれていた。

店は、何故このようなものを買うのか
店は、何故このようなものを売るのか
納得できず、即新品を買い直そうとすると
夫が(どうせ すぐあきるよ)
というので、いやいや読みだした。

どうも丸をつけた主は、俳句をしている人らしく
丸印は「よく 書けました」という定形が多かった。

なんでも鑑定団と
プレバトで、眼力をみがいている私は
俳句・短歌、一切知らず読まずとも
この主の挑戦を受けてたった。
私は私で、鉛筆印を無視して、小さな赤丸をつけていったのだ。

この主との格闘に、一晩かかった。
(やっと 終わった)と、解説を読んでいたら
末尾に「初句索引」があり、「あ」から「わ」までの初句が、記されており

なんということか!!
ここにも また
主は、鉛筆印をつけていた。
この句集は1976句あり、例えばその中の「あ」の鉛筆印は
1151/1684/429/412 と続き
私はいちいち、その句を探し、再確認した。
気付いたら、夜中の1時だった。

印をつけただけで、作品はまだ読んでいない。
どうして、こう、ろくでもないことばかりに
私は情熱を/燃やすのか
考えないことにする。


石段     田添明美

2021年04月14日 08時46分28秒 | 「いたずら」田添明美

おまえなにをしている
なにをしているのか

しろいあやめがさいていて
ときは はる
さやかに かぜが ふき
のどかに とりが ないている

ひかり澄み
そらは育ち
つちはかわいて
つぎの あめを まっている

そして
つらぬくように
しんしんと
どこまでもつゞく
苔むす
石段から ゆげが上っている

たゞ
ここへ おいでと
    ゆげが上っている

 

           R3.4.9