女性はどうだかよくわからない。化粧の「ノリ」が悪く感じたとかそんなことだろうか。 男性もいろんな場面で「歳」を感じるだろうが、その一つに、「ガードレール」がキーワードになるような気がする。
10代:ガードレールの上を綱渡りのように手をひろげて歩いた記憶がある。
20代:軽やかに、陸上選手がハードルを跳び越えるがごとく、適度な助走の後、ひらりと飛び越していた。
30代前半:助走をつけガードレールに接近し、飛び越える寸前に片足をガードレールの上にチョコンと振れ踏み越えるようになった。
30代後半:助走をつけガードレールに接近するのだが、なぜか急激に勢いを弱め、ゆっくりとまたぐようになった。
おそらく、多くの人はこの瞬間に「歳」を感じるのではないだろうか。 助走で得たスピードを急激に弱める理由は、もし踏み越える時に足を踏み外したらどうしよう。つまずいてこけたら笑われるのではないだろうか。そういった不安が背景にある。 20代の頃にあった揺るぎない「自信」は、今ではひとかけらもない。
本当にこけてしまったときの痛さは、容易に想像できるだけに、そのリスクを冒してまで「ひらりと飛び越える」意味合いを見いだせない。大人の振りをして、優雅にまたいでみせる。
う~ん、ガードレールをまたいで乗り越えること、それ自体不法行為のような・・・。「大人」の振りをしたところで、決して誉められたことではない。