ROCK & CINEMA DAYS

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サンハウス・早すぎたジャパニーズ・ロック

2008-01-15 22:39:47 | ロック
日本のロックの名盤は?と聞かれたら。

40代から50代のロックファンに聞けば、まず名前があがるのは
サディスティック・ミカバンド「黒船」じゃないかな。
「黒船」を知らない世代も、収録曲の「タイムマシンにおねがい」は知ってるでしょう。
少し前、木村カエラが歌ってたもんね。
あとは四人囃子の「一触即発」とか、RCサクセションの「シングルマン」とか…かな。

では私は、と言うと。
なんつっても、サンハウス「有頂天」。
「有頂天」だけじゃない。2枚目の「仁輪加」もいいし。
「めんたいロック」なる言葉の語源となった博多のバンド・サンハウス。
時代が早すぎたなあ。
いくら素晴らしいバンドでも、出てきた時代のタイミングで左右されちゃうんだね。

私が初めてサンハウスを知ったのは、中学生の時。
大阪の朝日放送で、当時「ハローヤング」という音楽番組をやってました。
この番組の冒頭には、毎回アマチュアバンドが登場してまして。
ある日登場したのがサンハウス。
サンハウスはすでにセミプロだったと思うんですけど、地方のバンドだから出てきたのかな。
その時演ったのが「ロックンロールの真っ最中」。
福山雅治もカヴァーした曲です。

グラムロックばりのメイクで歌う「菊」こと柴山俊之に目を奪われ、「何このバンド!めっちゃええやん!何?サンハウス?太陽の家?(←違います!)かっこええ!」
と騒いでいたら、横でみていたイトコ♀が
「なにこれ~。きもちわる~」
と一言で片づけましたorz

その時以来、私の頭には「サンハウス」という言葉がしっかり刻みつけられました。
しかし、今のようにインターネットなどない時代。
しかも音楽雑誌やラジオは洋楽の情報がほとんど。
日本のロックの情報はほんのわずかで、中学生の私には地方のバンドのことなど調べようもありませんでした。
しだいに記憶も薄れがちで、でも、あの柴山俊之の歌う姿と「ロックンロールの真っ最中」という曲名だけは忘れられませんでした。
ずっと気になっていて、けれども年月がたつうちに「あのバンドはひょっとして幻だったのか」「ほんとは見てないのに、自分が脳内で作り上げたんじゃないか」とさえ思うようになっていきました。

そして大学生になった時、日本航空のCM「JALで行くヨーロッパ」のバックで流れている、やたらにぎやかな曲「ユー・メイ・ドリーム」をよく耳にするようになりました。
歌っているのはシーナ&ロケッツ。
エルビス・コステロっぽい風貌の鮎川誠と、ハデだけど脚のきれいなおねえちゃんシーナを中心とするバンドです。
新進バンドとしてメディアに紹介されている時、プロフィールが、なんと!
「博多で伝説のバンドとして知られるサンハウスを前身とし…」
これやこれやこれや-!
実在してたんや-!
やっと出会えたサンハウスの文字。感激もんでした。

そして社会人になってから、廃盤だったサンハウスのレコードが復刻したと聞き、すぐさまレコード店に予約しました。
そこで店員に「サンハウスの『ドライブ』」
と言ったら
「『サンハウスのドライブ』ですね。で、ミュージシャン名は?」
「いえ、『サンハウス』がバンド名で『ドライブ』がアルバム名です」
…ありゃりゃ。

サンハウスは解散までに3枚のアルバムを出してます。
「有頂天」「仁輪加」「ドライブ」
「有頂天」は、「ロックンロールの真っ最中」や「レモンティ」「スーツケースブルース」など、サンハウス!っていう感じのロックなナンバーぎっしりで、しばらく毎日通勤時に聴いてました。ウォークマン(笑)で。

「仁輪加」は、有頂天とは違い、おとなしめの曲が多くて、ちょっとイメージが狂うかなといったところ。
最初は戸惑いますが、ききこんでいくと、イイ!んですよ。しっとりしててね。
失恋の歌が多いんで、柴山俊之に心の変化でもあったのかなと思いました。

そうそう、ネットを始めたばかりの頃、柴山俊之のサイトをみつけました。
うれしくてうれしくて、思わずメールしたら、来たんですよ、返事が!
もぉー、なんていい時代なんだ!とネットに感謝でした。
先に書いた「仁輪加は失恋の歌が多いですが、何か心の変化があったんですか」ということもメールに書いていたんですが、
「別に何も意識してなかった」
とのお返事でした。勘ぐりすぎかぁ。

そのメールは大事に削除せずにとっておいたのに。
ある日ウィンドウズが何の前触れもなくバグってしまって…。

受信トレイのメールが全部消えた~!
柴山さまからのメールも消えちゃったじゃないか~!
ふざけんなあああああああ!

しばらくショックだったなあ。