中国は香港に対して「一国二制度はもう終わりだぞ」とばかり国家安全法を作ってしまった。
1997年に香港がイギリスから返還されてから「50年は香港らしい政治を保証する」と決められたが、50年を待たずに23年で打ち切られることになる。
国際関係で取り決めがあっさりと変更された例は少なくはない。その最たるものが当の中国をめぐって1950年にあった。
1950年1月6日、前年の10月1日に成立が宣言された「中華人民共和国」を何とイギリスが承認してしまったのである。
英米はカイロ宣言で「中国は非共産政権である蒋介石の国民党が支配すべきで、他国(日本を指す)の介入は許さない」と取り決められたはずなのに、中国共産党が全土を掌握し、蒋介石政権が台湾に亡命すると、早速イギリスは共産政権である中華人民共和国を承認した。
この寝返りの早さには開いた口が塞がらない。この時点で、イギリスにとって東アジアが共産化しようが何しようが「知ったことではなかった」のである。
同盟国アメリカでさえ驚いたイギリスの変節であった。
アメリカが中華人民共和国を承認したのはピンポン外交の直後の1972年であるから、イギリスの承認から20年余り後のことである(※ニクソン大統領時代。平和五原則の合意があった)。
香港は1842年のアヘン戦争後の南京条約でイギリスに「永久割譲」されたが、第二次大戦後も蒋介石政権(のちの台湾政府)に返されることはなく、1997年までイギリスの植民地であった。
1997年の7月にイギリスはようやく中国に香港を返還したが、その返還の相手は台湾の旧蒋介石政権ではなく、本土の中華人民共和国だった。そして50年間は香港の政体を変えないという合意があったのだが、今度の国家安全法制定により、香港の先行きが憂慮されている。
香港の拠って立つ「一国二制度」はかってのイギリスの変節と同様、中華人民共和国によって変えられようとしており、香港では大きなデモが連日行われている。
その一方で、アメリカでも連日デモが行われている。
黒人の男性が警察官の不当な逮捕により死に至ったことに対する怒りの声が全米で渦巻いているのだ。
黒人が同様な不当な扱いを受けて死に至った例は数多くあり、今回はその状況が現場にいた人の撮影した一部始終がSNSに投稿され、衆目にさらされたことによって黒人のみならず白人も抗議の声を挙げている。
黒人への差別は日常茶飯事で、1970年代に黒人が真の市民権を得てからも止むことはない。黒人は黒人、白人は白人なのだ。
アメリカの黒人は、イギリスの悪名高き「奴隷貿易」によってアフリカから奴隷としてアメリカに売られてきたのが発祥だが、1863年にリンカーンによって奴隷解放がなされ、アフリカ帰ってリベリアという国を作ったのだが、多くはアメリカに残った。
黒人はベトナム戦争に従軍することによって市民権を得たのだが、50年後の今日まで人種差別の止むことはない。
こうなったら黒人の国をアメリカ内部に作るしかないのではないか。ケンタッキーかミシシッピが候補に挙がるが、香港が中国の一部でありながら「一国二制度」の下、独自の発展を遂げたように、アメリカにも黒人の国を作り「一国二制度」を実現したらどうだろうか。
トランプがその代表である「金(株式)万能主義」とは違った情味あふれる国が生まれそうな気がする。
1997年に香港がイギリスから返還されてから「50年は香港らしい政治を保証する」と決められたが、50年を待たずに23年で打ち切られることになる。
国際関係で取り決めがあっさりと変更された例は少なくはない。その最たるものが当の中国をめぐって1950年にあった。
1950年1月6日、前年の10月1日に成立が宣言された「中華人民共和国」を何とイギリスが承認してしまったのである。
英米はカイロ宣言で「中国は非共産政権である蒋介石の国民党が支配すべきで、他国(日本を指す)の介入は許さない」と取り決められたはずなのに、中国共産党が全土を掌握し、蒋介石政権が台湾に亡命すると、早速イギリスは共産政権である中華人民共和国を承認した。
この寝返りの早さには開いた口が塞がらない。この時点で、イギリスにとって東アジアが共産化しようが何しようが「知ったことではなかった」のである。
同盟国アメリカでさえ驚いたイギリスの変節であった。
アメリカが中華人民共和国を承認したのはピンポン外交の直後の1972年であるから、イギリスの承認から20年余り後のことである(※ニクソン大統領時代。平和五原則の合意があった)。
香港は1842年のアヘン戦争後の南京条約でイギリスに「永久割譲」されたが、第二次大戦後も蒋介石政権(のちの台湾政府)に返されることはなく、1997年までイギリスの植民地であった。
1997年の7月にイギリスはようやく中国に香港を返還したが、その返還の相手は台湾の旧蒋介石政権ではなく、本土の中華人民共和国だった。そして50年間は香港の政体を変えないという合意があったのだが、今度の国家安全法制定により、香港の先行きが憂慮されている。
香港の拠って立つ「一国二制度」はかってのイギリスの変節と同様、中華人民共和国によって変えられようとしており、香港では大きなデモが連日行われている。
その一方で、アメリカでも連日デモが行われている。
黒人の男性が警察官の不当な逮捕により死に至ったことに対する怒りの声が全米で渦巻いているのだ。
黒人が同様な不当な扱いを受けて死に至った例は数多くあり、今回はその状況が現場にいた人の撮影した一部始終がSNSに投稿され、衆目にさらされたことによって黒人のみならず白人も抗議の声を挙げている。
黒人への差別は日常茶飯事で、1970年代に黒人が真の市民権を得てからも止むことはない。黒人は黒人、白人は白人なのだ。
アメリカの黒人は、イギリスの悪名高き「奴隷貿易」によってアフリカから奴隷としてアメリカに売られてきたのが発祥だが、1863年にリンカーンによって奴隷解放がなされ、アフリカ帰ってリベリアという国を作ったのだが、多くはアメリカに残った。
黒人はベトナム戦争に従軍することによって市民権を得たのだが、50年後の今日まで人種差別の止むことはない。
こうなったら黒人の国をアメリカ内部に作るしかないのではないか。ケンタッキーかミシシッピが候補に挙がるが、香港が中国の一部でありながら「一国二制度」の下、独自の発展を遂げたように、アメリカにも黒人の国を作り「一国二制度」を実現したらどうだろうか。
トランプがその代表である「金(株式)万能主義」とは違った情味あふれる国が生まれそうな気がする。