平成29年度でもって広島大学大学院教育学研究科教授を退職される下向井龍彦先生より標記の完成誌を1冊、私にも贈ってくださりました。ありがとうございます。坂本賞三先生卒寿 下向井龍彦先生退職記念特集号として、論説11本、その他3本の計14本が掲載されています。
日本近世史を学ぶ私にとれば、特に坂本賞三「大正・昭和前期の日本史『最近世』」で勉強させていただきました。
「近世」は古来、ただ〝今ごろの〟という意味で使われていたが、戦国時代に、それが定まった上限をもって現在までをいう意味の言葉として用いられるようになりました。ところが、明治時代の初めに世間で意味が変わり、江戸時代の別称として用いるようになったと、文献の関係する記述を挙げながら説明されています(掲載誌13頁)。