佐藤隆一先生より、標記論文の抜刷を1冊、私にも贈ってくださりました。ありがとうございます。
佐藤先生は、9年前に出版された単著『幕末期の老中と情報―水野忠精による風聞探索活動を中心に―』(思文閣出版、2014年)において、有名な江戸幕府老中水野忠邦の息子で同じく老中を務めた水野忠精(みずのただきよ)をめぐる情報の歴史をまとめられています。今回の論文では、これら2人の老中に侍講として仕えた儒者、塩谷宕陰(しおのやとういん)に着目し、彼がオランダ国王の開国勧告書に対して著す意見書を解説しました。ただ、比較対象となりうる他の識者が書き残した意見書は少ないため、今後さらなる史料の発掘が求められる旨も説いています。