鴨頭の掲示板

日本史学関係の個人的な備忘録として使用します。

【受贈】 糸川風太「紀州藩・鳥羽藩領における幕府広域支配実現の特質―近世中後期の公儀浦触廻達を素材として―」『ヒストリア』第264号

2017年12月11日 02時39分30秒 | いち研究者としての日記

糸川風太さんより、標記論文(2017年10月発行)の抜刷を1冊、贈っていただきました。ありがとうございます。

テーマである江戸時代の公儀浦触をめぐっては、1990年ごろより水本邦彦氏が、全国的なその通達ネットワークの解明をとおして幕藩体制の本質を提起しました。

次に、私は2003年より、異なる2つの公儀浦触ルートが存在する瀬戸内海をフィールドにしながら、藩権力や藩の在勤役人層が、幕府の設定した両ルート間の垣根を越えつついかに幕藩体制を支えていたのかを研究しています。

それらに対して糸川さんは、紀伊半島をフィールドにしつつ幕府と私領村役人の交点としての役割に着目しながら、公儀浦触通達ネットワークの歴史を見通しました。

私自身は2014年に単著を出版して以降、長崎聞役の機能と萩藩(長州藩)職制との関係史に研究の重点を移していましたが、糸川さんのお陰で、再び公儀浦触を研究する意欲が湧いてきたと思います。

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