おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
黄帝内経素問 蔵気法時論篇 第二十二
第十四節
肝色青。宜食甘。粳米・牛肉・棗・葵皆甘。
心色赤。宜食酸。小豆・犬肉・李・韮皆酸。
肺色白。宜食苦。麥。羊肉・杏・薤皆苦。
脾色黄。宜食鹹。大豆・豕肉・栗・藿皆鹹。
腎色黒。宜食辛。黄黍・雞肉・桃・蔥皆辛。
辛散、酸收、甘緩、苦堅、鹹耎。毒藥攻邪、五穀爲養、五果爲助、五畜爲、五菜爲充。氣味合而服之、以補精氣。
此五者有辛酸甘苦鹹。各有所利。或散、或収。或緩、或急、或堅、或耎。四時五藏病隨五味所宜也。
語句の意味2の甘・鹹(辛、酸、甘、苦、鹹)-2
甘=かん・五味の一つ。脾、土に属する。
<素問蔵気法時論>「肝の色は青し。宜しく甘を食すべし。粳米(こうまい)、牛肉、棗(なつめ)、葵は皆甘なり」
<素問生気通天論>「味甘に過ぐれば、心氣喘満し、色黒く腎氣衡(こう)ならず」
<素問宣明五気篇>「五味の入る所は、酸は肝に入り、辛は肺に入り、苦は心に入り、鹹は腎に入り、甘は脾に入る。是を五入と謂う」
<霊枢五味論>「甘は肉に走り、之を多く食すれば、人をして悦心せしむ。」
甘味の薬能 激しいものを緩め薄める薬能があり、緩を主り、主作用は脾・胃の機能を補い、その目標は黄色である。
同時に肺・大腸の機能を生む働きがあり、心・小腸の機能を助け、肝・胆には有益に働くが、腎・膀胱だけには剋の働きがある。
甘味には腎・膀胱を護るため鹹味を添え、肺・大腸を補う辛味を配する。薬学博士渡邊武著『平成薬証論』
鹹=かん・五行の五味の一つで腎に配当される。塩辛いこと。
<霊枢五味篇>「鹹は血に走る。多食すれば人をして渇せしむ。」
<素問五蔵生成篇>「是の故に多く鹹を食すれば則ち脈凝泣(ぎょうきゅう)して色を變ず」
<素問五蔵生成篇>「は腎鹹に當る」
鹹者下能軟堅=かんはよくくだし、よくけんをなんす・芒硝や牡蠣のような鹹味の薬には、瀉下作用と、堅い物を軟らかくする作用があることをいっている。<素問至真要大論>参照。
耎=よわい。やわらかいこと。
芒硝=ぼうしょう・薬味薬性・苦寒・血剤。含水硫酸マグネシウム。薬学博士渡邊武著『平成薬証論』芒硝は苦味剤であります。
牡蠣=ぼれい・薬味薬性・鹹平・気剤。薬学博士渡邊武著『平成薬証論』
鹹味の薬能 乾きを抑制し軟らげる薬能があり、濡を主り、主作用は腎・膀胱・耳・骨髓の機能を補い、その目標は黒色である。
同時に肝・胆の機能を生む働きがあり、肺・大腸の機能を助け、脾・胃には有益に働くが、心・小腸だけには剋の働きがある。
鹹味には心・小腸を護るため苦味を添え、肝・胆を補う酸味を配する。薬学博士渡邊武著『平成薬証論』
漢方用語大辞典
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