昨年末、3時間モノ『RRR』を前のめりで堪能したゆえ、インド映画はしばらくパスかな?と考えていた矢先、公開されました。
映画に魂を奪われた少年と、その仲間の物語(実話)。
少年家族の出身カーストは、高貴な階級・バラモンであるが、生業は鉄道駅で商いをするチャイ売りに身分をやつしている。
古今東西、映画少年の常として、タダで映画館に忍び込みの常連になるのだが...
そこからエスカレートしていき、涙ぐましい試行錯誤で、かすめたフィルムを、仲間と自家製の映写機で鑑賞するまでになるのだが。
むろん学校など行かない。しかし教師が語った「インドには2つの階級しかない。英語を理解する者とそうでなない者」の言が端緒となり、少年の夢に弾みをつけるのだ。
映像シーンは断片的に、1988年の珠玉のイタリア映画『ニューシネマパラダイス』を彷彿とさせるが、色恋の要素は欠片もなし。
インドの近代化が、映画館をコンピュータ化する。そこで廃棄処分の映画フィルムが、女性の手首を飾るブレスレットにアップサイクルする。その映像描写をバックに、世界の映画監督の名がナレーションで入る。
日本からは小津安二郎と黒澤明が登場。