主演ホアキン・フェニックス『カモン カモン』はモノクロ作品。妹の連れ合いが心を病み、ひとり息子の甥っ子を少しの間預かることになる。
甥は年齢に比して大人びており、同年代の友だちはいない様子。
伯父と甥、なかなか距離は縮まらないように見えるが、2人の哲学寄りとも思えるやり取りが進むに連れ、名コンビに変貌して行く。
主人公の仕事はラジオジャーナリスト。録音機材を担いで、10代前半の子どもたちにインタビューを重ねて行く。家族のこと、今生きている社会のこと、それぞれの未来のこと。
対人について「表紙を見ただけでは本の中身はわからない」という結論を出して。
『ジョーカー』『ザ・マスター』で
恐怖のキャラクターを演じたとは思えぬホアキン・フェニックスの和やかな雰囲気。
全編モノクロだからこそ、会話のキャッチボールが際立つ。
2019年フランス作品『アマンダと僕』を思い出しながら鑑賞した。