『S-Fマガジン 2009年1月号』

やっぱり“S”“とF”の間には“-”が入るのが正式な表記らしい(笑)
今年もお布施を続けます。冬の時代を憶えていますか。やっぱりS-Fマガジンが元気じゃないと、日本産のSFが読めなくなるので。
さて、1月号はウィリアム・ギブスン特集。
『ディファレンス・エンジン』の復刊と、最新作『スプーク・カントリー』出版記念。
サイバーパンクは、実はよくわからんのです。『ニューロマンサー』を読むのは苦行だったし。
『重力が衰えるとき』とか、『ハードワイヤード』とかは好きなんだけどね。ああいうのは、サイバーパンク以外の要素も強いせいなのか。
何人かのサイバーパンク論が載っているのだが、やっぱり巽孝之の文章は頭に残らない。こいつは相当ウマが合わないな。菊地誠の評論は『ディファレンス・エンジン』のすごさを語っているのだが、やっぱり僕が面白いと思うものとは違うらしい。タイトルどおり、「差異こそすべて」なのだが、その差異によってストーリーが面白く描けていないと、ただの薀蓄披露にしかなっていないと思うんだけど。
しかし、なんと言っても見逃せないのが、タイトルだけは有名だった、ゲイリー・ウェストファールの『ガーンズバック連続体』が掲載されていることだ。これは、ギブスンの諸作をガーンズバックの『ラルフ124C41+』と比較し、相違点を述べる形式で、ガーンズバックから始まるSFの歴史の中にサイバーパンクを位置づけようとした問題作。アンチサイバーパンクなSFファンにとっては目から鱗の必読文献と思われる。
さて、年末(気が早いな)の読者賞投票へ向けての覚書。今年は考課表形式の点数方式ではなく、記号方式にしたい。やっぱり、シロートがプロの作品に点数をつけるのは、ちょっと問題がありそうなので。
◎:すばらしい
○:好き
△:まあまあ
×:嫌い
×は評価が低いのではなく、嫌いなだけなんだからね!
===
『レヤック爆裂』 友成純一
△:連作っぽいので、これからどうなるか期待だが、今回のエピソードは特に興味なし。
『ジピと偏執狂のソフト』 ニール・スティーヴンスン
○:ミサイルを説得する映画(『ダークスター』?)を思い出した。滑稽だけど、イマドキ、ありそうだから怖い。
『キオスク』 ブルース・スターリング
○:60年代っぽい感じ。科学技術によって劇的に生活が変わるなんて、今じゃレトロフューチャーっぽい。あ、でもシンギュラリティがそうなのか。
===
読み切りはこれだけ。『虚構機関』のあとがきで日下三蔵が「2007年のSFマガジンには純粋な読み切り短編は12作品しか無かった」と嘆いて(?)いるように、日本作家の短編は少ないんだよね。その分、SF Japanにもがんばって欲しい。

やっぱり“S”“とF”の間には“-”が入るのが正式な表記らしい(笑)
今年もお布施を続けます。冬の時代を憶えていますか。やっぱりS-Fマガジンが元気じゃないと、日本産のSFが読めなくなるので。
さて、1月号はウィリアム・ギブスン特集。
『ディファレンス・エンジン』の復刊と、最新作『スプーク・カントリー』出版記念。
サイバーパンクは、実はよくわからんのです。『ニューロマンサー』を読むのは苦行だったし。
『重力が衰えるとき』とか、『ハードワイヤード』とかは好きなんだけどね。ああいうのは、サイバーパンク以外の要素も強いせいなのか。
何人かのサイバーパンク論が載っているのだが、やっぱり巽孝之の文章は頭に残らない。こいつは相当ウマが合わないな。菊地誠の評論は『ディファレンス・エンジン』のすごさを語っているのだが、やっぱり僕が面白いと思うものとは違うらしい。タイトルどおり、「差異こそすべて」なのだが、その差異によってストーリーが面白く描けていないと、ただの薀蓄披露にしかなっていないと思うんだけど。
しかし、なんと言っても見逃せないのが、タイトルだけは有名だった、ゲイリー・ウェストファールの『ガーンズバック連続体』が掲載されていることだ。これは、ギブスンの諸作をガーンズバックの『ラルフ124C41+』と比較し、相違点を述べる形式で、ガーンズバックから始まるSFの歴史の中にサイバーパンクを位置づけようとした問題作。アンチサイバーパンクなSFファンにとっては目から鱗の必読文献と思われる。
さて、年末(気が早いな)の読者賞投票へ向けての覚書。今年は考課表形式の点数方式ではなく、記号方式にしたい。やっぱり、シロートがプロの作品に点数をつけるのは、ちょっと問題がありそうなので。
◎:すばらしい
○:好き
△:まあまあ
×:嫌い
×は評価が低いのではなく、嫌いなだけなんだからね!
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『レヤック爆裂』 友成純一
△:連作っぽいので、これからどうなるか期待だが、今回のエピソードは特に興味なし。
『ジピと偏執狂のソフト』 ニール・スティーヴンスン
○:ミサイルを説得する映画(『ダークスター』?)を思い出した。滑稽だけど、イマドキ、ありそうだから怖い。
『キオスク』 ブルース・スターリング
○:60年代っぽい感じ。科学技術によって劇的に生活が変わるなんて、今じゃレトロフューチャーっぽい。あ、でもシンギュラリティがそうなのか。
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読み切りはこれだけ。『虚構機関』のあとがきで日下三蔵が「2007年のSFマガジンには純粋な読み切り短編は12作品しか無かった」と嘆いて(?)いるように、日本作家の短編は少ないんだよね。その分、SF Japanにもがんばって欲しい。