今シーズン、1/4が終わろうとしている時期に、久しぶりのJ2最下位が見えてきた今日この頃。札幌サポのみなさま、いかがお過ごしでしょうか。
今日はコンサドーレ札幌の5段階計画と育成状況について考えていることをつらつらと書いてみたいと思います。
「5段階計画って、そもそも何?」って言う人は、まずこれを読みましょう。
コンサドーレ札幌オフィシャルサイト
→クラブ情報
→強化計画(PDF)
この強化計画は、財政面と戦力面での計画を両方含んでいるが、戦力面だけを抜き出すとこんな感じ。
ステップ1 最小コストの経営とチームの若返り
・若手選手中心のチーム構成、選手育成拠点の準備
ステップ2 経営基盤の強化とチーム力の底上げ
・戦うチーム作りとチーム戦術の浸透
ステップ3 経営基盤の拡大とチーム力の更なる向上
・チーム戦術の徹底と質の向上
ステップ4 積極経営とチーム力の確立
・ポジションの固定化と補強ポジション・選手の絞込み
ステップ5 経営の安定化とチーム力の完
・J1で安定して戦えるチーム力の完成
2007年にJ2優勝、2008年はJ1最下位、2009年はJ1昇格に手が届かず。そういう状態で、チームはステップ3からステップ4への途上という認識だった。
2009年1月にサポーターの要望で出された中期計画(PDF) でも、「なお2009年当初のチーム現状はステップ3、同年末の目標をステップ4と捉える。」と明確に書いてある。
つまり、そのまま行っていれば、2010年はポジションの固定化と補強ポジション・選手の絞込みの年であったはずだ。
5段階計画とは、簡単に言ってしまえば、財政難のために若手主体のチームを作り、この選手たちを育成する。その選手たちの中から、“使える”選手をピックアックしていく。さらに、育ってこなかったポジションに外部から選手を補強してJ1へ挑む。ということだと理解している。
たとえば、サポ人気の高かった鈴木智樹(現・育成部)は、上里、西という同ポジションの選手の成長に追い越されたとみなされ、現役引退を余儀なくされた。これは若手の首切りだったとしても、育成とピックアップという5段階計画に沿った人事だったといえる。
一方、同じくサポ人気の高かった石井謙伍(現・愛媛)は、同ポジションである横野、上原に追い落とされたとは言いがたい。しかし、監督やスタッフからは、J1へ挑むための選手として認識されなかったということだろう。その代りに、近藤、内村という石井と同年代の選手を補強した。これが補強ポジションの絞込みということである。
さらに、各ポジションにリーダー格となるベテランを配し、完成されたチームを作ろうとした意図が見える。まさしく、ステップ4への道だったわけだ。
しかし、チームの意図とは異なり、コンサドーレの今年の成績は、現時点では見ての通りである。今年の昇格をあくまで狙うのか。それとも、昇格はあきらめて、育成の年とするのか。チームとしては難しい判断をすべき時期に来ている。
そこで問題は、今年を育成の年と位置付けた場合、5段階計画でのステップはどこに位置づけられるのかということ。ステップ2とステップ3の区別が難しいが、個人的解釈では、伸び代のある若手の補強がステップ2であり、ある程度の成長の結果から使える選手の絞込みを行うのがステップ3であると解釈している。
しかし、ステップ3には2009年の段階ですでに到達している。セレクションの中で生き延びた上里、藤田、西、岩沼はステップ3に合格したと判断されていた。それが、再度、育成をということになるのであれば、彼らの世代ではなく、その下。宮澤、古田、さらには、その下の世代に託すということなのか。
微妙なのが、宮澤、古田のポジション。もともとFWとして加入した宮澤は石崎監督の意向でMFへ。4-4-2でボランチの一人に芳賀を使う場合のファーストチョイスは、上里ではなく、宮澤。古田は左利きでありながら、得意ポジションは藤田と同じ右サイド。古田が右に入るため、藤田は左へ。
この選手起用が示す石崎監督のメッセージは何か。
どう考えても、石崎監督は藤田、上里を、かつての智樹、もしくは石井のような位置付けに見ているように思える。年下の選手に追い越された選手、チーム戦術の実現には、何かが足りない選手。
なぜ、藤田を右に固定し、左を岡本と古田に競わせないのか。
なぜ、上里をボランチに固定し、宮澤をFWとして育てないのか。
それは、藤田、上里をステップ4に必要な選手とはみなしていないからではないのか。
もちろん、その通り、藤田はへたくそで上里は守備が不安と考えるサポーターも多いだろう。しかし、それを言い出せば、どんだけ高望みなんだよということになる。
ある程度のレベルの選手のセレクションと固定化。さらに、この選手たちで実現できる、勝てる戦術。それがステップ4のために必要なのではないか。
J2ではカウンター有利といわれるが、なにも三浦監督式のFW行って来い縦ポンサッカーだけがカウンターではない。昨日の甲府戦、セットプレー以外のマラニョンの2得点、上里のスーパーゴールもカウンターだ。
集中力を保った守備から、切り替えの早い攻撃サッカー。それこそは石崎監督に期待される戦術ではなかったか。足元、足元でボールをつないでポゼッションで圧倒するサッカーが、本当に理想とする戦術だったのか。それを実現するためには、いったいどれだけ選手を育成しなければならないのか。
コンサドーレ札幌の理想と現実。石崎監督の理想と現実。これがちぐはぐになっているような気がしてならない。
今日はコンサドーレ札幌の5段階計画と育成状況について考えていることをつらつらと書いてみたいと思います。
「5段階計画って、そもそも何?」って言う人は、まずこれを読みましょう。
コンサドーレ札幌オフィシャルサイト
→クラブ情報
→強化計画(PDF)
この強化計画は、財政面と戦力面での計画を両方含んでいるが、戦力面だけを抜き出すとこんな感じ。
ステップ1 最小コストの経営とチームの若返り
・若手選手中心のチーム構成、選手育成拠点の準備
ステップ2 経営基盤の強化とチーム力の底上げ
・戦うチーム作りとチーム戦術の浸透
ステップ3 経営基盤の拡大とチーム力の更なる向上
・チーム戦術の徹底と質の向上
ステップ4 積極経営とチーム力の確立
・ポジションの固定化と補強ポジション・選手の絞込み
ステップ5 経営の安定化とチーム力の完
・J1で安定して戦えるチーム力の完成
2007年にJ2優勝、2008年はJ1最下位、2009年はJ1昇格に手が届かず。そういう状態で、チームはステップ3からステップ4への途上という認識だった。
2009年1月にサポーターの要望で出された中期計画(PDF) でも、「なお2009年当初のチーム現状はステップ3、同年末の目標をステップ4と捉える。」と明確に書いてある。
つまり、そのまま行っていれば、2010年はポジションの固定化と補強ポジション・選手の絞込みの年であったはずだ。
5段階計画とは、簡単に言ってしまえば、財政難のために若手主体のチームを作り、この選手たちを育成する。その選手たちの中から、“使える”選手をピックアックしていく。さらに、育ってこなかったポジションに外部から選手を補強してJ1へ挑む。ということだと理解している。
たとえば、サポ人気の高かった鈴木智樹(現・育成部)は、上里、西という同ポジションの選手の成長に追い越されたとみなされ、現役引退を余儀なくされた。これは若手の首切りだったとしても、育成とピックアップという5段階計画に沿った人事だったといえる。
一方、同じくサポ人気の高かった石井謙伍(現・愛媛)は、同ポジションである横野、上原に追い落とされたとは言いがたい。しかし、監督やスタッフからは、J1へ挑むための選手として認識されなかったということだろう。その代りに、近藤、内村という石井と同年代の選手を補強した。これが補強ポジションの絞込みということである。
さらに、各ポジションにリーダー格となるベテランを配し、完成されたチームを作ろうとした意図が見える。まさしく、ステップ4への道だったわけだ。
しかし、チームの意図とは異なり、コンサドーレの今年の成績は、現時点では見ての通りである。今年の昇格をあくまで狙うのか。それとも、昇格はあきらめて、育成の年とするのか。チームとしては難しい判断をすべき時期に来ている。
そこで問題は、今年を育成の年と位置付けた場合、5段階計画でのステップはどこに位置づけられるのかということ。ステップ2とステップ3の区別が難しいが、個人的解釈では、伸び代のある若手の補強がステップ2であり、ある程度の成長の結果から使える選手の絞込みを行うのがステップ3であると解釈している。
しかし、ステップ3には2009年の段階ですでに到達している。セレクションの中で生き延びた上里、藤田、西、岩沼はステップ3に合格したと判断されていた。それが、再度、育成をということになるのであれば、彼らの世代ではなく、その下。宮澤、古田、さらには、その下の世代に託すということなのか。
微妙なのが、宮澤、古田のポジション。もともとFWとして加入した宮澤は石崎監督の意向でMFへ。4-4-2でボランチの一人に芳賀を使う場合のファーストチョイスは、上里ではなく、宮澤。古田は左利きでありながら、得意ポジションは藤田と同じ右サイド。古田が右に入るため、藤田は左へ。
この選手起用が示す石崎監督のメッセージは何か。
どう考えても、石崎監督は藤田、上里を、かつての智樹、もしくは石井のような位置付けに見ているように思える。年下の選手に追い越された選手、チーム戦術の実現には、何かが足りない選手。
なぜ、藤田を右に固定し、左を岡本と古田に競わせないのか。
なぜ、上里をボランチに固定し、宮澤をFWとして育てないのか。
それは、藤田、上里をステップ4に必要な選手とはみなしていないからではないのか。
もちろん、その通り、藤田はへたくそで上里は守備が不安と考えるサポーターも多いだろう。しかし、それを言い出せば、どんだけ高望みなんだよということになる。
ある程度のレベルの選手のセレクションと固定化。さらに、この選手たちで実現できる、勝てる戦術。それがステップ4のために必要なのではないか。
J2ではカウンター有利といわれるが、なにも三浦監督式のFW行って来い縦ポンサッカーだけがカウンターではない。昨日の甲府戦、セットプレー以外のマラニョンの2得点、上里のスーパーゴールもカウンターだ。
集中力を保った守備から、切り替えの早い攻撃サッカー。それこそは石崎監督に期待される戦術ではなかったか。足元、足元でボールをつないでポゼッションで圧倒するサッカーが、本当に理想とする戦術だったのか。それを実現するためには、いったいどれだけ選手を育成しなければならないのか。
コンサドーレ札幌の理想と現実。石崎監督の理想と現実。これがちぐはぐになっているような気がしてならない。