『人造救世主』 小林泰三 (角川ホラー文庫)
歴史上の偉人の遺伝子に、ナザレのイエスの遺伝子を付加する。これによって生まれたクローンは超常能力を発揮する超戦士となるのだ!
由緒正しいクローンでありながら能力が発現しない少年ヴォルフは組織を逃げ出し、彼らの世界征服を阻止するために戦い始めた。生身の体のまま、英雄となることを目指して……。
仮面ライダーか、デビルマンか、はたまた怪傑ズバットかという設定の元、遺伝子がすべてを決めるのではない、生き方が人間の価値を決めるのだというメッセージが、すがすがしいまでに前面に押し出されている。
クローンは本人ではないし、偉人のクローンが必ずしも偉人になるわけではない。逆に、悪人のクローンが必ずしも悪人になるわけでもない。生まれが重要なのではなく、どう生きるのかということがすべて。クローンは本人ではない。そしてもちろん、子供は親ではない。クローンに対する、よくある世間の誤解を逆手に取り、親子関係に悩む少年少女たちへ向けた意識改革のための一冊。
カバーもアニメ風イラストでラノベを意識しているような作りで、いかにも青少年向きの青臭くもさわやかな作品かと思いきや……。しかし、そこは意地悪作家の小林泰三。いたいけな若年読者をスカトロでスプラッタな阿鼻叫喚の世界へと引きずり込んでしまう(笑)
とにかく、痛みと臭いが文面からイヤなくらいに伝わってくる。自分の腹に手を突っ込むとか、体中の骨を一本ずつ折っていくとか、腸が破けて糞尿の臭いとか、死体から焼肉の臭いとか、もうやめてって感じ。
しかし、敵も味方もキャラがわりとすっとぼけた天然系のせいか、悲惨さとか悍ましさとかはそんなに激しく感じない。そのあたりの不思議なバランスが意地悪さ全開の小林ワールド。見たくない、見たくないと思いながらも、最後まで見てしまうグロ注意作品。
歴史上の偉人の遺伝子に、ナザレのイエスの遺伝子を付加する。これによって生まれたクローンは超常能力を発揮する超戦士となるのだ!
由緒正しいクローンでありながら能力が発現しない少年ヴォルフは組織を逃げ出し、彼らの世界征服を阻止するために戦い始めた。生身の体のまま、英雄となることを目指して……。
仮面ライダーか、デビルマンか、はたまた怪傑ズバットかという設定の元、遺伝子がすべてを決めるのではない、生き方が人間の価値を決めるのだというメッセージが、すがすがしいまでに前面に押し出されている。
クローンは本人ではないし、偉人のクローンが必ずしも偉人になるわけではない。逆に、悪人のクローンが必ずしも悪人になるわけでもない。生まれが重要なのではなく、どう生きるのかということがすべて。クローンは本人ではない。そしてもちろん、子供は親ではない。クローンに対する、よくある世間の誤解を逆手に取り、親子関係に悩む少年少女たちへ向けた意識改革のための一冊。
カバーもアニメ風イラストでラノベを意識しているような作りで、いかにも青少年向きの青臭くもさわやかな作品かと思いきや……。しかし、そこは意地悪作家の小林泰三。いたいけな若年読者をスカトロでスプラッタな阿鼻叫喚の世界へと引きずり込んでしまう(笑)
とにかく、痛みと臭いが文面からイヤなくらいに伝わってくる。自分の腹に手を突っ込むとか、体中の骨を一本ずつ折っていくとか、腸が破けて糞尿の臭いとか、死体から焼肉の臭いとか、もうやめてって感じ。
しかし、敵も味方もキャラがわりとすっとぼけた天然系のせいか、悲惨さとか悍ましさとかはそんなに激しく感じない。そのあたりの不思議なバランスが意地悪さ全開の小林ワールド。見たくない、見たくないと思いながらも、最後まで見てしまうグロ注意作品。