『媚薬』 図子慧 (角川ホラー文庫)
図子慧はもっと評価されてもいい作家だと思うんだけど……。これも実は古本屋で見つけるまで存在を知らなかった小説。
内容としてはマイクル・クライトン系のサイエンス・スリラーを日本的な情念で味付けしたJホラー系SF。
意中の男を落とすために媚薬を使うというのは、女性にとってどこまでリアルな話なんだろうか。媚薬を使わなくたって、ぺたぺた触ったり、べろ~んて見せればオッケーとか思ってないか。なんか、男が女に使うと犯罪だと言われるが、女が男に使ったら媚薬に無関係に男が悪いと言われそうな気がするんだよね。
で、この小説では、主人公の女性が占いソフトの通販で媚薬を買っちゃうことから事件が発覚するわけだけれど、もうその時点で精神が病んでいるんじゃないかと思った。中学生くらいならまだしも、立派な社会人でいい歳なわけだし。
そのあたりからして、もう怖い。この情念の強さ、深さの怖さっていうのは、びっくりドッキリ系の怖さよりも比較にならないくらい怖い。
で、SFとしてみた場合、疫病としての媚薬、ドラッグの蔓延をもう少しメインストーリーに取り入れて欲しかった。そこから、個人の物語が世界の存亡に繋がると言うギヤシフトがあるべき。もちろん、SFとしてはなのであって、ホラーとしてはそんなものは蛇足なのだろう。
そして、気になるのが、胎児はどこに言ったのかと言うこと。死んでたっけ? 生きてなかったっけ? 女性だけが受け継げると言うことは、実は胎児が必要というオチなのだったっけ。なんか読み落としてるかなぁ。
この小説は、割とホラーを意識して書かれたようなところがありありと見えるので、もっとSFを意識した作品を書いてもらいたい。と、隠れ図子慧ファンとしては思うのである。
図子慧はもっと評価されてもいい作家だと思うんだけど……。これも実は古本屋で見つけるまで存在を知らなかった小説。
内容としてはマイクル・クライトン系のサイエンス・スリラーを日本的な情念で味付けしたJホラー系SF。
意中の男を落とすために媚薬を使うというのは、女性にとってどこまでリアルな話なんだろうか。媚薬を使わなくたって、ぺたぺた触ったり、べろ~んて見せればオッケーとか思ってないか。なんか、男が女に使うと犯罪だと言われるが、女が男に使ったら媚薬に無関係に男が悪いと言われそうな気がするんだよね。
で、この小説では、主人公の女性が占いソフトの通販で媚薬を買っちゃうことから事件が発覚するわけだけれど、もうその時点で精神が病んでいるんじゃないかと思った。中学生くらいならまだしも、立派な社会人でいい歳なわけだし。
そのあたりからして、もう怖い。この情念の強さ、深さの怖さっていうのは、びっくりドッキリ系の怖さよりも比較にならないくらい怖い。
で、SFとしてみた場合、疫病としての媚薬、ドラッグの蔓延をもう少しメインストーリーに取り入れて欲しかった。そこから、個人の物語が世界の存亡に繋がると言うギヤシフトがあるべき。もちろん、SFとしてはなのであって、ホラーとしてはそんなものは蛇足なのだろう。
そして、気になるのが、胎児はどこに言ったのかと言うこと。死んでたっけ? 生きてなかったっけ? 女性だけが受け継げると言うことは、実は胎児が必要というオチなのだったっけ。なんか読み落としてるかなぁ。
この小説は、割とホラーを意識して書かれたようなところがありありと見えるので、もっとSFを意識した作品を書いてもらいたい。と、隠れ図子慧ファンとしては思うのである。