『S-Fマガジン 2009年12月号』 (早川書房)

秋のファンタジイ特集。
やっぱり、ファンタジイは向いていないかな、と思った。
なんだろう、起承転結というか、あらすじの面白さが伝わってこない。表現や描写は美しかったりするんだけど。
それと、ファンタジイには、まったく違う2種類のものがあるのではないかと思う。どうしてこれが同じジャンルに分類されているの
かというレベル。SFとオカルトが同じジャンルだと思われているのと同様なんだろうか。ハイファンタジイ、ローファンタジイという
わけかたもあるが、それともちょっと違う。「その世界では」筋の通った話と、最初からそんなことは放棄したような話。
前者は『指輪物語』だったり、『グイン・サーガ』だったり。後者は、どちらかというと、御伽噺とか、寓話のような話。後者は詳しくないから作品名は上げられないけど。
前者の作品群はSFと同じ楽しみ方が出来るんだよね。最終的に、腑に落ちるとか、世界の謎が解けるというか。後者の作品群はあんまり……。なんだか雰囲気を楽しむことは出来るんだけど、読み終わっても、もやもやした何かが残ってしまう。
『最後の粉挽き職人の物語』 イアン・R・マクラウド
○:失われゆく歴史と“何か”を惜しむ話。やっぱり、結末に納得がいかない(笑)
『アボラ山の歌』 シオドラ・ゴス
△:詩人が世界を作る話と、作った世界の中で詩人を作る話、だと思う。いまひとつ理解できない。
『図書館と七人の司書』 エレン・クレイギス
○:図書館萌えな人のための寓話。あるいは、誰かの自伝の話。
『王国への旅』 M・リッカート
○:日本なら怪談。
『鎧と薔薇』 菅浩江
○:女性が化粧をするのは自分のためという話。日読子のエピソードが、主題の原点提示だけではなく、もうひとつのストーリーになりつつある。
『すばらしい新世界』 樺山三英
△:この話って、なんだっけ?
○:わからないので読み直してみた。これは特定の事件を題材にしたのではなく、嫌韓とかネトウヨとか、その手の自然発生的な何か(もしかしたら民主主義)を題材にしたもののように読める。
実は、今月号で面白かったのは対談3連発。
・神林長平/円城塔/桜坂洋/辻村深月
フムン、フムン(笑)
自分の神林読書体験と重ね合わせると、ムチャクチャ趣深い。
・岩郷重力×大森望
大森さんの本名は“あぼみくる”。“あぼ”は知ってたけど、“みくる”だったのか。
朝比奈さんネタは聞いたことが無かったような気がするんだけど、コレって有名なの?
・上田誠×森見登美彦
舞台は見たこと無いのだが、表現方法としての違いが良くわかる。
森見氏は、ついにS-Fマガジン初登場?

秋のファンタジイ特集。
やっぱり、ファンタジイは向いていないかな、と思った。
なんだろう、起承転結というか、あらすじの面白さが伝わってこない。表現や描写は美しかったりするんだけど。
それと、ファンタジイには、まったく違う2種類のものがあるのではないかと思う。どうしてこれが同じジャンルに分類されているの
かというレベル。SFとオカルトが同じジャンルだと思われているのと同様なんだろうか。ハイファンタジイ、ローファンタジイという
わけかたもあるが、それともちょっと違う。「その世界では」筋の通った話と、最初からそんなことは放棄したような話。
前者は『指輪物語』だったり、『グイン・サーガ』だったり。後者は、どちらかというと、御伽噺とか、寓話のような話。後者は詳しくないから作品名は上げられないけど。
前者の作品群はSFと同じ楽しみ方が出来るんだよね。最終的に、腑に落ちるとか、世界の謎が解けるというか。後者の作品群はあんまり……。なんだか雰囲気を楽しむことは出来るんだけど、読み終わっても、もやもやした何かが残ってしまう。
『最後の粉挽き職人の物語』 イアン・R・マクラウド
○:失われゆく歴史と“何か”を惜しむ話。やっぱり、結末に納得がいかない(笑)
『アボラ山の歌』 シオドラ・ゴス
△:詩人が世界を作る話と、作った世界の中で詩人を作る話、だと思う。いまひとつ理解できない。
『図書館と七人の司書』 エレン・クレイギス
○:図書館萌えな人のための寓話。あるいは、誰かの自伝の話。
『王国への旅』 M・リッカート
○:日本なら怪談。
『鎧と薔薇』 菅浩江
○:女性が化粧をするのは自分のためという話。日読子のエピソードが、主題の原点提示だけではなく、もうひとつのストーリーになりつつある。
『すばらしい新世界』 樺山三英
○:わからないので読み直してみた。これは特定の事件を題材にしたのではなく、嫌韓とかネトウヨとか、その手の自然発生的な何か(もしかしたら民主主義)を題材にしたもののように読める。
実は、今月号で面白かったのは対談3連発。
・神林長平/円城塔/桜坂洋/辻村深月
フムン、フムン(笑)
自分の神林読書体験と重ね合わせると、ムチャクチャ趣深い。
・岩郷重力×大森望
大森さんの本名は“あぼみくる”。“あぼ”は知ってたけど、“みくる”だったのか。
朝比奈さんネタは聞いたことが無かったような気がするんだけど、コレって有名なの?
・上田誠×森見登美彦
舞台は見たこと無いのだが、表現方法としての違いが良くわかる。
森見氏は、ついにS-Fマガジン初登場?