神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

宵山万華鏡

2009-07-26 22:12:05 | SF
『宵山万華鏡』 森見登美彦 (集英社)


森見登美彦の面白さというのは、京都を舞台とした日常と非日常のちょっとした境目を少し不思議に描く……ということではなく、もてない大学生の空回りする下心だと思うのだ。そして、とびきり可愛らしく、かつ凛々しく描かれるヒロイン。まぁ、男の妄想としての理想の女性なので、そんなヤツいないと言われそうではあるんだが。

ところが、この小説は、この空回りする下心成分が足り無さすぎる。おんなのこもあんまり魅力的じゃない。山田川さんねぇ。悪くないんだけど。

森見氏にあたっては、結婚しようが、本上まなみと対談しようが、王様のブランチに出ようが、綺麗なオフィシャルサイトを作ってもらおうが、可愛らしくも凛々しい女性に対して空回りし続ける下心の小説を少し不思議に書き続けていただきたい。

猫狸猫狸猫狸猫狸猫狸猫狸猫狸……。




[コンサ] J2第30節:コンサドーレ札幌 - ファジアーノ岡山

2009-07-26 06:53:00 | コンサ
J2第30節:コンサドーレ札幌 4-2 ファジアーノ岡山 @スカパー


開始時間を間違えていて、テレビをつけたら2-0だった(笑)
その後、ファジアーノの追撃を振り切って4-2で勝ち。

試合内容はどこが変わったという訳ではないと思うんだけど。
変わったのは、DF本職4枚が始めてそろったことぐらいか。
もちろん、1アシスト、2ゴールと大活躍の西のFW起用がはまったこと。

西はもともと攻撃の選手なので、彼をサイドバックに使わなければならなかったことが最大の失敗だったのかもしれない。
最初から攻撃のオプションに使えていたら……。

やっぱり開幕前に決まってたよな。藤田の右SBに夢を見て、2試合だか3試合で夢破れたときにわかっていたんだよ。

勝ったといっても相手はJ2ボトムズ。単純に喜んではいられない。とはいえ、試合終了後のゴール裏に西がよじ登っていったシーンは、胸に来るものがあった。選手達も勝てない中で精神的にきつかったんだろうと思う。

しかし、ここで終わっては意味が無い。
次節はセレッソ大阪戦。上位チームにどのような戦いができるのか。それが重要。
使途ハファエルも襲来するし、楽しみに待っていよう。


[SF] 艦長の子

2009-07-22 22:36:38 | SF
『艦長の子』 カリン・ロワチー (ハヤカワ文庫 SF)





昨年から話題の戦争SF三部作といえば、先月めでたく完結した《老人と宇宙》三部作と、この『戦争の子』に続くシリーズ。
他にも『反逆の星』とかもあるけど、やっぱり筆力が違うなと感じる。なんというか、スペースオペラではなく、戦争文学なんだという感じ。

今回の主人公は、みんなの英雄アザーコン艦長の息子、ライアン。ちょっとしたアイドルに祭り上げられて、マスコミに追われて、テロの標的にされて……。そりゃ、父親を憎んでグレるだろ(笑)

あらゆるものに、理由も無く苛立っていた昔を思い出して赤面する。俺にもそんな頃がありました(笑)とか思っていたら、ライアンには、とんでもないトラウマがあったり。ごめんなさい。あなたの問題の方がすごいです。

ただ、そこで終わらずに、親子は家族の問題を乗り越えうんぬんかんぬん。アメリカ人は好きだよね、このパターン。

というか、自分と父親の関係を振り返らざるを得ないこの手の話はちょっと苦手なのだ。
別に険悪なわけではないんだが、お互いに理解できていないというか。
正直言って、明日、父親が死んだら通夜の挨拶になんて言おうかと悩むくらいだ。
きっと精神分析的には、いろいろ問題というか、心理的な壁があるんだろう。

さて、そんな自分語りはさておき。
親子関係の再構築の話で終わるかと思いきや、終盤に物語りはバタバタと動き出し、以下待て次号。

そりゃないべぇ。と思いながら、第3弾『海賊の子』を待つのであった。


[コンサ] J2第29節:カターレ富山 - コンサドーレ札幌

2009-07-22 22:14:07 | コンサ
J2第29節:カターレ富山 0-0 コンサドーレ札幌 @スカパー


なんだか話のありそうだった協力会社さんを振り払い、5:30に会社を出て帰宅。
今日こそは勝ちゲームが見られると期待していたのだが……。

なんともストレスの溜まる試合。イライラもつのるし、ビールもすすむ。
すっかり酔っ払いになってしまいました。

退団のクライトン、イエロー累積のダニルソン、腰痛のソンファンと、頼みの外人助人はキリノを残して欠場。
システムはどう変わるのかと思ったら、柏から移籍の石川がCBで初出場。
曽田でもなく、柴田でもなく、ましてや堀田でもなく、合流まもない選手を使うあたりが、石崎監督と選手間の信頼の無さの表れなのか。
その石川は大きなミスも無く、無難な出来。しかしサイドバックで見たいんだが。

さて、またしても結果は出ませんでしたが、試合内容だけなら函館の試合の方がよっぽどまし。
富山の拙攻に助けられたものの、中盤での球の拾い合いでは五分五分か負けていた。
しかも、その中でつかんだ決定機はすべて枠の外。前4人はシュート練習居残り100本。

うーん。どうしたもんだろうか。
正直言って、このチームが今年中にどうにかなるとは思えないんですが。

某チェアマン並みに禁止事項でも作ってみますか。
 ・バックパス禁止
 ・シュートゾーンでパス禁止
 ・足元へのパス禁止
 ・サイドへのマイナスのパス禁止
コレくらいやると、試合は動くと思うんだが。
……まぁ、冗談でも笑えないな。



ところで、ドラクエ。
宮澤がLv40越えで、大吾はLv60越えとか。転職とかわからんけど。
俺はまだLv30ですが何か?
っつーか、お前ら、練習しろ。移動時間もイメトレだ!

[SF] S-Fマガジン 2009年8月号

2009-07-19 23:11:12 | SF
[SF] S-Fマガジン 2009年8月号

『S-Fマガジン 2009年8月号』 (早川書房)




今号はチャイナ・ミエヴィル特集。
『ペルディード・ストリート・ステーション』は買ってあるんだけど読む暇が無い。持って歩くにはでかいし(笑)
SFというよりはSF風味なファンタジー小説系。ファイナルファンタジーの荘厳なやつと思えばいいか。

掲載されている3作品はすべて完成度の高い作品だと思う。この人がいままで日本に紹介されていなかったのは不思議といえば不思議。そのうち、イーガンなみのブームを巻き起こすかもね。

他に目を惹いたのは《銀河乞食軍団》のシェワールドものとか。萌え絵の表紙で、正直言って、怖くて読めません。

連載物では、神林長平の雪風第3部が完結。最終章は読まずに単行本で読む(笑)



『鏡』 チャイナ・ミエヴィル
 ○:映画の『ザ・ミラー』を思い出したり。緻密に構築された世界の情景に、理屈抜きに酔える。

『ある医学百科事典の一項目』 チャイナ・ミエヴィル
 ○:これは一発ギャグなのか、都市伝説的怪談なのか。良くわからんが、クスクス笑いながら読んだ。

『ジャック』 チャイナ・ミエヴィル
 ○:これもまた、世界に酔えという作品。背景の設定などは『ペルディード・ストリート・ステーション』を読まないとわからないかも。

今回の読み切りはチャイナ・ミエヴィルのみ。ちょっと珍しいパターンですね。

100人のプロフを見るだけの簡単なお仕事です

2009-07-19 22:42:43 | Weblog
最近仕事がきついです。
体力的にはそうでもないのだが、精神的にきつい。
無性に怒りっぽくなっていたり、もう鬱病初期かも(笑)

すべての元凶は社外窓口(技術営業というかなんというか)が対外的に約束したことが現場に周知されていないこと。契約条項もあいまいで、法律闘争に持ち込めば勝てそうなものの、ビジネスの関係上、いまさらの客先要求を丸呑みするしかなく、かといって、現場では計画上そんな工数もとっていないし、スケジュールも間に合うはずが無い。

なにが問題って、その社外窓口が別な部の部長で、面と向かって文句を言うわけにも行かず。しかもヤツが途中で仕事を放り出したために(社内的には別件の担当に回っただけだが)客先との合意事項がまったくわからならくなってしまっている。

そんなプロジェクトの技術責任者をやらされているわけだが、足掛け1年のプロジェクトで、残り3ヶ月前にゴールが違うといわれてもどうしろと。

明日も出社してくるダス。俺がやるのは事務所の鍵開けと不具合情報収集だけなんだけどな。急な方針変更のせいで基本的なミスが多すぎで、逆に俺にコーディングさせろっていう感じ。

まじ、胃がいてぇ。狂いそう。

[SF] 超弦領域

2009-07-19 22:38:39 | SF
>『年間SF傑作選 超弦領域』 大森望・日下三蔵 編 (創元SF文庫)



年間SF傑作選2008年版。
去年の年末に出た2007年版が好評だったために継続決定。
これからは毎年夏に出るそうだ。

今回もコアなSF作品から、何がSFなんだかわからない作品まで多様な傾向の作品を収録。

音楽でも単一アーティストのCDアルバムだと全曲終わる前に飽きることがあるが、オムニバスCDだと飽きることがない。そんな感じの短編集。

S-FマガジンとSF Japanを、とりあえずとはいえ、読んでいるせいで、既読の作品もあるのだが、それでもまったく知らない雑誌から知らない著者の作品が収録されていたりして、新鮮な楽しさがある。

そして今回また、円城塔の新作登場。まさか、毎年恒例になるんじゃないだろうか。
故・伊藤計劃の作品も掲載されていて、涙なしには読めません。

さらに、これだけ粒ぞろいの作品を集めながら、まだまだ足りないとばかりにSF短編賞の募集も開始。
副賞が年間SF傑作選収録で、賞金がその印税という、ある意味スゴイ賞。
他社の賞では、受賞作の権利を出版社が持っちゃうケースもあるから、後に映画化とか、ある意味当たればこっちの方がでかいかもよ。

巻末の後書に、“意外だったのは、「どうして××がはいっていないのか」という文句がほとんど見当たらなかったこと”とあるが、そりゃいろんな雑誌にくまなく目を通しているような読者が最近いないからじゃないのか。だからこそ、こういう年間傑作選に需要があると思うんだが。巻末の推薦作や、去年のSFマガジンを見返しても、「どうしてこれが」というものは見当たらないしな。

どっちかというと、S-Fマガジン、SF Japan抜きの傑作選にしてもらったほうが、既読作が無くて嬉しいんだが。まぁ、個人的な都合なので強く希望はしませんが。


[コンサ] J2第28節:コンサドーレ札幌 - ザスパ草津

2009-07-19 10:09:16 | コンサ
J2第28節:コンサドーレ札幌 1-2 ザスパ草津 @スカパー


仕事でバタバタしている間に、クライトン退団だとか。
時間の問題だと思っていたからショックは無いんだけど、退団決定から新助っ人決定までが早すぎて驚いた。
すっかり浦島だぜ。
ハファエルって、使途かビジュアル系バンドか、格好良すぎ。

ついでに、待望の左SBも補強。石川って聞いたとき、FC東京のかと思って頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになってた(笑)

さて、試合の方だが、土曜日休日出勤午前様のおかげで、夜中の1時からビデオ鑑賞。
正直言って、1-2になってからハーフタイムまで寝オチしてしまった。
後半はちゃんと見たけど。

今日は失点シーンを除いて、いい試合だったと思う。
ボール支配率も高いし、シュート数でも打ち勝っている。決定機の数もコンサの方が多かったはず。なんといっても、課題と言われていたコーナーキックから完璧な形で決められたことが良かった。といっても、確率1/10じゃまだまだだけど。

キリノは久々に快足でDFを置き去りにするプレーを見せたし、石井のオフボールの動きも良かった。
ダニルソンは攻守にがんばった。コーナーからの得点も、バーに当てたフリーキックも素晴らしかった。
藤田も西も上里も決定機を何度も作れていた。
守備陣も、西嶋は決定的なシュートがあったし、CB二人も戸倉を自由にさせるシーンは、……あんまり(笑)無かった。

褒め殺しのつもりはなく、本心から、今日はいい内容だった。ただ、結果が付いてこないことが苦しい。

しかし、結果よりも内容と言っていたはずのUSもそろそろ切れたのか、試合終了後にサポーターからの説教大会。しかもスカパーで放送されまくり。言っていることはほとんど聞き取れなかったんんだけど、かなーり異様な雰囲気は伝わってきた。解説の大森もびっくりですわよ。

結果を求めるのか、内容を求めるのか。
当然、両方必要なんだが、まずは結果なんだろうな。
内容がよければ結果が付いてくるなんていうのは、内容がちょっといいくらいでは、まだ夢なんだろう。

岡田監督以来、結果が良かったときのサッカーはカウンターサッカーで、ポゼッションサッカーをしようとした時代は石崎も柳下もジョアン・カルロスもダメだったんだよ。かと言って、三浦サッカーに未来がないことは証明されたようなものだし、難しいところだ。

これで遂に下位グループ入り。昇格は数字の上だけでも、そろそろ不可能だろう。
今から来年を見据えたチーム作りをするのか、少しでも勝ち点を上げることにこだわるのか。
また揉めそうだな、こりゃ。



[コンサ] J2第27節:コンサドーレ札幌 - ロアッソ熊本

2009-07-11 16:46:06 | コンサ
J2第27節:コンサドーレ札幌 0-1 ロアッソ熊本 @スカパー


おおコンサよ しんでしまうとはなさけない

マヌーサかけた相手につうこんのいちげきを喰らって死亡(笑)

前半怪しいイエロー2枚で熊本の選手が退場したが、それがなくてもボール支配は完全に札幌。
特に藤田の怪我で、久々にスタメン登場の石井がいい動きを見せた。
なんといっても背番号9のエースだからな(笑)
キリノがスピードを持っている割に足元に欲しがる選手だから、いまひとつ裏へ抜ける動きが少なかった攻撃陣に動きのオプションが増え、効果的に攻め込むことができた。
また、熊本のDFも、札幌仕込みのファンタジープレーを見せた川端のせいで結構スキが多く、こりゃ得点は時間の問題だろうと思っていた。

前半のスタッツでは、シュート数は札幌9に対し、熊本0。
こりゃ、後半シュート1本で失点したら大笑いだな。と考えた俺が悪かった……。

後半は業を煮やした石崎監督が3バックへ変更。これが大失敗。

前半、動きの良かった石井を2Topの位置に上げたものの、ベタ引きの熊本に中央ではスペースが無く、まったく仕事ができない。
そこで元気と上原投入。後半15分からパワープレー開始。

しかし、本職でもないのにリベロに入った西が痛恨のクリアミス。これを吉井に決められて、本当にシュート1本で失点。

一方、熊本は川端が「とんでもないミスをしてもなぜか失点しない」という、かつての札幌DF特有のファンタジープレー炸裂。
このおかげで、札幌はシュートを撃っても打っても売っても入らない。

最後にはクライトンが負傷退場なんてオチもついて、厚別ホームゲームで無様な敗戦。
今日はブーイングでいいだろ。

これでせっかく水曜日に愛媛戦で見せた粘りの逆転劇はまったくの無意味になりました。勢いをつけるには絶好の機会だったと思うんですが。

今日は素人目に見る限り、明らかに石崎監督の采配ミスですね。
前半よかった4バックをなぜ捨てたんでしょうか。
パワープレーに徹することは選手へどのように伝えたのでしょうか。

守備では、そもそもまともなディフェンダーを使いましょう。
攻撃では、選手はオフボールでの動きを勉強しましょう。

今日よかったのは前半の石井と前半の上里くらい。後半は特筆すべき選手は無し。
あ、あとドールズ桜子の微妙な訛り(笑)

[SF] 火星のタイム・スリップ

2009-07-10 23:47:18 | SF
『火星のタイム・スリップ』 フィリップ・K・ディック (ハヤカワ文庫 SF)




1964年に出版された、1994年を舞台とした近未来SF。
2009年の今でも、火星移民は遠い夢というのが悔しい。

自閉症の子供は時間感覚が異なるという学説から、タイム・スリップができるのではないかという仮説を導き出し、なんとか過去にタイム・スリップして大金持ちになろうとするお話(偏った意訳)。

山田正紀の『神獣聖戦』への影響でも論ずるべきかもしれませんが、それはさておき……。

今読むと、自閉症や精神症への誤解に満ちていて、差別小説とも取られかねないですね。
当時は“あのドイツ製の薬”として言及されているサリドマイドや、その他の薬害、公害により、生まれ来る子供への恐怖というものがあったのでしょうか?
また、精神病理学がやっとまともになってきて、精神病というものは誰もがかかるかもしれない病気であるという、新しい恐怖があった時代なのかもしれません。

SFでは外挿による未来予測の機能が注目されますが、現在の映し鏡としての機能も大きいことは何度も言及している通りです。
したがって、過去の名作SFは読者を著作された当時の世相へタイム・スリップさせてくれる装置でもあるのです。
そんなことを強く考えさせられたりしたり。

ガビッシュ!
ガブル、ガブル、ガブル……。