『星新一 一〇〇一話をつくった人』 最相 葉月 (新潮社)
(C)新潮社
第28回日本SF大賞、第39回星雲賞ノンフィクション部門受賞を受賞した、星新一の伝記。
出版が2007年の3月で、SF大賞受賞は2008年。その当時買ったまま、1年以上(?)積読にしてしまっていました。
星新一といえば、日本SF第1世代の重鎮で、ショートショートの名手。SFファンでなくても中高生時代に誰でも一度は通る道。小松左京は読んだこと無くても、星新一は読んだことがあるでしょ。
個人的には、実はそれほど思い入れのある作家ではなく、ショートショートという文学形態もちょっと苦手かも。なおかつ、この手の人物系ノンフィクションは眠くなる。
まぁ、そんなわけで塩漬けになっていたのですが、積読消化週間なので読んでみました。
星新一が生まれてから亡くなるまで。まさに、揺りかごから墓場までの伝記。そこには、父である星一との関係や、星製薬の御曹司から若社長、そして会社を追われるまでの様子など、SF系のイベントや雑誌で見せる姿とは異なる星"親"一の姿がありました。
SFファンとしては、星氏が"新"一になるまでの人生が彼のショートショートに与えた影響などを論じてみるべきなのかもしれないが、残念ながらそこまで彼の作品に詳しくありません。どちらかというと、彼を取り巻くSF文壇(?)の人々、手塚治虫、福島正実、柴野拓美、矢野徹、野田昌宏などの面々とのエピソードの方が興味深いです。ただ、そちらの方面への興味が先に立ってしまうと、割と有名なエピソードが多くて、ちょっと物足りないでしょうか。
ただ、2007年のSF大会での柴野氏や小松氏のスピーチで披露された逸話と、この作品に収録されている逸話が被ってしまっているのは、最相氏の取材で、または本になったこの作品を読み返して、記憶が呼び覚まされたからのことだったのかもしれませんね。
SF第1世代の人々というのは、何もない戦後の焼け野原に、SFという未踏の荒野を見つけ、いちから日本SF界を作り上げただけの眼と行動力がありました。それだけに、誰の伝記を読んでも豪快だったり、奇矯だったり、いろいろすごいことになっていそうです。
とりあえず、日本のSFファン第1号である矢野徹氏、テレビ製作の名の下にやりたい放題をやった野田昌宏氏(←誇張あり)の伝記は、ぜひ読んでみたいものです。
(C)新潮社
第28回日本SF大賞、第39回星雲賞ノンフィクション部門受賞を受賞した、星新一の伝記。
出版が2007年の3月で、SF大賞受賞は2008年。その当時買ったまま、1年以上(?)積読にしてしまっていました。
星新一といえば、日本SF第1世代の重鎮で、ショートショートの名手。SFファンでなくても中高生時代に誰でも一度は通る道。小松左京は読んだこと無くても、星新一は読んだことがあるでしょ。
個人的には、実はそれほど思い入れのある作家ではなく、ショートショートという文学形態もちょっと苦手かも。なおかつ、この手の人物系ノンフィクションは眠くなる。
まぁ、そんなわけで塩漬けになっていたのですが、積読消化週間なので読んでみました。
星新一が生まれてから亡くなるまで。まさに、揺りかごから墓場までの伝記。そこには、父である星一との関係や、星製薬の御曹司から若社長、そして会社を追われるまでの様子など、SF系のイベントや雑誌で見せる姿とは異なる星"親"一の姿がありました。
SFファンとしては、星氏が"新"一になるまでの人生が彼のショートショートに与えた影響などを論じてみるべきなのかもしれないが、残念ながらそこまで彼の作品に詳しくありません。どちらかというと、彼を取り巻くSF文壇(?)の人々、手塚治虫、福島正実、柴野拓美、矢野徹、野田昌宏などの面々とのエピソードの方が興味深いです。ただ、そちらの方面への興味が先に立ってしまうと、割と有名なエピソードが多くて、ちょっと物足りないでしょうか。
ただ、2007年のSF大会での柴野氏や小松氏のスピーチで披露された逸話と、この作品に収録されている逸話が被ってしまっているのは、最相氏の取材で、または本になったこの作品を読み返して、記憶が呼び覚まされたからのことだったのかもしれませんね。
SF第1世代の人々というのは、何もない戦後の焼け野原に、SFという未踏の荒野を見つけ、いちから日本SF界を作り上げただけの眼と行動力がありました。それだけに、誰の伝記を読んでも豪快だったり、奇矯だったり、いろいろすごいことになっていそうです。
とりあえず、日本のSFファン第1号である矢野徹氏、テレビ製作の名の下にやりたい放題をやった野田昌宏氏(←誇張あり)の伝記は、ぜひ読んでみたいものです。