神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[コンサ] 経営計画、やっと発表

2009-01-30 22:34:02 | コンサ
久しぶりにコンサドーレねた。

石崎監督就任とか、クライトン去就とか、行く人来る人いろいろあって、チームはグアムキャンプ中ですが、
見過ごせないネタが!

減資までしたのにもかかわらず、北海道フットボールクラブの今年度の赤字が3000万円とな!
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/consadole/143963.html

どうしてこういうことになったのか?
赤字増やしても、そのうちまた減資+増資するから平気とでも思っているのか!

Plan-Do-Check-Actionが成り立っていない典型。
矢萩社長以下、フロントの人は、なぜこうなったのか、そして、来期はどうやってこのようなことを防ぐのかを明確に発表すべき。

そういえば、シーズン末に応援拒否で揉めたとき、フロントが約束した中期経営計画の発表はどうなったのか。
今日は1月の最終営業日だろ!

と思っていたら、本日付で発表されていました。

北海道フットボールクラブ 中期経営計画2009-2011http://www.consadole-sapporo.jp/news/diary.cgi?no=1748

いろいろと項目別に載っているんですが、具体的な項目もあれば、スローガンだけみたいなものもあり。

特に、「☆財務内容の改善と事業組織の再編」は具体策が少ないのではないか。どの項目も、じゃあ、それをどうやって実現するのか、と疑問になってしまう。

世の中不況で財布の紐が固い中、あの手この手で観客増員を目指さなければならないというのに、まさか、過去のキャンペーンや他チームのキャンペーンでどの程度の効果があったのか、あるいはなかったのかといった分析もしていないなんてことはないよな。

上位株主の丸井今井も会社更生法適用とか.大口スポンサーのニトリがコケないことを祈るしかないようで。

え、増収策の第1弾は、レプリカユニフォームの大幅リニューアルと値上げ
http://www.consadole-sapporo.jp/news/diary.cgi?no=1747
……orz

とりあえず、この項目は半期ぐらいごとに、サポーターからも、ちゃんと採点していくことが必要だろう。



[SF] エンジン・サマー

2009-01-29 00:01:44 | SF
『エンジン・サマー』 ジョン・クロウリー (扶桑社ミステリー)

長らく待ちわびた人も多い名作の復刊。

破滅後の地球。
銀色の手袋、片足、4つの頭、蛇の手、動けないハエ、タバコのように吸うパン……。
魅力的な小道具と暗喩、寓意に満ちた世界へ、少年は旅に出る。
世界の真実と少女の面影を追って。

なんて、書くと、俺的どストライクなSFに見えるんだが、なぜか乗れなかった作品。
この感じ、初めてじゃないぞ……。そうだ、イアン・ワトソンの『火星夜想曲』だ!

いろいろ見落としはあると思うけど、主人公《しゃべる灯心草》が《ブーツ》に“合う”くだりで、なんとなくカラクリはわかっていたので、最後はそんなに驚かなかった。そのせいだけではないと思うんだけど、喪失感とか、せつなさというのは感想として持てなくて、なんだかモヤモヤする。


そもそも、なんでみんな“それ”を切実に必要としているのかが理解できないんだけど、誰か説明してくれない?


分析してみると、俺的にはたぶん、燃え成分も萌え成分も足りないのだと思う。特に燃え成分の少なさは異常。旅に出る動機や目的が物語の終端を暗示するものであれば、そこにたどり着いたという到達感もあるのだろうけど、これはまさしく“蛇の手”の先まで行って打ち切りになったようなイメージがする。まぁ、“蛇の手”が一番面白いという主張なのかもしれないけど。

ところで、『エンジン・サマー』のヒロイン《一日一度》と、『ハローサマー、グッドバイ』のヒロイン、ブラウンアイズのどちらが魅力的かという論争があるらしい。
とりあえず、ブラウンアイズ圧勝……。
違うよ!
そこじゃないよ!
『エンジン・サマー』の萌え処はワンスアデイじゃなくて、ブロムだよ!

名作と言われればそうなんだろうし、何度再読してもそのたびに再発見のあるスルメイカのような作品だとは思うけど、読み返す気が起こらない。ベストSFが『火星年代記』、『火星夜想曲』、そして、『エンジン・サマー』という人とは、絶対に趣味が合わないんだろうなぁ。


ちょっとネタバレな話。










結局、この物語の語り部はラッシュ本人ではなく、写し取られた記憶、もしくは再生されるデータなわけだが、それってちょっと、『ガンパレードマーチ』や『絢爛舞踏祭』のNPC(AI)に似てない?
そう思ったときに、切なくなったり、喪失感や無常観を感じる?
むー。やっぱり、なんとなく微妙……。


いまさら舞踏再開

2009-01-27 23:18:16 | Weblog
なぜかいまさら,PS2のゲーム『絢爛舞踏祭』を再開してしまった.
九州奪還を読んで魂が燃え上がった結果なんですが,魂がGPOに向かなかった理由は……,そこはそれ.まだ速水を出してないのにね.

さて,絢爛で遣り残したことといえば,やっぱり経済戦.
過去のクリアでは,まさに殺しまくって,火星も各勢力も疲弊しての100年の平和だったわけで.
ネットを見ると,まだ,ありもしないグレート・エンディングを捜し求めている人もちらほらと.

ま,現実世界も不況なわけで,まさかと思うが某大国が戦争景気を当てにして云々かんぬんとか.(←リアルあったら怖いシリーズ)

まずは,最初から始めるを選択して適当にプレイ.クリア後なので,開始画面のOVERSウザイ.
レベル1操作もうぜぇー!
はやくレベル2になりたーい.
と思うが,シミュレータ訓練の途中でタイミング悪く第2戦闘配置,解除が繰り返し,撃墜数稼げずにレベル1で実戦.
やっとレベル2になったーと,嬉々として戦闘を続けたら,あっというまに撃墜60機突破.タフトあぼん決定.

……冷静に,冷静に.

再び最初から.
まずは,今回の編成を決めよう.

目的:
(1) 火星の独立,自立
(2) 海軍魔女と冥王星(BALLS)の和解

(1)のためには,食料自給率を高めることが必要.しかし,食料都市は保守派なので,火星独立には邪魔.
考慮の結果,食料都市と宇宙港のあるオリンポス間の通商封鎖を選択することに.
これで,一時的に食料都市で流通在庫による不況になるが,他の水資源都市への経路に手出しをしなければ,火星内で食料が流通するようになるはず.

(2)はちょっと思うところがあり,実験.エステルとグランパを仲良くさせて,それぞれの勢力へ工作員として送り込んだら,何か起こるんじゃね?
とりあえず,部署を一緒にしたり,互いに好きそうなアイテム持たせたりで,なんとかならんか.
あ、グランパはBALLS代表でも、介入されてるっぽいからダメか?

まずはシステムファイルを退避,まっさら状態で最初からを選択.
チュートリアル中に操縦,政治,指揮を上げまくる.
なんだかNPCもつられて訓練士まくってるよ!
操縦訓練するサーラ,政治訓練するMPK.あーっ,ポー教授は政治訓練しないでぇ!

なんだかんだで,やっと政治家就任.とりあえず,エノラとタフトを確保のために地球へ工作員投入から.
会議で工作員投入を発表.アキとメイが反対し,反対多数でもエリザベスが採用(笑)
でも行き着いた先はイスメニウス.おいおい.

次の出航では,会議メンバを解任しようとするが,威信値が足りず.そのまま会議へ.
工作員投入をやはりメイが反対.でもエリザベス採用.さすが,仲悪いな.

今度はちゃんとオリンポスへ.

威信値稼ぎのため,30機撃墜まで飛行隊勤務.

オリュンポス直前で第1種戦闘配備.ありゃ,敵に早くもウルトラマン発見.
こっちは余勢200%未満.うぎゃー.手加減なんかしないぜ!
機雷と剣鈴でウルトラマン沈む.

なんでウルトラマンが?
と思って,ニュースを見ると,前日に戦力投入.
……本日,戦力引き上げ.

運良く先遣隊と鉢合わせし,これを撃破したせいで,火星上の戦力値を0にしたらしい.
おや,この手を使えば,ほとんどの参戦勢力を簡単に撤退させられるんじゃね?

うーむ.しかし,夜明けの船はたった1隻.撃ち漏らしが怖いので,この戦略はまたの機会に.
予定通り,まずは,食料都市とオリンポスを行ったり来たりで,通商破壊から.

今週はこんな感じで読書してません(笑)
積読が増えていくぅー.
ビーケイワンからの割引券どうしよう.使ったら,また積読が増えるー.
あ,S-Fマガジン買いに行くの忘れたし…….

Happy Birth Day To Me

2009-01-26 21:23:59 | Weblog
実は先日,誕生日でした.
もう祝ってもらうような歳ではないといえ,誰からも言及されませんでした(笑)

当日は部署の人の退職祝いで宴会.
3次会まで行って,ラーメン食って朝帰り.
それがあたいの誕生日(笑)

しょうがないので自分宛の誕生祝.
その1.冬季限定 エルディンガー・ヴァイスビア・シュネーヴァイセ 500ml 12本セット
その2.フレッツ光接続開始

シュネーヴァイセは香りも味もすばらしい.
前日朝帰りだったにもかかわらず,年末に買ったエルディンガー専用グラスでグビグビ状態.
はっ,自棄酒さ!

フレッツ光の方は恩恵がいまいち良くわからん.YouTubeのダウンロードも別に早くなってないし.ADSLのままでもよかったかも.

せっかくなので,九州四国方面のJ2観戦用にひかりTVでも入ろうと思い,Googleで検索しようとしたら,入力補完で「ひかりtv 解約」が上位に出てくる(笑)
こういうのは口コミというかなんというか,評判悪くなるよね.

ひかりTVに戻るが,J2全試合放送といっても生中継はほとんど無くて,後日ビデオ放送(VOD)になるらしい.念のために,翌日くらいに見られるのかと思ってサポートに聞いてみたら,生中継した試合は翌日VOD可能だが,それ以外は決まっていないという答え.

せめて,何日以内という回答があればよかったんだけど.せっかく加入しても,見たい試合が試合日の1ヵ月後とかなら洒落にならん.

それじゃ,スカパー光はどうかというと,こちらは放送チャンネル数が限られていて,J2が放送されるch180とかch176とかは対応していないっぽい.これじゃ光にした意味がないじゃん.

結局,アンテナ立てて,スカパー(ホンモノ)に加入するしかないのか.
今なら,工事のために部屋掃除したあとだから,アンテナ立てにきてもらっても大丈夫だし(笑)

すごいよ白生

2009-01-21 22:36:55 | Weblog
すごいよ、白生。
びっくりだよ、白生。

日本ビール株式会社輸入販売の缶ビールで、缶には日本語が印刷してあるけど、製造はベルギー。
原材料に小麦が入っていて、酵母もヴァイスビールの酵母だと思う。

これで、二駅向こうの西友で1缶207円。ほとんど普通のビールと同じ。
なぜか発泡酒扱いなので、この手のビールにしては、異常に安いっす。

製造元はベルギーだが、ベルギー特有のオレンジピールやコリアンダーといったスパイスが入っていないので、ちゃんとしたビールの味がする。しかも、ドイツのヴァイスビールっぽい。

こんなの売ってるなんて知らなかったよ。

下手な日本製プレミアムビールよりも断然うまいよ!

すごいよ、白生。
びっくりだよ、白生。

[映画] ミラーズ

2009-01-18 18:23:00 | 映画
ミラーズ - goo 映画



『感染列島』でも見ようかと思っていたのだけど、あまりの各所レビューのひどさに撤退。
替わりに『ミラーズ』を見てきました。

これはスプラッタだけど、ホラーというよりはオカルト・ミステリー。
鏡の向こうに居るのは何?
謎のキーワード“ESSEKER”。
家族に危険が迫る中、主人公のベンは24時間の懸命な捜査に走り回る。(違!)

ただ、ミステリーというには、How、Whyが弱すぎ。だから、「絶対に推測できないラスト」というのも、「唐突過ぎるから推測できない」に陥っているだけに見える。

出来事の整合性とか、登場人物の行動の理由付けとかは、架空の物語であるからこそ、そこにリアリティを与えるために重要だと思うんだけど、オカルトとかファンタジーとかになると、それが置き去りにされてしまうのは何ででしょう。こういうのを気にしないのは、文系乙としか言いようが無い。

帰ってきてからネタバレコメント見てたら、「拳銃振り回す主人公こそ悪だから」っていうのがあった。それは想像できなかったよ。でも、そこに主題があるならエシカー本人の存在理由が弱くなっちゃうんだよね。

あー、あと、エンドロールがどうこう言ってる人が多いけど、オープニングから裏文字だったじゃん!

ついでに、子供部屋のポスターはやっぱり「ネギま!」だったみたい。
期待したのに、魔法使いの先生は出てこなかったけどね!

====
【追記】
なんだか貶して終わっているように読めるので補足。
決して面白くなかったわけではなく、十分楽しめる映画でした。
(隣でずーっとポリポリ、スナック喰ってた奴さえいなかったらな!)

複数人で見に行ったなら、ラストシーンの解釈について語り合うことになるんではないか。

さて、俺的解釈を以下に(ネタバレ注意)












アンナの中に何かが生まれた。これを便宜的に魔と呼ぼう。
鏡療法は精神病の治療方法としては間違っていたが、アンナは自分の中の魔と向き合うことにより、奇跡的に魔を鏡の中に閉じ込めることに成功し、退院する。
鏡に閉じ込められた魔は鏡の中から干渉し、残った患者達を皆殺しにする。
魔は鏡から出るためにアンナの身体を欲し、鏡に関係する人間達にアンナを探させる。
(つまり、魔がアンナを探すのは復讐ではなく、元の世界に戻るため)
ベンはアンナを説得し、再度、鏡の間にアンナを据えつけ、魔と対決させる。
ここからが、解釈の別れどころ。
アンナは再度の対決を制し、再び魔を鏡に閉じ込める。
しかし、その戦いに巻き込まれたベンは一緒に鏡の中に取り込まれてしまった!(ここがちょっと苦しい)
鏡の世界からの脱出に失敗した魔は怒り狂い、鏡の世界でベンと対決するが、炎によって浄化される。
しかし、ベンは元の世界に戻ることはできなかった。

こんな感じですかね。とりあえず、Whyの部分は整合性が保たれている解釈だと思うんだけど。


[SF] S-Fマガジン 2009年1月号

2009-01-17 21:14:41 | SF
『S-Fマガジン 2009年1月号』 




やっぱり“S”“とF”の間には“-”が入るのが正式な表記らしい(笑)
今年もお布施を続けます。冬の時代を憶えていますか。やっぱりS-Fマガジンが元気じゃないと、日本産のSFが読めなくなるので。

さて、1月号はウィリアム・ギブスン特集。
『ディファレンス・エンジン』の復刊と、最新作『スプーク・カントリー』出版記念。

サイバーパンクは、実はよくわからんのです。『ニューロマンサー』を読むのは苦行だったし。
『重力が衰えるとき』とか、『ハードワイヤード』とかは好きなんだけどね。ああいうのは、サイバーパンク以外の要素も強いせいなのか。

何人かのサイバーパンク論が載っているのだが、やっぱり巽孝之の文章は頭に残らない。こいつは相当ウマが合わないな。菊地誠の評論は『ディファレンス・エンジン』のすごさを語っているのだが、やっぱり僕が面白いと思うものとは違うらしい。タイトルどおり、「差異こそすべて」なのだが、その差異によってストーリーが面白く描けていないと、ただの薀蓄披露にしかなっていないと思うんだけど。

しかし、なんと言っても見逃せないのが、タイトルだけは有名だった、ゲイリー・ウェストファールの『ガーンズバック連続体』が掲載されていることだ。これは、ギブスンの諸作をガーンズバックの『ラルフ124C41+』と比較し、相違点を述べる形式で、ガーンズバックから始まるSFの歴史の中にサイバーパンクを位置づけようとした問題作。アンチサイバーパンクなSFファンにとっては目から鱗の必読文献と思われる。

さて、年末(気が早いな)の読者賞投票へ向けての覚書。今年は考課表形式の点数方式ではなく、記号方式にしたい。やっぱり、シロートがプロの作品に点数をつけるのは、ちょっと問題がありそうなので。

  ◎:すばらしい
  ○:好き
  △:まあまあ
  ×:嫌い

×は評価が低いのではなく、嫌いなだけなんだからね!

===
『レヤック爆裂』 友成純一
 △:連作っぽいので、これからどうなるか期待だが、今回のエピソードは特に興味なし。

『ジピと偏執狂のソフト』 ニール・スティーヴンスン
 ○:ミサイルを説得する映画(『ダークスター』?)を思い出した。滑稽だけど、イマドキ、ありそうだから怖い。

『キオスク』 ブルース・スターリング
 ○:60年代っぽい感じ。科学技術によって劇的に生活が変わるなんて、今じゃレトロフューチャーっぽい。あ、でもシンギュラリティがそうなのか。

===
読み切りはこれだけ。『虚構機関』のあとがきで日下三蔵が「2007年のSFマガジンには純粋な読み切り短編は12作品しか無かった」と嘆いて(?)いるように、日本作家の短編は少ないんだよね。その分、SF Japanにもがんばって欲しい。


[SF] ガンパレードマーチ 九州奪還 1~5

2009-01-17 16:20:12 | SF
『ガンパレード・マーチ 九州奪還』 榊涼介 (電撃ゲーム文庫)



思えば遠くへ来たもんだ。ついに九州奪還ですよ。和平ですよ。

PSのゲームシナリオから離れること8年目にして19冊目。こんな展開は想像も付きませんでしたよ。こうなってしまったら、尻切れトンボ放置状態の『ガンパレード・オーケストラ』には繋がらないんですかね。まあ、いいか。ループ世界だし。

ゲームシナリオのような“めでたしめでたし”でもなく、オフィシャルWEB小説のように23番目の転校生に助けられるわけでもなく、第5世界人たちが自力でここまで成し遂げたループも何処かにあると信じてあげたいものです。

ゲームのノベライズ小説が、原作者(芝村?)の手を離れて、ここまで続くというのも珍しいのではないか。主役はあくまでゲームキャラの旧5121部隊だが、熊本決戦で脇役だった少女戦車兵や少年歩兵たちが成長していく様子が本当の主役なのかもしれない。紅稜女子α小隊、藤代小隊、あと、橋爪とか、斉藤とか。誰も死ぬなよと思うが、誰も死なないと、ちょっと肩透かしだったり……。

ライトノベルはここ数年、ほとんど読んでいないんだけど、このシリーズだけは、惰性じゃなく、期待して読み続けている。それは、小説の面白さというよりは、原作のゲームによる刷り込みが大きいせいだとは思っていますが。

ガンパレード・マーチの世界は悲壮な戦闘と、能天気な学園生活が背中合わせに存在するギャップの面白さが表にあり、さらに裏には平行世界やら何やら山のようなSF設定がてんこ盛りという魅力的な世界。しかも、ゲームバランスがシビアで、まともにやるとエンディングにはたどり着けないという厳しさ。しかし、その中で出くわす、鬱になりそうなバッドイベントが泣かせるし、燃えるぜという壮絶なゲーム。

続編の「ガンパレード・オーケストラ」や、姉妹作品の「絢爛舞踏祭」では、この壮絶さが足りなくて、燃え方がいまひとつだったんですが、榊涼介の小説を読むと、ゲーム世界に没入していたあの頃の気持ちが戻ってくるんですよね。

ぜひ、PS2でもPS3でもいいので、榊シナリオ(もしくは矢上シナリオ)でリメイクして欲しいなり。……芝村シナリオは却下。









ありゃ、『ガンパレード・マーチ 九州奪還 0 萩幽霊戦線』なんてのも出るの?

[SF] 虚構機関

2009-01-13 23:31:38 | SF
『虚構機関 年刊日本SF傑作選 』 大森望・日下三蔵 編 (創元SF文庫)



2007年の雑誌、アンソロジー、フリーペーパー(!)に収録された作品の中から、選りすぐりの短編集。

多くは「S-Fマガジン」や「SF Japan」からの収録なので既読なのだけど、再読でも読み飛ばせないほど素晴らしい作品のオンパレードである。特に、円城塔の群像新人文学賞落選作品が読めるところなんか、さすがですね(って、何が?)。

収録作の中で一番スゴイと思ったのは、やっぱり円城塔と伊藤計劃なわけで、2007年はこの二人の年だったなぁと回想する。

個人的に好きなのは、福永信の「いくさ 公転 星座から見た地球」。A、B、C、D、4人(?)の少年少女の情景を綴っただけなのだが、ちょっとずつ視点がずらされていくところが、なんとなく異世界に落ち込んでいくような感覚があって、本当にヘンな小説。

逆に、これはどうなのと思ったのは、中原昌也の「声に出して読みたい名前」。なんだかさっぱり意味がわかりません。ニューウェーブSFって、こんなんだったっけ?

これが売れると2008年版、2009年版と続いていくらしいので、SFファンは一人2冊以上買うこと(笑)

[映画] 地球が静止する日

2009-01-12 14:56:43 | 映画
地球が静止する日 - goo 映画



愛があれば地球環境なんか破壊しても平気だぜ。もしくは、“Change!”“Yes, We can!”なオバマ応援映画。

地球にとっての一番の害獣は人類である。日本人にとってみれば、高度成長時代の公害の体験から、ウルトラマンや仮面ライダーといった子供向け番組でも、ジブリ映画や幾多の小説、映画、コミックで取り上げられた、言ってみれば「常識」である。このテーマをハリウッドがどう料理したのかと、期待して見に行ったが、期待通りのコケっぷり。

京都議定書に頑としてサインしない米国国民が、地球温暖化を叫ぶゴアのおかげで、やっと目が覚めたかと思いきや、この映画ではクラートゥが人類を救う決心をした理由が明確でないため、何のことやらわけのわからない結末になってしまっている。要するに、アメリカ人は家族愛が好きなんでしょ、でおしまい。ハリウッドチャンネルの監督インタビューも呼んだけど、頭の中10年は遅れてるんじゃない?

リメイクとしては、ロボットのヌートのデザインが旧作どおりでうれしい。「クラートゥ バラダ ニクト」もそのまま。旧作へのリスペクトはあるのね。それじゃ、なんでこんな劣化コピーを作ろうとしたんだろうか?