神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] 彷徨える艦隊 5 戦艦リレントレス

2013-10-30 22:41:25 | SF

『彷徨える艦隊 5 戦艦リレントレス』 ジャック・キャンベル (ハヤカワ文庫 SF)

 

彷徨える艦隊の5巻目。

アライアンス艦隊はシンディック艦隊を打ち破り、遂にアライアンス勢力圏の間近までたどり着く。しかし、その前に立ちふさがるのは、獅子身中の虫、艦隊内に巣食う反ギアリー派の破壊工作、そして、深刻な燃料不足だった。

さらに、異星人の影響力もどんどん強くなり、ハイパーネットゲートの意図的な崩壊による恐るべき被害も明らかになっていく。

一難去ってまた一難という感じで何度も災厄に降りかかられるギアリー艦隊だが、今回おもしろかったのは、艦隊内における裏ネットの存在だ。

確かに、艦隊内での通信ネットワークが存在し、それによって艦長会議や日々の情報交換が行われているのだろう。そして、当然のように、その裏(というか、影?)でこそこそと裏ネットを立ち上げる輩も出てくるし、それが暗黙の了解で存在を見逃されているというのもよくわかる。ある意味、ガス抜きのような効果を持った存在だったのだろう。しかし、これって、容易にクラッキングの対象になりそうなんだが、いいのだろうか。艦隊念とワークの電波は外部にもダダ漏れなんじゃないかと思うんだけど。

電波強度と距離の問題で、艦隊に接近しないと補足できないくらいのものなんですかね。艦隊から数時間の距離に、敵軍でも民間でも、いっぱいいそうなものだが、暗号で守られているから大丈夫?

実際の軍隊の場合はどうなんだろう。まぁ、The Internetだって、もとは軍事用なんだし、やっぱり、米軍裏ネットって存在するんだろうか。あってもおかしくなさそうだよなぁ。で、その裏ネット上で交換されている情報ってどんなものだろう。上巻の悪口とか、案外たわいのないものばかりだったりして。


さて、アライアンス勢力圏に帰ってきたギアリー大佐とアライアンス艦隊。第一部完まであと1冊。

アライアンス艦隊はシンディック艦隊を打ち破り、戦争を終結させることができるのか。異星人の正体と、その意図は何なのか。
ギアリーは子孫の妹に伝言を伝えることができるのか。そして、ギアリーを巡る三角関係の行方は。すべては第6巻へ続く。

 

 


[映画] 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語

2013-10-28 23:55:26 | 映画

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』

 

10/26 土曜日。『魔法少女まどか☆マギカ』の新作映画が公開された。前作までのTVリテイク版ではなく、完全新作である。

ネット上の予告編やtwitterなども完全無視で、できるだけ事前情報を入れないように臨んだために、危うく公開日を忘れるところだったが、めざましテレビのおかげで前日に気が付いたので、無事に予約することができた。その時点で午前0時からの初上映は予約で満席でしたがね。

そもそも、自分が『まど☆マギ』の存在を知ったのは、TV放送第3話の話題がネットで盛り上がったのがきっかけだったので、例の衝撃のシーンの内容を知ってから見てしまったという悔いが残っている。

逆に、何も知らずに見ることになった3.11後の10話から最終話までの怒涛の一挙放送の衝撃は今でも忘れることができない。

そのため、今回の映画についても、できるだけ事前情報を入れずに見るということにこだわったのだが、これでやっとネットのネタバレにおびえずに暮らすことができるようになった(笑)


で、見た感想ですが……やっぱり衝撃的だった。何を言ってもネタバレになりそうなので、できるだけ核心に触れないように書こうとは思うが、(劇場では映画の放映前に、いつもの注意事項に加えて、ネタバレ禁止の注意があります!)これ以降は劇場で見るつもりの方はスルーしてください。とにかく、衝撃的で予想以上に凄かったとしか言いようがない。


衝撃の内容をもう少し詳しく言えば、それは、少女たちの友情をテーマに、よくもこれほどまでに残酷なシナリオを書くことができたものだということだ。

“新編”は、あまりにも過酷で救いの無い旧作に心を切り裂かれたファンにとっての救いになるはずだった。

5人の魔法少女が、楽しげに、かわいらしく、かつ、華麗に絶対的な悪と戦う。それは日曜の朝に放送してもおかしくないような、たとえ背後にどんな哀しい運命を背負っていながも、友情を武器に助け合いながら、励まし合いながら、けなげに戦う少女たちを描くものであって欲しかった。

映画の序盤は、まさにそんな雰囲気の始まりだった。これこそ、ファンが望む『まど☆マギ』だったのだろう。

公式、非公式に関わらず、百合カップルとしてラブラブな魔法少女たちはもちろん、ぬいぐるみ的なキュゥべえやべべ(=シャルロッテ!)も姿通りにあくまで愛らしく、ナイトメアとのどことなくほんわかした戦いが描かれた。

しかしながら、なぜか付きまとう違和感。どこかがおかしい。何か言葉に出来ない不安が満ち溢れる。

そして、その違和感が説明されたとき、とても納得がいった。そうか、この違和感は正しかったのだと。そして、その理由に気付けなかった自分を責めた。すべては最初から明らかだったではないか。これは並行世界でもループでもなく、まぎれもなく続編なのだから。

そして、そういう終わり方もいいかなと思った。とても哀しく美しい友情世界の完結だと思った。

それなのに……やりやがったな、虚淵!(笑)


ファンが望む世界を作り上げ、さらにそれを奈落へ突き落す衝撃の展開。よくもまぁ、物語の上とはいえ、こんな“精神的に”残酷な展開を考えつくものだ。

“そこ”が閉ざされた世界であることが発覚した時、それは庵野がエヴァ旧劇場版で描こうとした「現実へ帰れ」というメッセージなのだと思った。円環の理にとらわれたファンよ、現実に帰れと。

そして、そのメッセージの載せ方は、衝撃的であっても旧エヴァのような無理矢理感は無く、自然な物語として受け止めることができ、また、ほむら達の成長の物語にもなりえる素材であり、とてもうまく考えたものだと思った。その時点では。

しかし、制作陣がそこで満足すると考えるのが間違いだった。浅はかだった。これが『まど☆マギ』なのだよ。これでこそ、『まど☆マギ』なのだよ。


描かれるのは少女の願いの大きさと絶望の大きさ。そして、それが招く悲劇。無敵のインキュベータでさえもが恐れ、支配しようとして逆に支配される程の強大な力。

映画の最後にアップで大写しされた、キュウべえでさえも怯える視線が見つめる先にあったものは何だったのか。

しかし、この先に物語は無い。おそらくは。何度も繰り返し表示された「完」「終劇」「Fin」「End」といったテロップが、物語の断絶を強く主張する。

……というか、この先を見たいか、お前ら?
そこには、やっぱり救いは無いと思うぞ。


ところで、マミさんを喰い殺すほどの力を持った魔女、シャルロッテの正体(新編ではべべ)は百江なぎさという小学生だった。この事実が、もっとも悲しい出来事なのではないか。そこまでの魔力を持つにいたった経緯を思えば……。

 

 


[コンサ] 2013 J2 第38節 京都 vs 札幌

2013-10-27 23:59:59 | コンサ

2013 J2 第38節 京都サンガF.C. 2-0 コンサドーレ札幌 @スカパー


J2も残り5試合。プレーオフ進出圏内の6位以内へ向けて、上位陣との苦しい戦いの始まり。ここを勝ち越しで抜ければ、希望は見える。

しかし、いきなり好調だった宮澤が離脱。代役はルーキーの堀米。ベテラン河合とのコンビになるが、現キャプテンと次世代キャプテンの組み合わせは、不安よりも頼もしさを感じる。問題ない。やれるはず。

相手の京都には、あの山瀬功治。吉原宏太に続いて背番号18、さらには背番号10を付けた、札幌のスーパースターだった男だ。J1川崎からJ2への移籍は都落ち(地理的には逆だが!)の感が強いが、札幌出身の選手には、いわゆる“恩返しゴール”を決められることが多いので、もっとも注意したい男だ。


試合は序盤から京都のパスワークが良かった。細かいパスをテンポよく組み立ててくる。選手間の距離も申し分なく、J2としてはレベルが高すぎる。

それに対して、うまくドリブルを織り交ぜているのが札幌。前田や砂川が突っかけて、内村が裏を狙う感じ。

ただし、プレーの正確さという面では京都が一枚上で、札幌のパスやドリブルが京都の選手に引っかかるような感じでボールをロストし、距離感がよくて出足も早い京都にボールを奪われるというシーンが多くみられる。しかし、京都がショートカウンターというよりパスをつないできてくれるので、危ないシーンは全体的に少なかった。

しかし、早い時間で守備のミスから失点。奈良のヘディングがヒットせずにかすって、こぼれたボールに山瀬が飛び込んできて、杉山と一対一になって決められた。

ミスからの失点だったが、「山瀬はやっぱり山瀬」だった。あそこでボールがこぼれてくることを信じて走れるかどうかというのが良い選手の証拠。

前半終了 札幌0-1京都。同じようなパスサッカーを志向しているのだが、パスワークでは京都にやられている感じ。チャンスが無いわけじゃないけれど、シュートが極端に少ない。シュート数は京都3-札幌1。お互いにボールを大事に持ち過ぎ。もっとミドルを撃ってもいいのかも。


後半からは砂川に替えてフェホを投入。中盤で負けているので、前線へすっとばす気か。

ところが、メンバー変更による効果が見えないうちに、奈良がペナルティエリア内で相手を倒してPK献上。蹴ったとかではなくて、身体ごとぶつかった感じ。

これで奈良が2失点に絡んでしまうということになったが、そんなに悪かったわけではないと思う。審判がクソというほどでもないし、割と運が無かったという要素が大きいのではないか。ただ、櫛引も見たいと思うし、奈良が櫛引よりも絶対的に上だとも思えない
ので、このあたりのローテーションは監督にも考えてもらいたい。

これで勝ち点3のためには3点取らなければならなくなり、完全にプランの狂った札幌は前田に代えて榊を投入。これで前線で収めるというより、完全に裏狙い、カウンター狙いの態勢に。フェホと内村のツートップ気味。そこから荒野、榊がサイドから裏を狙うという方式。言ってみれば、大きく蹴って走るという戦法。

ところが、京都はフェホの大きさにも、翔太の小ささにも惑わされずに、しっかりと守りきってしまった。

ゴメスのプレースキックから、フェホがファーでヘディングというのは大きな武器になりそうだが、その後が、キーパーに正面でセーブされたり、ソンジンがこぼれ球を蹴り込んでもポストに当たったりと、攻撃でも運が無い。

さらに、内村に替えて岡本を投入するも、やっぱりフェホのところを無難に守られてしまうと打つ手がない。結局のところ、必死で攻め込んでも得点は奪えずに終了。

前半は札幌のシュート数1本だったものの、試合終了時のシュート数は5-7で札幌の方が多かった。とはいえ、京都の戦術がボールを大事に回して隙を伺うスタイルだったというだけで、札幌が格段に良かったわけでもない。

全体的にはJ2としてはレベルの高かった試合だったとは思うが、そんなことは求められていないわけで。これで、千葉、神戸に連勝しないとプレーオフ進出は難しい状況になってきた。

まぁ、この時期に負け越しているのに、プレーオフ進出なんて何ねごとを言ってんだって感じなんですけどね。(←だんだん、酸っぱい葡萄扱いになってきた)

 


[SF] 彷徨える艦隊4 巡航戦艦ヴァリアント

2013-10-25 00:08:57 | SF

『彷徨える艦隊4 巡航戦艦ヴァリアント』 ジャック・キャンベル (ハヤカワ文庫 SF)

 

今回の敵は、分断されたとはいえ、まだまだ強大なシンディック艦隊。さらに、艦隊内に巣食う反ギアリー派。そして、姿を現しつつある異星人の影。

多数の犠牲を払いながらも、シンディックの大艦隊から逃走することに成功したアライアンス艦隊。しかし、燃料電池も砲弾も尽きかけた艦隊に残された道はただひとつ。

超空間を航行する時間は戦闘ができないという設定を使った時間差攻撃作戦は、この世界設定に慣れ始めた読者にとっても、その手があったかと唸る展開だろう。

そして、これまでに明らかに反ギアリー派だったメンバーが退場し、新たに静かなる反ギアリー派ともいうべき勢力が現れる。彼らはひそかに破壊工作を行い、ギアリーの失脚を目論む。その動機は、自分が替わって権力を握るためではなく、英雄としてのギアリーが秘める独裁政治への懸念だった。

しかしながら、当のギアリーにとってその恐れは見当違いであり、さらに混迷を深めるリオーネ副大統領、デジャーニ艦長との三角関係で精神的には精一杯だった。

さらに、そもそものシンディックとアライアンスとの戦争は異星人が意図的に引き起こしたものであり、さらに戦争を引き延ばすために、ギアリーのアライアンス帰還を阻んでいるという情報まででてきた。

果たして、この物語はどこに着地しようとしているのか。まったく先が読めなくなってきた。


ところで、この世界での宇宙戦闘はなかなか考えられたもので、SF的には割とリアリティがあっておもしろい。

20世紀の現実の戦争では大艦巨砲主義にかわって空母と艦載機が海軍戦力の中心へと変わっていった。しかし、この世界では宇宙戦艦ヤマトですら搭載していた艦載機がほとんど無く、戦艦中心の構成。この不整合は小説内でも説明されていて、なかなか興味深い。

まず第一に、戦闘は相対速度が0.1から0.2光速での遭遇戦となることが多い。これにより、強力な推進機関を持つ艦艇でなければついて来られない。また、もっとも巨大なクラスである戦艦は艦隊戦の主役ではない。装甲が厚いとはいえ、小回りの利かない戦艦は、どちらかというと小型艦艇を守る盾となる。逆に、装甲が薄く、軽量で小回りが利く上に、強大な兵装を持つ巡航戦艦(Battlecruiser)が攻撃の主役となる。

小説中で戦艦には無能な艦長ばかりで、有能な艦長が巡航戦艦に多く、旗艦のドーントレスも巡航戦艦である理由は、ストーリーを進めるうえでのエクスキューズではなく、ちゃんと考え抜かれた設定だったというわけ。

さらに、恒星系を股にかけた戦闘となるため、観測できる敵の状況は数分から数時間前の情報のみという部分も、戦術にバリエーションを与えている。さらに、超空間から出現した時点では、同様の現象により、出てきた艦隊は数時間前であっても敵の情報を観測できるが、迎撃側は敵を観測できるまで数時間かかるということも、考えてみればなるほどという部分だ。

厳密に科学的に考えれば、もっと複雑(というか、そもそも超空間って……)なのだろうが、(ハード過ぎない)コアSFとしてはこの程度で充分なのかもしれないと思った。


ところで、彷徨える艦隊の各巻副題は活躍した艦名じゃなくて、艦名の意味が重要のようだ。
 [1] Dauntless 不屈の
 [2] Fearless 大胆不敵な
 [3] Courageous 勇敢な
 [4] Valiant 雄々しい
 [5] Relentless 冷酷な
 [6] Victorious 勝利の
この巻で、雄々しく戦うアライアンス艦隊をご覧くださいということか。

 


[SF] 彷徨える艦隊 3 巡航戦艦カレイジャス

2013-10-22 22:28:21 | SF

『彷徨える艦隊 3 巡航戦艦カレイジャス』 ジャック・キャンベル (ハヤカワ文庫 SF)

 

《彷徨える艦隊》の3巻目。

今度の敵は艦隊内の人間関係と、立て直してきたシンディック軍。さすがに、シンディックもそろそろ殴られっぱなしではなくなってきた。

古来の伝統的手法(!)により艦隊を率いるギアリーの手腕が艦長たちにも認められ、抵抗勢力の主要人物が失脚するにつれ、艦隊内の派閥は反ギアリー派、親ギアリー派、そして、ギアリー本人ではなく伝説の“ブラック・ジャック”ギアリーを信奉するブラックジャック派へと分裂していく。その中で、ギアリーはなんとかバランスを取り、ファルコ大佐が招いたような艦隊の分裂を二度と起こさないように苦心する。

ギアリーは近辺に、親しく、かつ、ギアリーに批判的な人物を置こうとする。これがリオーネ副大統領であるのだが、これまたゴシップ的な噂に付きまとわれ、しかも事実として関係を持ってしまっているわけであるから、人間関係はさらに混乱していく。

デジャーニを含めた三角関係や、艦長派閥の人間関係に苦しめられる展開は宇宙戦争SFとしてどうかとも思うが、そもそも1巻の最初からそういう小説なのだ。ギアリーとリオーネの関係は昼のメロドラマみたいだし、艦長会議でのギアリー派、反ギアリー派の駆け引きは倒産間際の会社の取締役会議のようだ。というか、これって本当に評判通りのミリタリーSFなのか?

一方で、連戦連勝のアライアンス艦隊にも、ついに絶体絶命の危機が訪れる。シンディックだって馬鹿ではないので、ついにギアリーの戦術に対応し始めた。考えてみれば、そんなに都合よく勝ち戦を続けられるのであれば、100年も戦争は続かないわけで。

艦隊内の人間関係と強大なシンディック艦隊。内からと外から、さらには、精神的にも物理的にも追い詰められたギアリーは意外な人物にまで助けを求める。今回はこのあたりのギアリーの壊れっぷりがしっかりと堪能できる。

ここでギアリーはなんとか戦況をひっくり返そうと、有利なフォーメーションを組み、局所的に数的有利な状況を作り出そうとするのだが、この艦隊フォーメーションの記述がいまひとつわかりづらく、理解しづらい。“右舷”の解釈も、なんども説明されるが、どうしても艦の進行方向で考えてしまうので激しく混乱する。このあたりはなんとか図を使ってわかりやすくできないものか。

 

第一部完となる6巻までは中間地点。100年前の英雄がよみがえり、忘れ去られた戦術を復活させて強大な敵を打ち破るというシナリオはここで転換期を迎え、刀折れ矢尽きた等身大のギアリーの戦いへと続いていく。

 


[SF] 彷徨える艦隊 2 特務戦隊フュリアス

2013-10-22 22:25:13 | SF

『彷徨える艦隊 2 特務戦隊フュリアス』 ジャック・キャンベル (ハヤカワ文庫 SF)

 

《彷徨える艦隊》の2巻目。

なんとか艦隊を掌握し、シンディックの裏をかいて逃走と進撃を続けるギアリーの前に現れた強敵は、アライアンスの英雄、ファイティング・ファルコ大佐だった。

このファルコ大佐はシンディックに捕虜としてとらえられていたが、キアリー同様、過去の英雄。しかし、その真実の姿は、アライアンス軍の劣化を如実に示すでくの坊だった。しかし、彼の実績と人望は大きく、遂には艦隊を分裂させてしまう事態となってしまう。

第2巻ではシンディックとの戦いがメインかと思いきや、第1巻に続いて組織運営の難しさがクローズアップされる。それに比べて、戦闘の相手であるシンディック軍は主力から外れた小部隊や訓練艦隊のみで、強大な敵とまではいかない。

このあたりのズレで、宇宙戦争SFを期待していた読者にとっては、退屈な小説に読めるのかもしれない。しかし、組織運営や組織文化といった切り口から見ると、これはこれでおもしろい。なんといっても、ファイティング・ファルコのような、声の大きな無能者に悩まされる組織は少なくないだろう。そこで、あるあると思えるかどうかで、評価は大きくわかれるのではないか。

#っていうか、うちの会社にもいるよ。あいつだ、あいつ。

 

ちょっと話は違うが、この世界の宗教観がおもしろい。欧米出身作家だと、キリスト教が前提の文化になってしまうのだが、この世界でも、戦艦の中に懺悔室があり、完全なる秘密厳守の元に、乗組員の告解を受け入れることができる。しかし、ここで告解をする相手は神様でも神父様でもなく、なんと、ご先祖様である。そして、ことあるごとに、「神様が見ている」ではなく、「お天道様が見ている」でもなく、「ご先祖様が見ている」という表現で戒めが語られる。この宗教観はいったいどこから出てきたのだろう。

アライアンスは完全民主主義っぽいので、宗教の自由を保障するためにどんな宗教でも対応できるようなシステムを作り上げた結果、このような宗教が生まれてしまったのだろうか。それとも、アライアンスの母体となった組織、あるいは国家の宗教観を受け継いでいるのか。それならば、その母体になった組織とは何か。ちょっと興味深く、気になるポイントだ。

一方で、全体主義のシンディック(どうやら、独裁制ではく、官僚制の意のようだ)では、絶対的善である一神教を信奉しているんじゃないかという気がする。そうでもしないと、絶対服従の社会は成立しないんじゃないか。

何にしても、神様ではなく、ご先祖様に祈るというのは、ちょっと日本的というか、土着宗教的で、この手の戦争小説では珍しいと思った。

 


[SF] 彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス

2013-10-22 22:21:58 | SF

『彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス』ジャック・キャンベル (ハヤカワ文庫 SF)

 

積読消化。それにしても、早川文庫がトール版になる以前からの積読とは年季が入っている。完結してから読もうと思っていたけど、いつまで続くかわからないので第一部の6巻まで一気読みを決意。

しかし、これは思った以上に燃える小説だった。周りが馬鹿ばかりでどうしようもないのが最大の危機という設定がすごい。

人類が恒星間文明へ発展し、星系同盟(アライアンス)と惑星連合(シンディック)の2大勢力に分かれて戦争を繰り広げている未来。主人公のギアリーは戦いで艦を失い、救命ポッドによる人工冬眠に入っていた。その100年後(!)ギアリーが目覚めると、戦争はまだ続いており、しかも彼を回収したアライアンス大艦隊は窮地の真っただ中。

“最初の戦い”の功績で、知らぬ間に伝説的な英雄に祭り上げられていた“ブラック・ジャック”ギアリー大佐は、最先任士官として艦隊司令官へ。しかし、ギアリー本人は、伝説の英雄と本来の自分とのギャップに戸惑うばかりだった。

ギアリーの最大の敵はシンディックではなく、艦隊を構成する無能な士官ども。という設定がおもしろいが、イライラしてたまらない。

アライアンスはその名の通り、上下関係のない個人の提携として民主主義を重んじる。それが故に、艦隊の指揮においても投票で決めようとしたり、功績に逸るあまりに命令に背いて単独で敵艦に突撃したりする。統制のとれた軍隊の戦い方ではなく、まさに烏合の衆。

一方のシンディックは絶対服従の完全独裁制で、硬直した指揮系統のもと、前線の兵士による柔軟な行動がとれない。これによる問題は、宇宙での艦隊運用の実情が明らかになるにつれ、非常に大きな弱点として見えてくる。

なるほど、これでは100年間も戦争が終わらないはずだ。

しかも、100年以上も戦争が続いた結果、相互の憎悪は復讐の連鎖によって増幅し続け、敵勢力であるならば民間人も皆殺しにすることを辞さないという残虐っぷりを見せるまでになっていた。

ギアリーは艦隊を掌握し、規律を叩き込み、捕虜や民間人への人道的な取り扱いを復活させようとする。しかし、そこに立ちはだかる抵抗勢力の数々。この艦隊戦よりも胃が痛くなる駆け引きが小説の肝。ある意味、組織掌握のリーダーシップの教科書にもなりそうであるが、こんな仕事は俺には真似ができそうにもない。

というか、敵艦隊が弱すぎで、戦争特有の壮絶さや悲壮感は無い。今のところは。

まだ1巻を読んだだけで、物語がどう転ぶかわからないが、かなり惹きこまれるイライラ系燃え小説のようだ。戦争の主体である2大勢力だけではなく、怪しい異星人の影も見えたり、SF的な大仕掛けにも期待したい。

ってことで、第2巻に突入……。

 


[コンサ] 2013 J2 第37節 札幌 vs 山形

2013-10-20 23:59:59 | コンサ

2013 J2 第37節 コンサドーレ札幌 3-1 モンテディオ山形 @スカパー

 

J2リーグ戦でも勝ち点の並んだチームだけに、プレーオフ生き残りを賭けた、お互い絶対に負けられない一戦。

札幌、山形、ともに天皇杯でJ1チームを下し、4回戦へ進んだ仲。とはいえ、札幌の相手は降格争いの最中の磐田。一方、山形の相手は優勝争い真っただ中の浦和。これは確かに山形の方が勢いが出る。しかし、前節の勢いがそのまま生きないのが不思議なJ2マジック。良い日もあれば、悪い日もある。クオリティが一定しないのがJ2の証拠。

札幌は遊びの無いガチ勝負用のメンバー。攻撃陣は内村、前田、砂川、レコンビン。ボランチには河合と宮澤。DFラインはいつものメンバーで日高が右SBの定位置に復帰。さらに、GKには指を骨折した曳地のかわりに杉山が復活。

お互いパスサッカーを指向するチームだけに、がっぷりよつな展開。その中でひときわ輝いたのが宮澤。

これまで、ボールを奪ってもすぐに後ろに下げたり、前が空いていても誰かにパスしてひと任せてしまっていたプレーとは異なり、ボールを奪ったら自分からドリブルで突っかけるし、サイドからのクロスにFWを追い抜いてDFの裏を狙う。

なぜこのプレーがいままでできなかったのか、不思議なくらいだ。ダブルボランチを組む相手との相性のせいなのか。でも、河合とのコンビもあんまりよくなかった記憶があるのだが。

しかし、それ以上に輝いたのは、この試合で500試合出場達成の砂川。一度は選手をクビになり、去年もコーチ入りを打診された男がまだまだやれることを示した。

まずはコーナーキックからのこぼれ球を蹴り込み、日高がこれに合わせて先制。コーナーキック崩れで選手が相手ゴール前に残っていたことが幸いした形。攻めの意識がいい方向へ働いたのだろう。

しかし、その後に相手選手がこけたシーンで、札幌の選手たちがノーファールをアピールしてプレーを止めてしまったがために、強烈なミドルシュートを食らって同点。そのあたりから、山形が勢いに乗りだし、中盤を支配される。なんとなく中盤の密度が低く見えるのは、両サイドの攻めの意識が強く、4-2-4みたいな布陣になっていたせいか。

前半は完全に互角の1-1。宮澤や砂川からの惜しいチャンスがあったものの決めきれず。山形ゴール前できれいにパスが繋がったものの、誰かシュート打てよという間にクリアされたシーンなど、もったいないプレーも多かった。

 

後半も同様な互角の展開かと思われたが、前田、砂川、宮澤がいい感じでボールを回して札幌がペースを握り始める。

そんな中、レコンビンが岡本に交代。レコンビンは他の選手とのポジションがかぶったり、パスのタイミングが合わなかったりでいまひとつしっくりいかない感じ。ベトナム代表での練習でリズムを崩してしまったか。

ここで、なんと砂川の直接フリーキックがゴール。年に1回決まるかどうかというレベルなのに、いいところで決める。相手GKが前に出過ぎていたところを見ていた砂川の冷静さの勝利。

その直後、内村が相手GKにチェックをかけ、ボールを掻っ攫い、バランスを崩しながらもゴール。思わぬ失点にGK常澤のメンタルは破壊寸前。その後もやらかし続ける。完全にネタ選手扱い。

その後、お疲れ様の砂川に替わり荒野、前田に替えて堀米を投入。堀米がボランチに入って、なんと宮澤が久しぶりにFWへ。

今日の宮澤はどんどん前に出る意識がすごかったので、これはFWとして結果を出すかと思いきや、山形のDFに厳しいマークに付かれ、なかなか自由に動けない。しかし、その宮澤からのパスを受け、凄いドリブルを見せたのが荒野。一気に山形DFを2、3人抜き去ってGKと一対一になるも、ファーに蹴ってハズレ、そのこぼれ球をドフリーの岡本が蹴るが、枠の外。このシーンは、どちらの選手でもいいから決めて欲しかった。せっかくのワールド級プレーをふいにしてしまった。良いプレーができても、続かないのはまだまだJ2クオリティーなのか。

そして試合終了。1-3で勝利。ヒーローインタビューは砂川。ひょうひょうとした雰囲気が最高。

ところで、この試合には稀に見る珍事が。なんと、副審が旗を揚げる前に、主審(飯田淳平)がボールが外に出たと判断して笛を吹いた。しかし、実際は出ておらず、監督も選手も猛抗議。副審に確認した主審が誤りを認め、「申し訳ない」と平謝り。で、ドロップボール。

主審の判断は絶対なので、間違いが分かっていてもクレームを付けた選手を退場にする主審も珍しくない中で、この判断は悪くないと思った。少なくとも、前節の群馬戦の主審(塚田健太)よりもよっぽどマシ。審判の仕事は、選手を罰することではなく、試合をコントロールすることなのだから、ケースバイケースで判断して欲しい。

さて、ここから京都、千葉、神戸と、上位チームとの3連戦に入る。これを全勝しなければ、プレーオフへの道は閉ざされてしまう。なんとかベテランと若手の総力戦で乗り切ってもらいたい。特に、俺らの10番、宮澤は磐田戦からの覚醒状態を維持し続けて欲しい。おまえならできる。きっとやれるよ。

 


[コンサ] 第93回天皇杯 3回戦 磐田 vs 札幌

2013-10-13 23:59:59 | コンサ

第93回天皇杯 3回戦 ジュビロ磐田 1-3 コンサドーレ札幌 @ヤマハスタジアム

 

天皇杯、しかも静岡方面というと、大雨の清水とか思い出したり。そもそも静岡方面では分が悪く、磐田では勝ったことすら無い。

去年は同じリーグだったものの、磐田戦は試合時間が夜で、その日のうちに帰ってこれないためにバスツアーは無しというさみしい日程だったが、今回は13:00のキックオフ。

新宿7:00集合かよ! 朝4:00起きだよ! もっとちょうどいい時間にならないのかよ!

などとぶつぶつ言いながらも、なんとか時間通りに新宿到着。今回のバスツアーは栃木戦に続いて2台だよ。これからも2台体制がなんとか続いてほしいですね。

今回のバスツアーは早朝出発でも、かまわずにクラシック販売開始。ひとりあたり4本以上だそうで。もちろん、バス内はサロン席を中心に酒盛り開始。♪おーダーメにんげん。朝から飲んでるダメ人間。

行きは渋滞につかまり、到着は12:00過ぎ。しかも、アウェイゲート前を素通りして大回りで駐車場へ。アウェイの洗礼かと思いきや、いつものYAMAHA従業員駐車場へ。まぁ、ここですよねー。しかし、YAMAHAスタジアム改修のおかげで、アウェイゲートは遥か彼方へ。ゲート前で降ろしてくれてもいいじゃないか。

選手練習開始で応援が始まっている中、シラス丼と黒ラベル。すみませんね。でも、腹が減っては戦はできぬ。

この試合は、神田が左サイドで先発。ボランチに堀米、左SBに松本というフレッシュなメンバー。しかも、途中で気が付いたけど、キャプテン・ゴメス。ユース上がりと生え抜き選手に、ソンジンとまえしゅんを加えただけという地域密着型。資金が無くてスター選手を呼べないという必然性から生まれたとはいえ、札幌誇らしい。

静岡のようなサッカーどころではなく、北海道でこういうメンバーが揃えられるようになったのだなと感無量。

 

 

さて試合開始。

やはり磐田にボールを回されるシーンが多い。しかし、なぜか磐田が縦にボールを入れてこない。何を怖がっているのか、それとも、逆に舐めきっているのか。

それでも徐々にDFラインを上げてくるものの、札幌側はしっかりブロックを作っている上に、堀米と宮澤が出足良くチェックを掛けるので、まったく怖くない。というか、宮澤も堀米も期待以上に出来過ぎ。

深井とのコンビでも活躍していたので、宮澤は年下を組ませた方が責任感が出てしっかりやってくれるんじゃないか。逆に、河合や上里と組むと、相手にまかせてしまうことが多いのかも。

前半は、ボールを保持するものの攻めてこない磐田に対し、攻守の切り替えの早さで上回る札幌が多くチャンスをつくることができた。

まさか、天下の磐田がこのままで終わるはずがないと思って警戒していたものの、後半もこの流れは変わらず。

その状態で、遂に札幌が神田のプロ初ゴールで先制。コーナーキック崩れのボールをまえしゅんが拾って、神田へパス。なぜかゴール右前でドフリーの神田が上側のネットに突き刺すようなシュートを決める。

選手インタビューだと、フリーになることを計算してあそこにいたというのだから恐れ入る。かわいい顔して、やるじゃん。

ここでやっと磐田が縦にボールを蹴り始めるが、焦りが先に立ってプレーが雑。札幌は砂川、フェホを投入。フェホが俊足を見せると、DFが怖がって上がらないためにFWとDFが間延びして、さらに雑な蹴り合いに発展。

こうなると典型的なJ2試合に慣れた札幌が有利に。最後は前節の失敗起用であるボランチ日高も繰り出し、1点を守り切った札幌が天皇杯4回戦に進出。J1の17位をJ2の10位が破るということになった。

J2チームがJ1チームに勝ったとはいえ、ジャイアントキリングというには、磐田には過去の栄光は無かった。さすが、降格争いに巻き込まれるだけのことはある。個々の選手はうまいのだけれど、チームが連動していないし、ゴールに対する執念が見えない。なんというか、漫然とボールを蹴っているように見えてしまう。リーグ戦が気になって、勝つ気が無かったんじゃないか。

一方の札幌は、若い選手がキビキビした動きを見せてくれるのがよかった。でも、これも2、3年で落ち着いちゃうんだよね。省エネ的になるというか、うまく力が抜けるというか。ユース上がりが劣化する場合のパターンってそういう部分なので、気持ちの問題は大事だと思う。磐田はチーム全体がそうなっているんじゃないか。まぁ、ひと試合対戦しただけで、何を上から目線でって感じだけれども。

試合後の写真は、サポも選手もみんないい笑顔でした。

 

帰りのバスでも気持ち良くクラシックを飲んだりしていたものの、またもや渋滞に突入。事故渋滞で45kmとかだった気がする。寝て起きたらまだ渋滞とか。

早めについたら祝勝会とか、レコンビンつながりのベトナム料理とかいろいろ期待しながらも、結局、夜の10時に新宿到着。我々はそのまま帰路につきましたが、祝勝会行ったひともいるのかな。

バスの中で寝たせいで、明け方の出発どころか、歓喜のYAMAHAスタジアムまでが遠い昔のように感じるくらいの長い一日でした。お疲れ様でした。

4回戦も、できれば関東近辺でお願いしたいところ。味スタとか、ニッサンとか、等々力とか……。
※熊本になってしまいました……。

しかし、それよりもJ2プレーオフ進出が重要。ボランチを中心に人材不足が続くが、この試合の結果から、財前監督も、ムリに選手をコンバートするより、若手を使った方がいいという結論になったんじゃないか。そう願いたい。

今日の試合に出た選手だけではなく、さらに、U-20日本代表から櫛引と榊が帰ってくるし、古田も復帰するだろうし、前や小山内もいる。フリーキック人材不足とか言ってないで、両足で蹴れる前を使っていこうぜ。

 

 


[SF] 深海大戦

2013-10-10 21:11:43 | SF

『深海大戦 Abyssal Wars』 藤崎慎吾 (角川書店)

 

NHKのダイオウイカ撮影による深海ブーム、さらに、話題のロボットvs怪獣映画『パシフィック・リム』での最終決戦も深海。

そんな時勢に乗ったのかどうか、『ハイドゥナン』や『鯨の王』で知られる日本海洋SFの雄、藤崎慎吾の新作は、なんと深海でヒト型ロボットが戦う熱血小説。

近未来、メタンハイドレートの海底ガス田が実用化され、海上プラントやそれを守る私設軍隊が、国家を越えた共同体として育とうとしている時代。

海上都市で生まれ育ったシーノマドたちは独自な文化と技術を生み出し、新たな大洋の支配者になろうとしていた。

ってところで、ガス田に対するテロと、対テロ対策武力である私設軍隊が深海兵器を使って戦うというのがコンセプト。

深海でヒト型兵器が戦うというと荒唐無稽な物語に聞こえるが、水中での戦いに特化した武道である水中合気柔術や、その動作を戦闘で効果的に活かすためのヒト型兵器の必然性はもちろん、海底ガス田や深海生物に関する最新知見を盛り込んだ、ちゃんとした本格SF。

整形美人とまで言われる美形のツンデレヒロインや、説明がやたらと多い解説役のキャラクターなど、ちょっとそこはどうなのと思える部分もあるが、類型的なキャラクターで類型的な物語を作り、そこで掟破りのテーマを見せるのであれば、そのギャップは大きな効果になり得る。

しかしながら、ここまでは、ヒロインとの確執にしろ、友人の死にしろ、敵役と師匠の関係にしろ、あまりにも類型的な物語に終始してしまっている。これはロボットアニメのパロディか何かなのか?

「ここまでは」というのは、なんとまったく話が終わっていないのだ。主人公の搭乗する新兵器が遂に実戦投入され、驚異的な性能を示して危機を救ったところで終了。ここからSF的に面白くなるぞという場面ですべての謎は投げっぱなし。

最終ページには「中深層編了」の文字。

俺たちの戦いはこれからだ、で終わってしまうのが最近の流行なのかもしれないが、これではあまりにも消化不良。とりあえず、藤崎慎吾先生の次回作に、ぜひご期待ください!!!