『抒情の奇妙な冒険』 笹公人 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
“Jコレ”は日本のSF界をリードする早川書房が、いろんな人にSFを書かせて、成功したり失敗したりしている叢書。そんな中でも、異色のSF短歌集である。
実際はSF短歌というよりも、時代の風俗を写し取ったものが多く、ノストラダムスのような流行モノや、山口百恵といった懐かしのアイドルが頻繁に出てくる。1975年生まれの筆者が想定した“主人公”は現時点で40台半ばということで、3丁目の夕日時代から始まり、80年代、90年代を経て現在へ至る。そのテーマの並びは、そのまま“主人公”の半生を見るよう。そして、筆者と主人公のちょうど間の世代である自分にとっては、「お前は俺か」的な感覚を呼び起こす。
正直言って、買ったはいいけど斜め読みして、半年間放っておいたもの。
昨日、二日酔いで何もする気が起きなかったので、ぱらぱらとめくっていたら、その世界にはまってしまった。
五七五七七、31文字の中に圧縮された情景とイメージが一気に解放される感覚がすばらしい。
1首ごとによみがえる光景と、それについて語りたくなる感触。
それっぽい言葉を集めて、短歌ジェネレータで作れそうなものかと思ってたけど、そんなもんじゃありません。
これはいいものを読ませていただきました。
触発されて詠んだ拙作を……。
マキアートの湯船から夢見たあのむすめは 海辺の町で天使になるか
作り掛け学祭みこし雨にぬれ やぶれかぶれなつの放課後
SF作品のパロディとかも作ってみたけど、我ながら陳腐だったので自己検閲により削除……・
“Jコレ”は日本のSF界をリードする早川書房が、いろんな人にSFを書かせて、成功したり失敗したりしている叢書。そんな中でも、異色のSF短歌集である。
実際はSF短歌というよりも、時代の風俗を写し取ったものが多く、ノストラダムスのような流行モノや、山口百恵といった懐かしのアイドルが頻繁に出てくる。1975年生まれの筆者が想定した“主人公”は現時点で40台半ばということで、3丁目の夕日時代から始まり、80年代、90年代を経て現在へ至る。そのテーマの並びは、そのまま“主人公”の半生を見るよう。そして、筆者と主人公のちょうど間の世代である自分にとっては、「お前は俺か」的な感覚を呼び起こす。
正直言って、買ったはいいけど斜め読みして、半年間放っておいたもの。
昨日、二日酔いで何もする気が起きなかったので、ぱらぱらとめくっていたら、その世界にはまってしまった。
五七五七七、31文字の中に圧縮された情景とイメージが一気に解放される感覚がすばらしい。
1首ごとによみがえる光景と、それについて語りたくなる感触。
それっぽい言葉を集めて、短歌ジェネレータで作れそうなものかと思ってたけど、そんなもんじゃありません。
これはいいものを読ませていただきました。
触発されて詠んだ拙作を……。
マキアートの湯船から夢見たあのむすめは 海辺の町で天使になるか
作り掛け学祭みこし雨にぬれ やぶれかぶれなつの放課後
SF作品のパロディとかも作ってみたけど、我ながら陳腐だったので自己検閲により削除……・