『イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ』 山田正紀 (早川書房)

S-Fマガジンで連載していたのだが、途中でついていけなくなって読むのを止めた小説。
単行本化されたので、早速読んでみたのだが、これがなんというか……、よくこんなもの連載してたよな。
連載時に読んでいて、時系列の混乱とか、つじつまの合わない部分があって、話についていけていないんだと思っていたら、本当に時系列と因果関係の整合性に混乱がある小説だった(笑)
大きなものでは、伊綾剛は拉致されたのか、されなかったのか、いつ拉致されたのか。
小さなものでは、パウロはショットガンを捨て、拳銃を拾い、ショットガンを撃つのだ(笑)
これはすべて意図的な混乱なのか、書き間違いや勘違いも含んでいるのか?
『ハイぺリオン』を下敷きにしているというのは、言われなくてもSFファンならばわかるだろう。
巡礼たちが次々に語る彼らの物語。あのエピローグで手に手を取って、「OVER THE RAINBOW」を歌いながら向かう時観城こそ、この小説のモチーフとなる結晶城なのである。そして、シュライクがスピンクスで、あれがこれで、それがあれで……。
なんでそこで、アルチュール・ランボーが出てくるのかはさっぱりわからないが、聞き慣れないフランス語の響きが、混乱する物語をさらに悪夢へと引きずり込む麻薬のように作用する。
タイトルの『イリュミナシオン』が、英語読みの『イルミネーション』だったとしたら、なんと興覚めなことか。
そして、主人公達が乗り込むこととなる船。この名前が“酩酊船(バトー・イーヴル)”である。正義の船なのに、“罵倒いびる”である。英語のevilを連想するのである。
対する悪の船が“性愛船(バトー・セクスユエル)”。セックス言えるんである。おまけに美少女型戦闘ロボットである。笹本祐一に特許料を払わなければいけないのである!
ふぅ、熱くなりすぎた……。
わからないといえば、ランボーもわからないし、主役になるはずだった伊綾剛もわからない。
こいつはオセロのイアーゴらしいのだが、誰を裏切って、誰をそそのかしたのか。
アルカイダみたいなテロ組織に捉えられ、“酩酊船”のクルーの座も、素っ頓狂な女性自衛官に奪われ、いったい何のために出てきたのか。
いや、本当になんだかわからないが、悪夢のように興味深い作品である。
考えるな、感じろ!
読んだけど、さっぱり訳がわからないという人は、ここを読むのがいいです。
これがどういう作品なのか、すばらしくわかりやすく解説してあります。
↓
目次が日本一のブログ(自称w挑戦者求む)

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単行本化されたので、早速読んでみたのだが、これがなんというか……、よくこんなもの連載してたよな。
連載時に読んでいて、時系列の混乱とか、つじつまの合わない部分があって、話についていけていないんだと思っていたら、本当に時系列と因果関係の整合性に混乱がある小説だった(笑)
大きなものでは、伊綾剛は拉致されたのか、されなかったのか、いつ拉致されたのか。
小さなものでは、パウロはショットガンを捨て、拳銃を拾い、ショットガンを撃つのだ(笑)
これはすべて意図的な混乱なのか、書き間違いや勘違いも含んでいるのか?
『ハイぺリオン』を下敷きにしているというのは、言われなくてもSFファンならばわかるだろう。
巡礼たちが次々に語る彼らの物語。あのエピローグで手に手を取って、「OVER THE RAINBOW」を歌いながら向かう時観城こそ、この小説のモチーフとなる結晶城なのである。そして、シュライクがスピンクスで、あれがこれで、それがあれで……。
なんでそこで、アルチュール・ランボーが出てくるのかはさっぱりわからないが、聞き慣れないフランス語の響きが、混乱する物語をさらに悪夢へと引きずり込む麻薬のように作用する。
タイトルの『イリュミナシオン』が、英語読みの『イルミネーション』だったとしたら、なんと興覚めなことか。
そして、主人公達が乗り込むこととなる船。この名前が“酩酊船(バトー・イーヴル)”である。正義の船なのに、“罵倒いびる”である。英語のevilを連想するのである。
対する悪の船が“性愛船(バトー・セクスユエル)”。セックス言えるんである。おまけに美少女型戦闘ロボットである。笹本祐一に特許料を払わなければいけないのである!
ふぅ、熱くなりすぎた……。
わからないといえば、ランボーもわからないし、主役になるはずだった伊綾剛もわからない。
こいつはオセロのイアーゴらしいのだが、誰を裏切って、誰をそそのかしたのか。
アルカイダみたいなテロ組織に捉えられ、“酩酊船”のクルーの座も、素っ頓狂な女性自衛官に奪われ、いったい何のために出てきたのか。
いや、本当になんだかわからないが、悪夢のように興味深い作品である。
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