神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ

2009-10-25 18:13:44 | SF
『イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ』 山田正紀 (早川書房)




S-Fマガジンで連載していたのだが、途中でついていけなくなって読むのを止めた小説。
単行本化されたので、早速読んでみたのだが、これがなんというか……、よくこんなもの連載してたよな。

連載時に読んでいて、時系列の混乱とか、つじつまの合わない部分があって、話についていけていないんだと思っていたら、本当に時系列と因果関係の整合性に混乱がある小説だった(笑)

大きなものでは、伊綾剛は拉致されたのか、されなかったのか、いつ拉致されたのか。
小さなものでは、パウロはショットガンを捨て、拳銃を拾い、ショットガンを撃つのだ(笑)
これはすべて意図的な混乱なのか、書き間違いや勘違いも含んでいるのか?

『ハイぺリオン』を下敷きにしているというのは、言われなくてもSFファンならばわかるだろう。
巡礼たちが次々に語る彼らの物語。あのエピローグで手に手を取って、「OVER THE RAINBOW」を歌いながら向かう時観城こそ、この小説のモチーフとなる結晶城なのである。そして、シュライクがスピンクスで、あれがこれで、それがあれで……。

なんでそこで、アルチュール・ランボーが出てくるのかはさっぱりわからないが、聞き慣れないフランス語の響きが、混乱する物語をさらに悪夢へと引きずり込む麻薬のように作用する。

タイトルの『イリュミナシオン』が、英語読みの『イルミネーション』だったとしたら、なんと興覚めなことか。

そして、主人公達が乗り込むこととなる船。この名前が“酩酊船(バトー・イーヴル)”である。正義の船なのに、“罵倒いびる”である。英語のevilを連想するのである。

対する悪の船が“性愛船(バトー・セクスユエル)”。セックス言えるんである。おまけに美少女型戦闘ロボットである。笹本祐一に特許料を払わなければいけないのである!

ふぅ、熱くなりすぎた……。

わからないといえば、ランボーもわからないし、主役になるはずだった伊綾剛もわからない。
こいつはオセロのイアーゴらしいのだが、誰を裏切って、誰をそそのかしたのか。
アルカイダみたいなテロ組織に捉えられ、“酩酊船”のクルーの座も、素っ頓狂な女性自衛官に奪われ、いったい何のために出てきたのか。

いや、本当になんだかわからないが、悪夢のように興味深い作品である。
考えるな、感じろ!


読んだけど、さっぱり訳がわからないという人は、ここを読むのがいいです。
これがどういう作品なのか、すばらしくわかりやすく解説してあります。
 ↓
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[SF] こちらニッポン…

2009-10-25 17:21:17 | SF
『こちらニッポン…』 小松左京 (ハルキ文庫)




ある日、世界から誰もいなくなって、自分だけが取り残されたとしたら。

中学校時代は結構頻繁に考えていた。
食料はどうするか。水道は、ガスは、電気は……。
プロパンガスのタンクが並んでいるところを確認したり、湧き水の出ているところを確認したり。
自転車だけでどこまで行動範囲にできるか地図を眺めてみたり。

そんな想像を始めたのが、この小説を読んだ前なのか、後なのか憶えていないが、突然滅亡した世界でのサバイバルというシチュエーションは結構好きである。

そんなわけで、古本で見かけて買ってきたんんだが、憶えていた印象とはまったく違っていた。今回、読み返してみて感じたことは、やっぱり小松左京はすごいということ。

ただのサバイバル方法や、残された人々の人間関係だけではなく、社会とは何か、国家とは何かというところまで、踏み込んだ描写がされている。作中に天皇や三種の神器が絡んできたなんて、まったく記憶になかったよ。

サバイバルの視点も、どうやって生き延びるかではなく、現代(とは言っても、舞台は70年代なんだが)社会が、いかに分業制によって成り立っているかを強調する視点になっている。

たとえば、家庭用発電機をどう調達するか、ではなく、電力会社のシステムはどうなっているのか、それは誰が動かしていたのか、それを動かすことはできるのか……。

このあたりの視点が、当たり前なんだが、新鮮に読めた。この世界は、たとえ人間がいなくなったとしても、無人島ではないのだ。だから当然、無人島でのサバイバル技術ではなく、文明社会のサバイバル技術が必要なのだ。

そこで、しばらく想像してみたのだが……。やはり、荷が重過ぎる。

自分には、この世界を無人島に見立てたサバイバルで精一杯だ。文明のサバイバル、社会のサバイバル、国家のサバイバルなど、とうてい想像できない。

いくら解説で瀬名秀明が、小松左京を盲目的に怪物扱いするなといったところで、小説を読み終えたSFファンにとっては怪物にしか思えない。いや、まぁ、この小説のラストはアレだけどね(笑)

中学生当時には、エロ本でしかなかった『さよならジュピター』も、今読み返すと、きっと新しい読み方ができるに違いない。


[コンサ] J2第47節:仙台 - 札幌

2009-10-25 16:49:28 | コンサ
J2第47節:ベガルタ仙台 1-0 コンサドーレ札幌 @スカパー

いいよね、石川よしひろ
ベストアルバムの「DENIMS」持ってるんだけど、「二十歳の夜」とか、「明日への卒業」とか、もう青臭くて懐かしくて、最高。

……。
石川、吉弘と並んでいたら、連想するでしょ。普通に。

それでもまだDFの駒が足りない気がする。
というか、DF3人しかいないんだから、最初から3バックでいいじゃん。

トップ下も、上里+宮澤じゃ、どうしてもアタッカー不足。
組み合わせとしては、(西|ハファエル)&(上里|宮澤)なんじゃないのか。
それか、古田を中で使うか。

藤田はやっぱり右の方がいい。古田を育てるために冷や飯食わせることもないだろうに。
古田も初登場の頃のインパクトがなくなってきた。砂川先発の方が期待が持てる。

宮澤もそうだが、古田も、良いプレーと悪いプレーの差が大きすぎる。まず、チームとしての戦術ではどうすべきか、それをヒラメキで崩していくのならいいんだが、今はまだチーム戦術の理解が不足しているように見える。

負けてるときに中山投入はないな。役割がよくわからん。


あーぁ、行きたかったな、ユアスタ……。