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[SF] スターマン・ジョーンズ

2014-01-19 00:03:08 | SF

『スターマン・ジョーンズ』 ロバート・A・ハインライン (ハヤカワ文庫 SF)

 

積読消化。古本。

子供の頃、『宇宙人ジョーンズ』のタイトルで読んで、“宇宙人”じゃないじゃんと思った記憶がある。ここでの“スターマン”とは宇宙船乗りのこと。継母の結婚を気に家を飛び出した少年が、持ち前の記憶力を武器に、家畜世話係から航宙図係、さらには航宙士、艦長へと出世していく物語。

人間、なりたいものになれる。才能と努力と勇気さえあれば……。というハインライン流の少年へのメッセージ。

最初からジュブナイルとして書かれたものなので、ご都合主義的な展開が目立つのはご愛嬌。書かれた時代も時代なので、コンピューターが吐き出すのは紙テープで、計算尺と換算表を頼りに宇宙船が飛ぶ。しかし、これがいかにもハインライン的な世界で心地よい。

自分はこういう本を読んで、科学と工学こそが人生を決める力だと思ったし、理系に進む以外考えられなくなったのだなと、今さらながらに思う。最近の子供たちにとって、こういう物語があるんだろうか。ラノベにはあまり詳しくないんだけれど、科学的かどうかには余り気にされていないような気がする。

ハインライン流の楽天的な科学技術至上主義だったら、今の少年たちの理系離れを止められるのか?

いや、ダメか。