神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

阿修羅王は、なぜ少女か

2008-06-29 22:40:11 | SF
「阿修羅王は、なぜ少女か 光瀬龍『百億の昼と千億の夜』の構造」 宮野由梨香
SFマガジン5月号の第3回日本SF評論賞受賞作、があまりにも素晴らしかったので、考課表とは別に切り出す。

『百億の昼と千億の夜』を「少女の物語」であるという認識がなかったので、その部分だけでも新たな発見だった。萩尾望都版も読んでないし。阿修羅は戦闘美少女の系譜でしょ。

ただ、ヱヴァ新劇場版をDVDで見た直後だったせいで、
 著者が意識していない解釈が広まる⇒改版
 墓穴を掘って誤解釈を補強してしまう⇒さらに改版
 壮大な叙事詩から私小説の面が浮かび上がる
という流れが絶妙に嵌まって、唸ってしまった。
#いや、だから、庵野はゲンドウじゃなくてシンジなんだよ!
#な、なんだってぇ!!

ところで、光瀬龍のあとがきや対談が詐称だらけという話題も紹介されていた。
そいいえば、『新世界遊撃隊』か何か『明日への追跡』のあとがきで、謎の転校生的体験談が載っていた。
小学生の頃に読んだ話で、しばらく実話だと信じていたが、あれも詐称というか、創作だったんでしょう。
栗本薫や新井素子が後に“あとがき作家”と呼ばれるが、別な意味で光瀬は“あとがき作家”だったんだな。


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