朝食後にちょっとだけ街を散歩。
川沿いの坂道に沿って、各種の店が並ぶ。朝はどこも掃除中。レンガ敷きの道もデッキブラシでゴシゴシ磨く。この街が観光で成り立っているというのを良くわかっているのだろう。
レストランなどの入り口に獰猛な犬の顔をよく見かけるのはどうしてだろうと思ったら、これはピューマ。蛇とコンドルと合わせて、インカの象徴。しかし、見れば見るほど犬に見えるんだが。ピューマってこんな顔してたっけ?
ところで、温泉はどこ?
停電のおかげで集合時間になっても暗いロビーから徒歩で出発。メインストリートの坂道を下ると、村のメイン広場に出る。皇帝の像が真ん中にあり、役場や郵便局が並ぶ。まさにソカロというか、アルマス広場というか、中南米では一般的な街のつくり。
街角で日本語や韓国語のメニューが貼られた店もあったが、これはお客さんに書いてもらうんだそうだ。ナイスアイディアだと思った。
途中でマチュピチュへの入場チケットを発券するオフィスもあったが、停電なので発券できないのだとか。ガイドさん曰く、最近は全部オンラインでスマホ(iPhone)が繋がらないと大変だったよとのこと。メールか何かのオフラインのデータで発券してもらえたらしい。良かった。
さらにぐるっと回って、マチュピチュ行きのバス乗り場へ。目印にミニチュアのバスが飾ってあるのがかわいい。
モスグリーンのバスはメルセデスベンツ製だけれど、日の丸が描かれている。ここのバスは国際協力機構JICAが寄付して、マチュピチュまでの道も整備してくれたんだとか。
バスに乗ってウルバンバ川を渡り、九十九折の坂を上っていく。川側はガードレールもなく、崖下まっさかさま。途中、帰りのバスとすれ違うのが怖いくらいの道だ。
バス用の道と垂直に、崖をまっすぐに登る階段もついていて、これは歩行者用らしい。そういえば、昔、バスより早い少年の話題がテレビに出ていたが、ここの話だったのか。もちろんあれは下りなわけだけれど。
バスを降りると、そこがマチュピチュ遺跡の入り口。近代的なロッジとトイレ。そして、ジャングルっぽい木製の入り口ゲート。次々に到着するバスから降りる観光客で溢れていく。
印刷された紙ペラ一枚の入場チケットを手に、ゲートをくぐる。両脇に笹が生い茂る小道を抜け、石の階段を登ると遺跡が見えてくる。
そして、見張り小屋の横を登り、たどり着いた先には……。
ああ、テレビや雑誌で見た光景だ。
とにかくそれだけしか頭に浮かばないくらいの光景だった。
階段を登って、少し汗ばんだ背中を涼しい風が吹き抜けていく。背筋がぞくぞくするのはそのせいだけではないだろう。朝の光の中、まだ観光客も少ない遺跡が我々を待っていた。
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