『SF Japan 2008 WINTER』 SF Japan 編集部/編 (徳間書店)

年は明けてしまいましたが、徳間書店から出ているSF専門雑誌(現在はムック扱い)の2008年冬号。
「特集 吸血鬼小説!」は連載中の恩田陸『愚かな薔薇』、新連載の篠田真由美『黎明の書』が含まれていて、反則気味。去年、吸血鬼ものでSF新人賞を獲った中里友香には依頼はなかったのか?
吸血鬼というと、僕らの世代では菊秀行の『吸血鬼ハンター“D”』シリーズが有名で、吸血鬼といえばあれのイメージ。あとは……、怪物くん(笑)。
篠田真由美がインタビューの中で、キリスト教から自由な日本人だから書けるヒーローとしての吸血鬼みたいな話をしていて、これは確かに同意。日本人が作ったら、『バフィー ~恋する十字架~』も主人公の女子高生バフィーが吸血鬼になりそう。
他にはモンスターつながりで、樺山三英がフランケンシュタイン物。SFマガジンのガリバー旅行記よりもさらにメジャーなネタになってきて、やっと楽しめるものが出たという感じ。樺山三英は面白いこと書いてあるんだろうけど、元ネタがわからないとよくわからないものが多かった。“わかる人にはわかる”だけでは限界があるはず。わからない人にも楽しめて、ネタ元への興味を掻き立てるような作品が理想なんだと思うが。
その点、小説ではないが、幾何級数的太郎冠者、算術級数的次郎冠者のディック論はすばらしい。ボルヘスなんて読んだことないけど、読んでみたいと思わせる内容だ。この二人、クラーク追悼特集から出てきたのだけど、正体は名の知れたプロなんだろうか、それともBNF? 編集者?
SF Japanは現時点で年3回程度の不定期刊になっているが、SFマガジンよりもファンタジーよりな日本SFの牙城としてなんとか月刊ペースに戻って欲しいが、方向性として他の文芸誌(メフィストとか)との区別が難しそうだ。
今回、『七瀬ふたたび』のドラマシナリオを載せたように、映像系とのコラボとか? ジブリは独立したけど、徳間配下だったわけだし、こっちの方向性はありなのかな。
年は明けてしまいましたが、徳間書店から出ているSF専門雑誌(現在はムック扱い)の2008年冬号。
「特集 吸血鬼小説!」は連載中の恩田陸『愚かな薔薇』、新連載の篠田真由美『黎明の書』が含まれていて、反則気味。去年、吸血鬼ものでSF新人賞を獲った中里友香には依頼はなかったのか?
吸血鬼というと、僕らの世代では菊秀行の『吸血鬼ハンター“D”』シリーズが有名で、吸血鬼といえばあれのイメージ。あとは……、怪物くん(笑)。
篠田真由美がインタビューの中で、キリスト教から自由な日本人だから書けるヒーローとしての吸血鬼みたいな話をしていて、これは確かに同意。日本人が作ったら、『バフィー ~恋する十字架~』も主人公の女子高生バフィーが吸血鬼になりそう。
他にはモンスターつながりで、樺山三英がフランケンシュタイン物。SFマガジンのガリバー旅行記よりもさらにメジャーなネタになってきて、やっと楽しめるものが出たという感じ。樺山三英は面白いこと書いてあるんだろうけど、元ネタがわからないとよくわからないものが多かった。“わかる人にはわかる”だけでは限界があるはず。わからない人にも楽しめて、ネタ元への興味を掻き立てるような作品が理想なんだと思うが。
その点、小説ではないが、幾何級数的太郎冠者、算術級数的次郎冠者のディック論はすばらしい。ボルヘスなんて読んだことないけど、読んでみたいと思わせる内容だ。この二人、クラーク追悼特集から出てきたのだけど、正体は名の知れたプロなんだろうか、それともBNF? 編集者?
SF Japanは現時点で年3回程度の不定期刊になっているが、SFマガジンよりもファンタジーよりな日本SFの牙城としてなんとか月刊ペースに戻って欲しいが、方向性として他の文芸誌(メフィストとか)との区別が難しそうだ。
今回、『七瀬ふたたび』のドラマシナリオを載せたように、映像系とのコラボとか? ジブリは独立したけど、徳間配下だったわけだし、こっちの方向性はありなのかな。