就労経験を目的としたワーキングホリデイ、ドイツで行われているデュアルシステムを我が国に導入した日本版デュアルシステム(デュアル訓練)、当該企業への就業を意図した求人セット型訓練が、企業実習を大幅に取り入れた訓練として実施されているが、はっきりした結果を出せないまま、新たな政策転換が行われるため、その成果が広く企業に認められ、定着するには至っておらず、克服すべき多くの課題解決が求められている。
個人の職業生活設計また職業的専門性の開発向上については、生涯学習や追加・向上訓練があるが、それはあくまでも専門分野におけるテクニカルスキル力を前提としており、教育訓練としてのヒューマンスキル力への指導や訓練の位置付けは、量的にも質的にも不明確であり、教科として取り上げられていない。
そのことを反映してか、最近はインターネット上で、このヒューマンスキル力を「接遇」や「問題解決能力の付与」、「クレーム処理」などの研修内容として売り物とするプログラムや、生業とする研究所等が散見される。しかし、それらは、その一部としてヒューマンスキルが含まれているが、特定の職種に限定されているなど、カリキュラムへの適用には慎重にならざるを得ない。ヒューマンスキル力として求めることに無理があり、画一的でシステムとして全企業に最適なものなど無いのかも知れない。(次回へ続きます)