鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

人づくりの側面(3回シリーズその3)

2012年12月15日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 人づくりの側面としての相互啓発はもっと全面に押し出し、脚光を浴びてもよい根源的な事象としてとらえられなければならないと思っている。このことは従業員を抱える企業の管理職や職場の指導者にもいえることであろう。人づくりは一歩進んで相互啓発が緩やかな傾斜移譲を前提としており、まねる・まねさせるという行動のスパイラル性が内在している。このことに関連する後継者育成問題は別稿で吟味したい。

 人間関係が重要視されるのはいつの時代でも変わらぬことで、昨今のフリーターに代表される職業観や若者や新人の引きこもり現象は、抑圧された環境や、人間関係等に対する自己の許容との関連性があり、疎外感や孤立という被害妄想的な個人を強調し過ぎる傾向があると感じている。

 ルールぎりぎりともいえる綱渡りは自己実現を吹聴するいびつな時代背景を無視するわけにはいかないが、人づくりの前提にある共通認識としての相互啓発の場が形成されていない状況がその背後に存在する。避けて通れない人との出会いでは誰しも初対面の人には緊張を強い、相手を知るには時間がかかる。相手を知ることとは自己との異質性を発見し、その相違を認識し、自己の認識の中で共存を許可できるかどうかにあるが、時には知人を通じて紹介されると比較的短時間に信頼関係が生まれる。特に、酒席では十年来の知己となることができる。つまり、同じ土俵に登り、共存が抵抗なく受け止められ、相互啓発の生まれる雰囲気の形成が助長されるからであろう。
 初心に帰り、人との出会いを大切にし、一人でも多くの方との相互啓発ができるように、その環境形成に努力して参りたいと思った次第である。(このシリーズ最終回です)