ひつこいカラスに手を焼いて!
我が国は、高齢化社会から高齢社会に突入したが、最近では、行政や市民団体が一丸となり、高齢者や身体障害者に対し、バリアフリーの生活空間を作り、快適な生活を送れるよう配慮すること等の実践活動が功を奏してか、その大切さが着実に根付いてきた。ノーマライゼーションの意識の高揚によって、日本人の意識の中に定着してきているとの明るい論調の記事が多い中、電動車いすの事故が急増しているようだ。
荷重バランスに関し構造上の問題があるとの指摘であった。この点は製造・販売会社が、再発防止の措置を早急に行い、改善を期待しているところであるが、それだけの原因で急増しているとも思えない。地域の社会福祉協議会が行っている地域住民に対し、高齢者や障害者に対する福祉車両による移送、マイカーによる送迎のボランティアの活動をしているが、ボランティアとして登録する前の特別に設定された研修プログラムでは、電動ではないが車いす取り扱いの体験学習の中で、一般の歩道を実際に車いすに乗ることや車いすの運行操作を体験した。
車いすに世話にならない健康な人には無関心であったことが、障害者にとっては必ずしも快適な状況とはいえないことが多くあることが分かった。普段気づかない歩道の起伏や車道との段差がいかに多いか、また、横断歩道の信号切り替え時間の短さを知る良い機会となった。特に、車道と歩道とが接する道路では、縁石部分を取り除き、道路との段差をなくすため、商店や、家屋駐車場までのスロープが、歩道に凹凸を作っている。(次回へ続きます)