集団で憩うカモ、何かの音や気配で突然飛び立つ姿ははっきりとは見られません。飾り羽根が見えるのもこの瞬間です。多くはコガモです
職業訓練を含め、教育産業は保険と同じで、将来起こり得る選択肢を確実にすると同時に、夢が現実のものとなると信じさせ、限りない可能性への挑戦を旗印に、不安という注射を撃ち続けるという。たとえとして当たっている点もあるが、ここで職業訓練や教育の不要論について語るつもりはない。
実態論として人づくりの過程では指導者の何が対象者に影響を与え、変化させ得るのか、また、職業人として大成するのは何なのかをはっきりさせたいところであるが、その答えを出すのは実のところ簡単ではない。手元に実証できる資料がないからである。しかし、自分の経験からすると、確かに職務経験を積み重ねることによって自己変革できるといえる。それも自覚して初めていえることで、本人が自覚せずとも職業人として独り立ちし、はたから見ていて問題はない。仕事を経験する中で仕事が職業人を作っていくのは間違いないであろう。普通、従事する仕事は一人ですることはない。誰かとの関係の中で行われる。そう考えると他人との関係を学ぶことが教育の大きな柱として存在することになる。
指導員としての生き様は、訓練生に大いに影響を与えるであろう。生き様や、考え方において同調できることや相違点を確認することを通して、相互啓発の場を与えることが指導者としての使命であり、職業としての存在意義が生まれるのであろう。勿論、このことばかりでなく専門領域における知識や技能は当然指導すべき根底にあり、それを指導できなければ給与はもらえない。(次回へ続きます)