護岸のカワセミですが定番になりそうです。
昭和30年代に現在の県営分譲住宅に東京都杉並区から引っ越して、既に60年在住したことになるが、父母の死去によって相続した住居は、取り壊し、平成元年に新築した。
途中、大学を卒業して就職し、転勤等の地方勤務が17年間あったので、実質的には今日まで43年間である。
引っ越し当時は、最寄り駅周辺に数軒店舗があった他に、駅から住宅へ向かう途中にマーケットが活況を呈していた。マーケットといっても魚屋、肉屋、八百屋、菓子店、総菜屋、雑貨屋が集合しているだけの店舗であった。ここから数軒先には酒屋、豆腐屋、そば屋があったが、現在、マーケットは無くなって、賃貸アパートになっている。
酒屋と豆腐屋は存続しているが、そば屋は昨年春から店を閉めたままであり、豆腐屋は代が変わっている。酒屋の女将さんと出会い、当時のことを話す機会があった。酒屋の主人は5年前に他界し、現在80歳となる女将さん一人で店を切り盛りしてきたが、今年の3月で店をたたむといっていた。
酒屋は酒の他に煙草、塩、味噌、醤油を販売し、良く気の利くご用聞きが雇われていた。
現在のように各家庭に電話が引かれていたわけではないので、毎日各家を自転車で回るご用聞きは酒屋にはなくてはならない従業員であった。ご用聞きは酒屋の他にクリーニング店もそうであった。ご用聞きは隣町からも来ていて、それなりの競争があったのであろうが、ご用聞きの人柄によって、なじみの店が決まってくる。
ご用聞きは唯単に商品を売るのではなく、店舗が持つ商品の知識と価格、客の好みを知り、ユーザーがどのような場面でその商品を使用するのか、在庫量と入荷時期、割引率等の幅広い対応が要求される。
目の前に商品が無くても的確にユーザーへ情報を伝える役目の営業マンであるが、店主の顔であり、コンサルタントであり、ユーザーとの契約担当者でもある。つまり一人で幾役もこなすプロフェッショナルといえる。(次回へ続きます)