鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

ダイオウグソクムシ

2014年02月27日 00時00分01秒 | 紹介

 自然界には不思議な生き物がいるものだ。今回テーマに挙げたダイオウグソクムシは五年1ヶ月の間なにも食することなく生き続け、餓死が原因で死亡したという報道に接した。
 鳥羽水族館での出来事である。ダイオウと呼ぶだけあって体長50㎝・体重1kgにもなるそうで、今回死んだのは29cmであった。2009年に50グラムのアジを食べてから2014年1月2日(5年1か月)に死亡するまで何も食していないそうである。海洋甲殻類でこんなに長い間摂食せずに生きていること自体が不思議で、研究者も説明がつかないそうである。

 ダイオウグソクムシはメキシコ湾や西大西洋の深海200~1000mの砂泥地に住んでいる。深海底に沈んできた魚類や動物の死骸などを餌としており、海の掃除屋である。
 姿・形はフナ虫に似ていて、足が7対あり、腹面はカブトガニのようである。頭部には複眼が約3500個もあるそうである。深海で明るさを感じるためにはこんなに多くの目を持っているのも驚く。

 先日もテレビの放映で深海に住むダイオウイカを深海調査船で日本の研究者がビデオに収め、その大きさに驚いたが、数日後に実際に定置網にかかった体長4mの生きたダイオウイカを放映していた。マッコウクジラと戦うダイオウイカについては物語等で知っていたが、マッコウクジラの体表についた多くの輪状のマークはダイオウイカの吸盤という。潜水艦を襲う巨大なタコ(?)やイカがいる話は偽りのないことなのであろう。

 巨大化する生物には何か理由があるのであろうが、シロナガスクジラ、ジンベイザメ、ダイオウイカなど巨大化の理由がよくわからない。恐竜が絶滅した理由は隕石の衝突による気温の変動であるという。シロナガスクジラやジンベイザメは動物性のプランクトンやオキアミなどの大量発生する小型生物を食している。実際に生きているのであるから進化する歴史の中で大きいことが優位に働いたからであろうが、巨大化はダイオウグソクムシの例からすると食物を大量にとるからだけではないようである。つまり、飽食イコール肥満、摂食拒否イコール餓死ではない世界があると言えるからである。ダイオウグソクムシを遺伝子レベルで研究すると長期間摂食しなくても生きていけるメカニズムを発見できるかもしれない。