鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

落雪

2014年02月23日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 雪が音を立てることは知っていたが、今回の豪雪で積もった雪が溶けて地上へ落下する落雪の凄さは筆舌しがたい轟音と振動が体験できた。二階建ての屋根から地面までの距離は6mぐらいであるが、突然一部が落下するのに従って徐々に何回も落下する。多分積雪した雪の量は変わらないが、風によって雪が吹き上げられ、場所によっては厚みが変わり、溶け出す場所も方向によって違いがあるからであろう。落雪の勢いや強さは地面にたたきつけられたときに発する音と、振動の強さによっても知ることが出来、直下型地震のような鈍い音と振動が伝わってくる。

 落雪によって歩行中の方が被害を受けたことも報道で知っているが、落雪の量によっては雪が岩石の塊の落石のような膨大な力を発生させる。山岳地帯で起こる雪崩とは違い、雪の重さが直接歩行者に加わるため、状況によっては即死も起こりうる。大量の雪に埋もれて、身動きが取れず、呼吸困難となる場合もあろう。体温の低下によって凍死も起こりうる。
 盛岡に赴任していたときに、春先であったが、居住していたアパートに隣接する駐車場に置いていた自家用車の屋根がアパートの屋根からの落雪で大きくへこんでしまったことがあった。ドアも開閉が出来ず、修理屋を呼んで直して貰ったが、以後駐車する場所を建物から離れている場所に置くようになった。

 今回の自宅付近に降った豪雪は幸いに長く降っても一昼夜で、翌日は気温が上がり、積もった雪も溶け出す。低気圧が太平洋沿岸を北上する場合には北上するに連れて、太平洋の暖気を取り込むように風向きが変わるため、寒気の南下が止まれば、今の時期、翌日には溶け出す。多摩川もこの豪雪後に水位が上がっていて、君津の小糸川などは洪水危険水位に達し、川の付近の住民は避難を開始したとの報道があった。

 降雪による被害は降っているときには、着雪による重みによって電線が切断し、停電になる。降り終わって翌日には路面等の凍結によるスリップ事故が発生する。公共機関にも影響が出る。ポイントの故障や、倒木が線路を塞ぎ、ダイヤの乱れや不通が起こる。落雪についても大きな事故になる可能性があり、久しぶりに降った雪を喜んでばかりではいられない。自然災害がもたらす脅威とは、計り知れない自然の力と人知では知り得ない人間との対峙であろうか。