第97回全国高校学校野球選手権大会はトーナメント方式で地方大会を制覇した49代表校による戦いである。大正4年に第1回目から数えて100年目を記念した大会であるという。真夏の甲子園での戦いは、プロ野球ファンばかりではなく、地方から勝ち上がるため、全国的な規模でのファンがいる。高野連(日本高校野球連盟)が主催し、朝日新聞社が後援であるが、多くの企業等からの支援があり、春の選抜を含め、プロ野球のスカウトが暗躍する一大イベントともいえる。
世界中、どの国を探しても、また、野球発祥の米国でさえ、このような大会があることを聞いたことがないが、日本の地において、定着し、継続するのは、チームプレイが好きな国民性にマッチしたことと、若さが引き起こす球児のフェアプレイに新鮮みがあり、監督の采配がもろに勝利へ繋がることも魅力的な要素であろう。
自分にとっては余り興味のないスポーツであり、殆ど聴くことも見ることもしない。実際に少年野球や、県立高校のグランドで、炎天下の中、練習に励む若人に対しては、良いことだと思っているし、否定するモノではない。健全な精神は健全な身体に宿るといわれ、若い内に何らかのスポーツを体験することは良いことであるので、積極的に参加を勧めたい。
自らも子供の頃から祖父に剣道を教わり、小学校、中学、高校と続けてきた。本格的に力を入れたのは高校の剣道部の時であった。幼いときから身体が弱く、気管支炎と小児腎炎を併発し、入退院の連続であったため、親からも体力を付ける必要性を常々いわれていた。先輩との人間関係の複雑さを学んだのもこのときであった。
負の部分を知ったのもこのときで、連日の練習は、将に地獄であり、何かといえばビンタが飛び、数人いた新入部員全員への風当たりは強く、階級制の世界であった。上級生に取り囲まれ、体力の限界以上にウサギ跳びと組み合わせた素振りをさせられ、腕立て伏せや、グランドでの駆け足であった。更に、狭い部室での行為は凄惨を極めた。(次回へ続きます)