今年は流れが変わって、キアシシギは近くに寄ってくれません。
圧縮熱による発火について触れておく。コンプレッサーは圧縮空気をを作り出す機械であるが、ガスは断熱圧縮すると熱エネルギーが発生し、温度が上がる。逆にガスを膨張させるとエネルギーを吸収するから周囲と断熱されている場合は自ら冷却する。したがって、ガスの着火温度が低い場合には圧縮することにより発火しやすくなる。この顕著な例は、アセチレンで、2気圧以上に圧縮すると爆発する。この性質が分からなかった時代があり、大災害が続いた。現在では正しく管理されている。広く溶接や化学原料として、アセチレンは利用されている。
次ぎに燃焼温度であるが、燃焼熱は物質が完全燃焼する際に発生する熱エネルギーの総量のことで、工学的には発熱量(Cal/Kg)ともいう。燃焼熱が大なることと、燃焼温度の高いこととは意味が異なる。燃焼温度は燃焼の方法によって異なる値で、空気と酸素の相違、空気との混合又は接触状態、熱の放散状態によって異なり、エネルギーの強度を表す。一例として、燃焼温度は、木材で600℃、木炭700℃、コークス1000℃、石油ランプ800℃、石炭ガス1500℃等で、固体は低く、ガスは高い。
爆発燃焼は、今回の化学物質火災で記事にもなった。可燃ガスと空気(又は酸素)を混合し、密閉容器中に入れて点火する場合燃焼熱のためにガスが膨張し、著しい高圧を生じ燃焼は異常になる。点火しないで、加熱するだけで発火させた場合は非常に高温を必要とする。これを自然発火温度という。
燃焼ガスは燃焼熱のために容積が膨張し、未燃ガスを断熱圧縮させ、未燃ガスは圧縮熱によって高温となる。これによって、燃焼速度は速まる。燃焼波面が音速に近い速度になると燃焼音を発して燃焼に至る。この状態を爆発燃焼という。このことは通常の燃焼であり、他の物質の燃焼の範疇である。これに対して、轟爆燃焼(デトネーション)がある。
轟爆燃焼は、火焔伝播速度は音速をはるかに超え、毎秒数千メートルに達し、極めて衝撃的な圧力で混合ガスを圧縮し、そのエネルギーは音波の数倍以上である。燃焼波面は不完全燃焼で、引き続いて燃焼波面が通過する。強い圧力波が壁面を叩くので、高い爆音を出す。一般にガスと酸素の混合気はデトネーションを起こしやすく、空気との混合気であれば高圧下で起こりやすくなる。また、デトネーションの濃度範囲は燃焼範囲よりかなり狭く、轟爆燃焼はこの爆発範囲で起こる。