ツバメや他の野鳥の給餌行為はほほえましいものです。もらう側はいつまでたっても羽を振るわせ、餌をねだります。
茶道で使う茶入れで、湿気を嫌う抹茶(玉露等)は密閉されていることが大切である。棗は中国原産の落葉小高木で、黄茶色の楕円形の実は、食用や漢方薬になる。クロウメモドキ科の植物であり、実の形が似ているので、抹茶入れのことも指す。茶道の点前(てまえ)では中心的な用具となっている。形によって棗、寸切(すんぎり)、吹雪(ふぶき)中次(なかつぎ)等と名称が異なる。漆工では高度な技巧が必要であり、合い口の仕上げによっては、かなり丁寧な仕上げが行われてきた。通常印籠蓋(いんろうぶた)を使っている。
素材は木材の引き物であるが、狂いの少ない素材を使い、サクラ、トチ、ケヤキが用いられてきたが、十分乾燥させた古材を使う。柾目のヒノキ材の縦引きが最良とされる。漆工においても本堅地ほどは下地付けを行わないが、素材はある程度の塗膜厚が必要なため、蓋と身の部分に塗り代(ぬりしろ)を持っていなければならない。古材を使うのは、木目と木目の間である白太が、温度や湿度によって縮むため、時間をかけて涸らす(乾燥させる)必要があるからである。
涸らす期間は、下地を付けてから1年間程度または、下塗りまでには1ヶ月以上涸らす必要がある。涸らすためには人工的な加熱や除湿を行うことはしないし、自然に任すので、作業場の棚などに放置すればよい。下地付けは、素地の狂いを無くすことと、上塗りとの密着性を高める中間的な塗膜であり、下地と上塗りとの密着性を高める。併せて、素地の持つ凹凸を修正するために施す。その目的以外、厚塗りすると重量が嵩み、薄く付けるととぎによる研ぎ破れで、上塗り塗料の吸収性に斑を生じる事になる。薄く均一に下地付けを行う。
塗装工程は通常の本堅地と変わらないが、布着せより和紙を使った紙着せが主に用いられる。紙着せの場合も全体を覆うのではなく、欠け易い部分に集中すればよい。下地付けにはへらを用いるが、曲面に適したへらは自らが作ればよい。1回へら付けし、乾燥後は砥石や炭で表面を削り、平坦な面を得ることが大切である。(次回へ続きます)