夕顔は独特な香りがします。上品で清楚な香りです。
伝統の範疇は広く、昔から行われて来た風俗・習慣・様式・思想・傾向等についていわれている。伝統の行動を言葉にその重きを置き、口伝(くでん)、口(言葉)で伝えることが伝誦・伝説であると思われるのであるが、ひっくるめて伝承とした。自分の論理の展開は、伝統そのものが行為や様式、手法等の在り方について、根拠の曖昧さによる誤謬を指摘してきた。
古き事柄が悪いのではなく、伝統に支えられて、現代まで継続してきたことに対しては敬意を払って望んでいる。しかし、時代の変遷の中で、紆余曲折することは当然であり、厳密に考えれば、決して寸分狂いはないとは断言出来ないことは、誰しも認めるところである。忠実に再現することは事実として不可能であり、異なる環境条件では異なる結果を生み、過去の風俗習慣等を根拠として判断するのには細心の注意が必要なことを申し上げたかったのである。
伝統技法といわれる手法においては、流派が生まれ、分家が生まれる。挙げ句の果てに元祖が分からなくなり、それでも伝統といって憚らないのは世の常である。現代の我が国においても、流派同士の対立は解消しているのではなく、寧ろ、自然の流れで新たな流派を産んでいるのである。統一すればと思うのであるが、仲良くやって行く選択肢は共存の道を探っていく他はない。
長老政治がまかり通るイスラム世界や同様な宗教派閥や政治結社が暗躍する社会においては、過去に根拠を求める逆進性・遡及性が支配しているといっても過言ではない。つまり伝統や伝承は、地域や国によって異なるのであり、国際政治の舞台では、最終的には民意による議案の採択等が行われるため、その調整は至難といって良い。中東問題の根底にあるこの逆進性・遡及性は、現代人には理解出来ない判断の一つとなっている。それでも対話による戦争行為を無くしていく努力は、異文化社会と共存するための人知であり、異文化を認め合うことが第一歩となる。
今回のテーマは携わる人にとっては無視出来ない論点と思うが、思想の変化や様式の変化をも許容範囲とし、拘りを捨てることへの勇気と実行とが新たな世界へ誘うとの期待を持って結論としたい。