鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

五輪入札

2015年08月21日 00時00分01秒 | 提言

 公的機関が物品の取得、工事の発注、業務委託等を行う場合には、随意契約、競争入札を事前に公示する。経理で行う仕事であり、詳細は組織や団体によって若干の違いはある。東京での五輪大会が2020年に行われることが決まり、メイン会場等の建築が行われることになったが、費用の問題で白紙に戻された。既に基本設計が出来ていて、デザインも決まっていたが、公に出来ない問題が生じたのであろうか。徐々にではあるが、明らかにされてきている。しかし、何処かでフライングがあったのであろう。デザイン費用・工事費に係わる責任者不在という公の世界では稀な現象が生じていた。

 

 通常入札に当たっては、契約の段階で、業者登録が行われ、契約事務として、予定価格の作成、契約方式の選択、公示、入札、契約書の作成が行われる。予め年度予算は予算実施計画に基づき、支払い計画の示達が、監督官庁から成される。今回は入札に問題があったわけではなく、予定価格が大幅に膨らんだことが頓挫の原因のようである。工事の途中で、資材の値上がり、作業者等の賃金の上昇等が派生的に発生し、当初の予定価格の変更が生じたためといわれている。

 

 入札が終わっていれば、予定価格内で、受注業者は赤字となっても工事を進めなければならない。これが契約である。入札金額に応札出来なければ、不調となり、業者が決まらない。予定価格を修正する場合もあり、それでも応札業者がいなければ、上位2~3社との協議が行われ、協議の結果で決まる場合もある。支出は支出予算に対応する収入財源額を上回ることが出来ないのが一般的である。白紙撤回したということは、一般的でない入札が行われたことになる。

 

 予定価格については、ごく少数の担当者しか分からない。また入札時の予定価格については、組織で1名しかいない契約担当役が決めるため、事務方も承知するわけにはいかない。入札時に開封して始めて分かる仕組みである。事前に予定価格が外部に漏れると、入札の意味が無くなり、犯罪となる。

 

 今回は白紙とし、新たに開催期日に間に合うように、一からの出発となったが、既に契約が行われた部分や工事が進んだための費用等については63億円との試算がある。この金額は発注者側の負担となり、多くは税金で対応せざるを得ない。契約書が無効となるための条件を把握していないが、何ともお粗末といわざるを得ない。