前日の天気予報を参考に、早朝は多摩川へ写真撮影に行く。野鳥が活発に動くかどうかは月の満ち欠けに関係するという人もいるが、魚釣りも潮が動く時間帯に釣果が多いと言われている。また、人間も、気圧の変化にも敏感であることは低気圧が近づくと古傷が痛み、ぜんそくの発作が起きやすいことがあるので、気象変化と生活リズムとはどこかで関係しているようである。潮が良いので今回の商談の成功を願った。
午前中にレンズ買い取り業者との交渉を数日前から予定していたので、待ち合わせ時間の前に家へ戻るよう早めに撮影のほうは切り上げた。家に戻ってから、手放すレンズと付属品をチェックし、準備を整えたが、予定の時間になっても業者からは何の連絡もないまま、時間ばかりが過ぎる。30分が経過したため、電話で様子を聞こうと思い、書斎へ行くと直ぐに固定電話が鳴り始めた。業者からであり、「申し訳ない」の一点張りであった。遅れた理由もはっきりせず、30分ぐらいで着くとのことであったので、待つことにした。
業者へはビジネスの時間合わせは信頼関係を作るうえで最も大切なことで、遅れるのであれば、待ち合わせ時間の前に連絡を入れなかったのかを問うたが、埒が明かない。自宅の居間兼応接間で、商談に入ったが、途中、手配していた車両が事故にあい、急遽別の車に変え、担当も変えたとのことであった。理由が何であれ、事前連絡の大切さは逆の立場であればどう感じるかを理解してくれたようだ。
商談はこちらが事前に提示した価格を全面的にくみ取った結果で終わったが、品物が良かったこともあり、また、予定した時間に遅刻したことへの弱みが相手方にあったのかもしれない。双方満足のいく商談であった。しかし、3年間で引き取り価格が1/3になってしまうのである。物品の減価償却を考えれば致し方ない相場なのであろう。通常、減価償却は10年間で半減する。
インターネットオークションという手もあるが、不特定多数を相手にし、中には落札した商品は相手に渡っても、現金が口座に入らない等のトラブルもあるようで、また、落札者の中には、クレーマーといって、品物へ難癖をつけるものもいるとの話を聞いたことがある。それはめったに起きないことだと思うし、誇張されているのかもしれない。今まで経験がないことを手掛けるより、今回は、業者との交渉を選択した。品物によっては希少価値が出る場合もあるが、マニアックな美術品ではないので、相場の上限近くであれば「良し」としなければならないのであろう。