【WHO IS BANKSY?】バンクシーって誰?展
~それはまるで 映画のセットのような 美術展だ~
バンクシーは社会性を帯びたメッセージを街の塀などにグラフティとして表現。
時には自らの作品を無断で美術館に展示するなど神出鬼没の芸術テロリストと
して世界的に親しまれている。
興味を惹かれて入場まで一時間並んで見てきた。
※写真に添えた説明とコメントは、会場内の案内とWebから拾ったものである。
歩くところは平面だが、坂道を下る家並みを見て歩くと身体がそっくり返り
そうになるから不思議だ!
人の家の壁に描かれたお婆さん、くしゃみして入れ歯が吹っ飛んじゃった!
パレスチナの壁に描いた代表作では、マスクで覆面をした過激派の男性に投石の
代わりに花束を投げさせるように、バンクシーは無許可で作品をボムすると言う
手法は、乱暴に見えたとしてもそのメッセージは決して暴力的な攻撃でなく
ファンタジーや美学であることが多い。そして心情は反体制側に寄り添っても、
そこに拠って立たない精神を持ち続ける。教条的で直接的なスローガンは避け、
その代わりに目を引くステンシル画が、ユーモアやあっと驚かせるアイディアで
何重にも内包しているからこそ、落着きではなく作品として鑑賞され、街に
残って来た。だからこそ世界的に有名になれたとも言える。
廃墟化したガザに描かれた子猫・・・銃弾の後が生々しい。
のみの市で販売されている無名の画家が描いた作品に、描き足すことで意味を
変えてしまうデトーナメント(転用)の手法を使ったシリーズの一つ。
ロンドン市内への車の乗り入れを料金の徴収によって制限し渋滞の解消を目指す
「コンジェスチョン・チャージ」の対象となる区域を示す「C」の標識を加えて
いる。長閑な牧場に「C」の標識、無名の作家の作品価値ががぐ~っと上がった。
作品名「Turf War(縄張り争い)」とかけた言葉遊びであると同時に、
チャーチルと彼の後継者たちが繰り広げた熾烈な政争の暗喩でもある。
「分離国会」は2009年にバンクシーが制作した油彩作品「Question Time」
をリワークした作品。バンクシーが描いたキャンパス作品としては最大級である。
チンパンジーに乗っ取られた議会は、かって民主主義のモデルと讃えられた
イギリス議会の凋落を描いている。
「今は笑えても、いつかは俺たちが責任者となる」と書かれたエプロンを着た
チンパンジー。
バンクシー作品の取引価格は年々高騰し、2020年にロンドンで開かれた
クリスティーズのオークションでは、「Game Changer」が約25億円で
落札された。バンクシーが自分の作品に大金をはたく人々を軽蔑している
ことは有名だ!本作品は「こんなガラクタを買うバカの気が知れない」と
言う辛辣なメッセージが書き込まれている。
実際に道路に設置されている消火栓を、ハンマーでたたき割ろうとしている
少年のシルエット。この作品はニューヨーク・アッパーウェストの
建物の壁に描かれた。近くの食料品店の主人らに保護され、公開されている。
バンクシー作品の中、唯一完全な形で残ったスプレー・アートで現在も人気の
撮影スポットとなっている。
なかにはハンマーの下に頭を入れたり、消火栓の上に陶器を置いてポーズを
とる人も・・・
バンクシーは2000年頃からロンドンに拠点を移した。
街中に大量のドブネズミ(ラット)を描き残す。擬人化されたラットが
多く描かれている。
2005年カトリーナ・ハリケーンがもたらした大洪水による災害で、
1800人以上の被害を受けたニューオリンズ、その3年後に現地の
ストリートに描かれたグラフィティが元となった作品。
雨から身を守るはずの傘の内側が土砂降りになっている。本作品は
未曾有の大惨事で機能不全に陥った州や、国の不充分な災害対策を
批判すると同時に犠牲者を追悼している。
「007」をあげるまでもなく、世界最高峰の諜報組織を持つイギリス。
ここでもトレンチコートにサングラス姿のわかりやすい三人組が、本物の
電話ボックスを取り囲み通話の内容を盗聴中だ、国家の監視活動を批判
したと考えられる本作は、イギリス・チェルトナム市の諜報機関CCHQ
近くの建物に出現した。
「シリア移民の息子」は、2015年に制作された壁画作品。
留学難民としてアメリカに滞在していたシリア移民の息子、スティーブ・
ジョブスを描いたものである。手にはオリジナルのマッキントッシュ・
コンピュータと荷物を持っている。
2006年ロスアンゼルスで開催されたバンクシーの個展で、「かろうじて合法」
ーBarely Legalー 37才のインド象「Tai」が展示物として設置され、
象の身体に、部屋の壁紙にあわせ絵柄が描かれた。
動物管理局から事前に象の展示に出品する許可を得ていたものの動物愛護団体から
苦情を受け展示の最終日に象のぺインティングは消えていた。
入場するまで1時間並び、会場内には休むところもなく・・・疲れた。
うっかりベンチに腰を下ろしたら、係員が跳んできて”そのベンチは展示物です!”
怒られちゃった。入場者の多くは若者たちジーさんは私のみ・・・
世の中を横から見たり、下から見たり、時には鋭い批判、そして優しい眼差しと
心遣い、本物ではないとは言えバンクシーをたっぷりと味わってきました。