【芸術の秋】東京アート工芸2019
国立新美術館で開かれているアート工芸展を見てきた。
日本の伝統工芸にとらわれず、ヨーロッパやアメリカなどから日本へ
伝えられた手法を現代の作家たちが引き継ぎ広めてきた、ジャンルを
超えた芸術性の高い工芸展だ。出展されている作品の一つ一つが、
精密さと美しさを表現し、見る者の心を射止める・・・そんな感じだった!
<エッグアート>
ダチョウ、アヒル、エミューなど、鳥の卵の殻に精密な細工と、装飾を
施すクラフトのこと・・・
格調高い友人Sさんの作品だ!
ピンクが優しい、友人Nさんの作品だ!
そもそも美しい形のたまごは、その中に新しい生命を包み込んでいることから
REBIRTH(再誕生、復活)のシンボルとされ、希望・幸福・祝福の最高の
贈り物とされてきた。もともとは”イースターにたまごを贈る”という習慣から
始まったようだ。19世紀後半にヨーロッパ各国の上流階級の間で流行し
絢爛豪華な愛蔵品のコレクションを披露し合って楽しんでいた。
<磁器レースドール>
型抜きしたボディーに、液状の粘土を染み込ませたレースを丁寧に貼り付け
1200度前後で焼成すると、布地は焼失して、レースに染み込ませた磁器粘土
だけが網目模様に残る、それを美しく色付けして仕上げる。
18世紀初めドイツ・マイセンで初めて誕生した。
<ポーセリンペインティング>
器をデザインするヨーロッパの伝統工芸だ。、白磁に専用絵具で彩色し
800度前後で焼成し、絵具を釉に接着させたもの。
<メタルエンボッシングアート>
ロシア、ヨーロッパで何世紀も前からその技術が職人たちによって伝承
されてきた。良く知られているのが「イコン」だ、キリスト正教で崇拝される
キリスト、マリア、聖者像や聖伝の場面を描いた聖画像にこのテクニックが
使われた。特殊な銀色のメタルエンボッシングシートに独特な工具とテクニック
を用いて裏表にエンボッシングをして装飾的な模様を施して作品を仕上げる。
微妙な力加減で浮き彫りされた繊細なデザインが不思議な光沢と輝きを
見せる。
エッグアート以外は、初めて見る工芸品だ!
製作者の殆どが女性だった。優しいセンスに繊細さはやはり
女性の得意分野なのだろう、良いものを見せて貰った。