西馬音内盆踊り・東京ドーム
秋田県羽後町に伝わる「西馬音内盆踊り」およそ700年ほど前に
始まったと言われる。
音頭をとる囃子の主役は笛、囃子に合わせて歌われる地口(歌詞)
が方言丸出し、朴訥で思わず笑ってしまうようなリズムと歌詞だ、
♪隣の娘さ 踊りご教えだば ふんどし礼にもらた
さっそく持てきて 嬶どさ見せだば 横面なぐられた ♪♪♪
本場では通りの脇に設えられた舞台に大勢の囃子方が並び
鼓、鉦を使う奏者のほかに、地口や甚句の歌い手が加えわり
賑やかに踊り手と息がピッタリ合った演奏を始める。
東京ドームの照明が消え、優美で幻想的な世界の幕が上がった。
前後に大きな反りが入った半月形の編み笠に、絹布の端切れを
縫い合わせた衣装、白足袋に紅白の鼻緒のついた草履を履いて・・
「亡者踊り」の匂いただよう彦三頭巾、本場では軒を並べる狭い通りに
篝火たいて踊る姿は多分夢幻の世界だろう。
大小の絹布の端切れを配色や配置に工夫をしながら、つなぎ合わせて
作られた端縫い衣装は素朴だが温もりを感じさせる。