569に次いでのケーススタデイです。
ケース2
Bは、「特定保税者」及び「認定通関業者」の認定・承認を受けています。
先般、Bの保税蔵置場において、荷主のたっての求めに応じ当該保税蔵置場の社員が過去2回にわたり輸入許可前に輸入貨物の配送を行なっている事案が発見されました。
いずれも配送翌日には輸入許可を受けていたもので、関税法の関税捕脱又は無許可輸入罪としての通告処分は受けませんでしたが、関税法第48条第1項により保税地域への搬入停止5日間の処分を受けました。
このため、特定保税者の承認の取消しを受けました。
この取消しにより、今後三年間は新たに特定保税の承認を受けられないのは承知しているが、別途「特定保税運送者」の承認を受けたり、現在認定を受けている「認定通関業者」の認定は取消しになるのか?
(かずさんの岡目八目の考察)
① 全国で手広く事業をしている大手企業は、数多くの保税蔵置場を運営し、通関業も営み、保税運送もしているというのは、良くあることです。このためこのケースはありうることですし、大手企業にとって事業継続上のリスクにもなる事項です。
② 新しく特定保税運送者の承認は受けられるか?
イ 結論から言うと難しそうです。
ロ 特定保税運送者の承認要件は、関税法第63条の4(承認の要件)に規定されています。
この要件には、関税法違反で刑に処せられたり通告処分を受けて履行した場合には承認されない(同 条第一号イ 参照)とされていますが、関税法第48条の搬入停止は、この規定に該当しません。
ハ そこで、63条の4の承認要件の規定を見ていくと、第二号に「承認を受けようとする者が、特定保税運 送に関する業務を電子情報組織を使用して行うことその他当該業務を適正かつ確実に遂行することがで きる能力を有していること」との規定があります。
ニ そして、税関長から搬入停止の処分を受けた時は、税関は特定保税運送者の審査に当たり、この第二 号の承認基準に適合しないとして扱われます。
つまり、特定保税運送業務を適正かつ確実に遂行することができる能力を有しているとは、認められ ません。
ホ この場合、搬入停止の期間が終わった翌日から3年間は、特定保税運送者の承認を受けられないよう です。
③ 認定通関業者の認定は取消されるのか?
イ 結論からいうと、取消されないとは言えないようで、保税蔵置場の違反の原因や、改善状況次第でしょ う。
ロ Bが特定保税者の承認を受けるに当っては、保税業務についての法令遵守規則を定めています。輸入 貨物の許可前配送はこの規則や業務手順に反した行為で、社員がこのような行為をしたことは、同じ企業 が認定通関業者の際に定めている通関業についての同種規則や手順についての実施状況が適正か否か に疑問を呈する問題です。
ハ このため、税関は、Bが特定保税者として生じた違反の再発防止のため、社内的に法令遵守を再度徹底 し、必要な改善措置等についての実施状況等を見守った上で、認定通関業についての対処を検討すると 想像できます。
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飯島 愛さんの突然死の報道には驚きました。クリスマスイブの悲しい知らせでした。
クリスマスの今日が終わると、街は年末風景に一変します。読者は、来年のカレンダーは確保されましたか?
遅ればせのワクチンを打ってもらいましたが、インフルエンザが流行っているようです、気をつけましょう。
ケース2
Bは、「特定保税者」及び「認定通関業者」の認定・承認を受けています。
先般、Bの保税蔵置場において、荷主のたっての求めに応じ当該保税蔵置場の社員が過去2回にわたり輸入許可前に輸入貨物の配送を行なっている事案が発見されました。
いずれも配送翌日には輸入許可を受けていたもので、関税法の関税捕脱又は無許可輸入罪としての通告処分は受けませんでしたが、関税法第48条第1項により保税地域への搬入停止5日間の処分を受けました。
このため、特定保税者の承認の取消しを受けました。
この取消しにより、今後三年間は新たに特定保税の承認を受けられないのは承知しているが、別途「特定保税運送者」の承認を受けたり、現在認定を受けている「認定通関業者」の認定は取消しになるのか?
(かずさんの岡目八目の考察)
① 全国で手広く事業をしている大手企業は、数多くの保税蔵置場を運営し、通関業も営み、保税運送もしているというのは、良くあることです。このためこのケースはありうることですし、大手企業にとって事業継続上のリスクにもなる事項です。
② 新しく特定保税運送者の承認は受けられるか?
イ 結論から言うと難しそうです。
ロ 特定保税運送者の承認要件は、関税法第63条の4(承認の要件)に規定されています。
この要件には、関税法違反で刑に処せられたり通告処分を受けて履行した場合には承認されない(同 条第一号イ 参照)とされていますが、関税法第48条の搬入停止は、この規定に該当しません。
ハ そこで、63条の4の承認要件の規定を見ていくと、第二号に「承認を受けようとする者が、特定保税運 送に関する業務を電子情報組織を使用して行うことその他当該業務を適正かつ確実に遂行することがで きる能力を有していること」との規定があります。
ニ そして、税関長から搬入停止の処分を受けた時は、税関は特定保税運送者の審査に当たり、この第二 号の承認基準に適合しないとして扱われます。
つまり、特定保税運送業務を適正かつ確実に遂行することができる能力を有しているとは、認められ ません。
ホ この場合、搬入停止の期間が終わった翌日から3年間は、特定保税運送者の承認を受けられないよう です。
③ 認定通関業者の認定は取消されるのか?
イ 結論からいうと、取消されないとは言えないようで、保税蔵置場の違反の原因や、改善状況次第でしょ う。
ロ Bが特定保税者の承認を受けるに当っては、保税業務についての法令遵守規則を定めています。輸入 貨物の許可前配送はこの規則や業務手順に反した行為で、社員がこのような行為をしたことは、同じ企業 が認定通関業者の際に定めている通関業についての同種規則や手順についての実施状況が適正か否か に疑問を呈する問題です。
ハ このため、税関は、Bが特定保税者として生じた違反の再発防止のため、社内的に法令遵守を再度徹底 し、必要な改善措置等についての実施状況等を見守った上で、認定通関業についての対処を検討すると 想像できます。
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クリスマスの今日が終わると、街は年末風景に一変します。読者は、来年のカレンダーは確保されましたか?
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