かずさんの、ふらり日々是好日の記

ふっても てっても  日々是好日  泣いてもわらっても 私の一生の中の きょうが一番いい日だから

784  「輸出申告の保税搬入原則変更」の説明会が始まります。

2011-08-16 | 輸出
 前々回の 「782 輸出申告の保税搬入原則変更の実施迫る!」で、今年10月実施の同制度のための通達整備が8月10日付で行われたことを取り上げましたが、これに関する税関による説明会が始まるようです。

今回の制度は、輸出通関手続きの大変革で、特定の輸出者(たとえばAEO認定事業者)が対象ではなく、どの輸出者、貨物にも原則として適用されますので、通関業者、荷主など関係者の関心が高いものと思われます。

 通達改正で、コンテナに輸出貨物を詰めたまま申告する場合に行われていた「輸出コンテナ扱い」の承認を受ける手続きがなくなりますし、税関の現品検査などの実処理についてざっと頭の体操をすると、どうするんかな?と疑問が出そうなことがいろいろ浮かびます。税関が説明する立場でない問題もありますが、どうやら説明会は盛況になりそうな感じで、暑いさなか、ご苦労さんです。

① 積出港のCYに向けての運送途上に輸出申告した場合、NACCSで区分「3」(検査)になったときの検査は、どこで行われるのか?この場合、CYに搬入する前に、税関の大型X線検査を経てからになるのか?

② ①の貨物がLCLで、10者の荷主の貨物が混載になっていて、検査は1社だけの貨物が対象の時の検査費用は、どの荷主の負担と考えるか?

③ また、この場合、10の荷主全部に検査がある旨通知すると、積み替えなどの要求が出るかもしれないが、その時の申告の訂正などはどうするのか?

④ さらに、LCLの混載の場合、検査を受ける以外の貨物の荷主に、他社貨物の検査がある旨を連絡することになっているがその意義は何か?

⑤ 荷主からは、保税地域に入れなくても通関できるということなら、工場~船積までのリードタイムが短くなるから、工場の出荷を後にずらしてもこれまでどおり輸出できるだろうと言われないか?

⑥ 輸出申告は、輸出貨物が実在することが前提と思われるが、生産、梱包、ラべリングなどのどの段階になれば申告可能なのか?

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この制度は荷主団体の経済界からの要請で導入されたものですので、輸出のリードタイム、経費、手続きなどの何かについて輸出者側にメリットがあるものと想定されているようで、それはどこに生じるのでしょう?

 一方、本制度では、「輸出貨物の発生場所(工場など)から保税地域に入るまで」の倉庫や、作業場所、運送などは、すべて税関や関税法が管理・監督されていない状態の中で行われます。

 この点は、AEO輸出者による輸出のように、「輸出貨物の発生場所(工場など)から保税地域に入るまで」が一貫してAEO制度の管理下でこれらの物流作業が行われるのとは異なります。

 いわば、違法に輸出しようとする者からは、保税地域に入るまでは輸出申告をして税関の審査や検査の有無などの状況を知りながらの対策ができうるということになりますので、税関による輸出チェックの水準や防圧効果が低下しないようにする必要もあるため、実務上の対応ではいろいろ煩雑なことが出てくるかもしれないですね。

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 関西電力管内は、火力発電の事故で明日からが正念場とのこと。関西人も、交通機関の間引きが行われると、電力不足がとても身近になります。

 むかし、電力がない時代の主な動力源は、水車や風車であり、牛や、馬でしたが、少なくとも、再生可能エネルギーへの依存度を高めることが要りそうな感じです。





782 輸出申告の保税搬入原則変更の実施迫る!

2011-08-12 | 輸出
 交通機関ではお盆の帰省ラッシュが始まり、例年のような渋滞する高速や、新幹線・飛行機の混雑状況が放映されています。
 猛暑で電力使用が増え地域によってはかなり心配な状況で、ある貿易業務関係の会社幹部の方からは、電力会社からあと3ポイント管内の電力使用量が増えると、会社が入居しているビルが建っている地域一帯について長時間の停電の可能性があるとの説明を受けたと聞きましたが、40階近い自家発のないビルが停電になれば、事実上事務所閉鎖ですね。このお盆休み入りで、ほっと一息でしょうか?

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 8月10日付で、関税法などの財務省関税局長通達が改正されました。内容は同省のホームページでご覧になれますが、関税法以外にもいろんな通達の改正が盛り込まれていますが、その大きな要因の一つは、今年10月施行の、「輸出申告の保税搬入原則の変更」というか撤廃です。
 輸出の許可は貨物が保税地域に入ってから行われますが、正式の輸出申告を搬入前に行えますので、法的な考え方や実務処理方法を今回の制度改正に合わせて整理しなおす必要があります。

 どこかの工場や一般の流通倉庫で輸出製品をコンテナに詰める一方で輸出申告をする。貿易港のコンテナヤード(保税地域)まで運送するという、普通にありうる物流を考えれば、税関の検査や審査はどういうタイミングで受けるのか、だれが検査するのか、AEOの輸出者に限定しての制度ではないことから、税関、通関業者など関係者の広域的な連携が求められそうです。

 これまでも、正式申告の前に予備的な申告書を提出しておく制度はありましたが、予備申告は通達を根拠にしたもので今回の制度改革とは法律上の扱いが全然違うものです。

 関心のある方は、関税法基本通達の新旧対照表を見て、それぞれの改正規定が、なぜ改正されたのかを自問自答して、その理由、目的、背景などについて頭の体操をされるのもよさそうです。

 今年の通関士試験は、7月1日施行までの関係法令が対象ですから、今回の改正内容は試験には出てきません、受験生には良かったです。

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温度・湿度計はリビングのものです。エアコンをつけていてもこんな室温ですが、湿度が低いので暑さを感じません。しかし、エアコンを切ると10分もするとうだるあつさで、やはり電力は不可欠を実感。
 でも、あと2時間足らずすると、外出してきます。熱風が押し寄せるんでしょうね(^_^;)




753 AEO制度を利用して輸出物流を自由にデザイン!

2011-06-07 | 輸出
 こんばんは、過ごしやすい一日でした。

 場合によっては1時間以上の乗車をする通勤は、いろんな発見がある場です。

 今朝、4人がけの席の斜め前に、40歳以上60歳未満ぐらいの女性(この年代の女性の年は分かりません!)が、首からMPプレーヤーを下げてイヤホンを耳にの方がおられました。
 英会話の教本を手にされていて、見ると「生憎できません」などの日本語に対応する英文が書いてあるようです。時々、小さく口に出してイヤホンに合わせて発音されているようで、女性の横の若い男性が驚いた顔をしていましたが、状況が飲み込めたようです。
 生涯学習といわれて久しく、数年前からこれまで学んだことのない分野で学ぶことを続けていますが、そのうちの一つが源氏物語で、新潮日本古典集成を片手に、月1の大学教授による講座に楽しみに通っています。かな文字の原文の読み下しの時間には四苦八苦ですし、本歌取りの和歌には、平安貴族の教養の深さに驚いています。前回は「胡蝶」でした。


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 また聞きですが、ある有名な事務機メーカーの輸出物流にタッチされている方が、AEO制度の特定輸出者の資格の活用について、次のようなメリットから同制度を高く評価されていることを伺ったことがあります。
 つまり、この制度を利用すれば、輸出貨物の工場と貿易港との間の物流を税関手続きや保税制度に制約されずに自由にデザインできるとのことです。
こういう評価を聞けば、制度設計して法律つくりをしてきた担当官にはうれしいでしょうね。

・ 税関の審査や検査は、基本的にゼロ
・ 保税地域に入れる必要がない。
・ 運送途中でも、どこに貨物があっても、輸出申告して許可になる。
→ リードタイムが確実に読めて、かつ安定。
→ 企業の物流担当にとって、工場から港までの物流を自由に描ける。




742 AEOの相互承認が進んでますね。

2011-05-23 | 輸出
  5月20日に日韓のAEOの相互承認の署名がされたとの報道がありました。

 相手国が承認したAEO企業に対し、自国の税関手続きでもメリットを与えようというもので、いわば相手国の税関の承認実績について自国並みのレベルが確保されるとの信頼が基本になければ実現できません。
 
 この報があって、確かEUとも同じような合意がされていたなと調べると、2010年6月24日に相互承認が合意され、実施は2011年5月24日、つまり明日からでした。署名から実施まで1年かかっていた背景には、EU側の通関のコンピュータシステムの整備が必要との説明を記憶しています。

 今年五月の日本の財務省発表によれば、それぞれのAEO輸出入者にはそれぞれの税関から「日EU相互承認用コード」が通知されるようで、日本ではNACCS、EUではなんと言うのか知りませんがあちらでの通関システムに、そのコードを入力して申告すれば、相互承認のメリットが受けられるそうです。

 考えてみると、相互承認のメリットが受けられるといっても、一々輸出入申告をするときに自分はAEO有資格なんだとアピールして相手の税関職員に認識してもらうなんてことは現実的じゃないでしょうから、こういうコードを利用してコンピュータシステムの中で、相応にメリットを受けられるようにプログラム処理させるということが実際的なんだろうと思います。

 ひょんな縁から、週末に堺屋太一さんの「平成30年」という予測小説を読みました。何もしなかった日本の平成30年を描いたものですが、第1刷が2002年7月ですから東北大地震も福島原発もありませんが、何もかも先送りをしていると将来は、う~NN(~_~;)ですね。

 741でご紹介した塩野七生さんのエッセイ集の続編で「再び男たちへ フツウであることに 満足できなくなった男のための63章」を図書館で借りてきて読み始めました。とはいっても、フツウであることに満足できないということじゃないですが、何しろ通勤が片道2時間なので、時間はたっぷり。ウオークマンと良き本は、通勤の友です。ニヤッとするコトバに出会ったら、皆さんにもお伝えします。

 かずさんは、とってもイカ好き、佐賀県 唐津市呼子町の剣先イカの生きつくりは最高で今のシーズンがいいです。先のGWに行ってきました。下の写真からお分かりいただけるでしょうか?透き通ったぷりぷりには感動です。










729 通関料金と消費税の免税・課税の関係

2010-02-10 | 輸出
 昨日、今日とマフラーを付けると汗ばむような気温で、体調管理に注意が必要な温度変化ですので対応に気をつけましょう。(実は、風邪を引いちゃいました。(~o~)
 
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 「719  特定輸出申告貨物の運送費の消費税!」で、消費税の輸出免税のことをUPしましたが、関連してメールで通関業務料金の、消費税の課税・免税について質問がありました。
 この機会に、諸情報を総合して、貿易手続きなどのいろんな役務についての消費税の免税・課税の概要を、まとめて見ます。

1 消費税法では、第7条に輸出免税の規定があり、国内⇔国外への貨物の輸送は免税とされており(1項3号)、同じく4号で政令で定めるものをも輸出免税としています。

2 この政令で定めるものとして、同法施行令第17条で「・・・外国貨物の荷役、運送、保管・・その他これらに類する役務の提供・・・(・・・輸出しようとする貨物及び輸入の許可を受けた貨物に係るこれらの役務の提供を含む)・・・」(第2項第4号)と規定されています。

3 このため、通関料金等が、消費税免税か課税かは、上記2の政令の規定に含まれる役務かどうかで決まります。

4 一方、通関業者が行っている業務は、「通関業務」と「関連業務」とに概念整理されていますが、消費税取扱通達(7-2-13)では、免税対象は「通関手続」とされています。

5 この免税対象の「通関手続」と通関業法の「通関業務」・「関連業務」とは、概念が異なっていますの注意が必要で、 結論からいうと、通関業法基本通達18-1で定められている料金表の金額の範囲の料金に係る役務提供は、輸出免税の対象となっています。

6 したがって、① 輸出入申告 ② 評価申告 ③ 納期限延長申請 ④ 修正申告 ⑤ 保税運送申告 ⑥ 貨物の搬出入届 ⑦仮陸揚届 などは、輸出免税の対象です。

7 一方、「通関業務」であっても、税関長への不服申し立て、税関官署への主張、陳述に係る手続きの代理・代行などは、「通関手続」とされず、消費税は課税されます。

 なお、通関業者は、食品衛生届など他法令手続きや運送状の作成を代行することがありますが、これは、免税対象の「通関手続」とされずに課税の対象です。

8 最後に、通関料金ではありませんが、輸出しようとする貨物(保税地域内)や、外国貨物についての梱包、検数、くんじょう、はしけ運送、保管 などの費用は、輸出免税の対象です。
 
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半年ぐらい前から、SONYのVAIOの調子が悪く、ホームページの閲覧中に突然消えたり、フリーズしたり、ストレスがたまる状況でWindows7に買い替えたいなと思うこの頃です。でも、給料も、株も下がり、リーマン以来の不況と円高で会社も経常赤字で、なんとなく消費マインドが減退で、6年近くの長期使用で、アプリケーションの重さに対応できなくなっている非力なパソコンの買い替え時期ですが、以前よりは安くなっているとはいえ、 高額商品の買い物には二の足ですね(~o~)。

先週、新幹線で熱海を通りましたら梅の花が、あちらこちらに見えました、近畿はもう少しですね。
写真は、湯河原の梅林です。