かずさんの、ふらり日々是好日の記

ふっても てっても  日々是好日  泣いてもわらっても 私の一生の中の きょうが一番いい日だから

634 年払い割引の税金と市町村への譲与

2009-04-10 | その他あれこれ
ソメイヨシノの花吹雪が舞っています。

大阪では来週、造幣局の通り抜けが始まります。手入れが行き届いて、毎年これが桜と驚くような艶(あで)やかさを競いますので、ご覧になったことのない方は訪れる価値ありです。

1 年払い割引の税金

 税関や、通関の税金というと、輸入品の関税や消費税がポピュラーですが、ちょっと変わった税金があります。
 「とん税」と「特別とん税」で、どちらも「外国貿易船」が「開港」に入港する時に税関に納めるもので、純トン数1トン毎に 16円(とん税)及び20円(特別とん税)の合計36円がかかります。

 ちょっと大きな、3万トンぐらいのコンテナ船ですと一回の入港当たり100万円ぐらいになります。
ところが面白いのは、年払い割引が有って、開港ごとに、1年分を一時に納付すると、純トン数1トン毎に、48円(とん税)、60円(特別とん税)です。

 1年で3回以上、同じ港に入港するなら断然お得ですから、京浜港や阪神港に定期的に入港するコンテナ船などは、この年払い割引でとん税等を納めています。

2 特別とん税の市町村への譲与

  とん税、特別とん税は、国税で国の歳入になりますが、「特別とん譲与税」というものが有って、「特別とん税」の額と同額が開港の所在する市町村に譲与されます。(特別とん譲与税法)

 つまり、約120億円ぐらいの特別とん税は、その全額が税関(国)をスルーして、港の所在市町村に使途を限定せずに譲与されますので、地元自治体には美味しい話になります。

 このように国の税収のうち一部又は全部が都道府県や市町村に譲与されるのは、地方譲与税と呼ばれていますが、もっとも金額が大きいのは、自動車重量税の譲与です。

自動車重量税は、その収入の1/3が自動車重量譲与税として、市町村道の延長と市町村の面積を基準に、道路幅や人口で補正して、各市町村に譲与されます。この譲与実績は2007年度で37百億円ですが、その使途は道路費用となっています。

このガソリンの揮発油税や、自動車税の一般財源化の議論があるのはご存知ですね。

海の貿易港の税の話をしましたが、空港関係の都道府県や市町村にも譲与される税金があります。
航空機燃料譲与税といって、航空機燃料税の1/2が譲与されますが、騒音による障害防止や空港対策に使途は限られていて、2007年の譲与実績は161億円でした。

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毎日新聞の社説で「こぞってめでたさをよろこびあう日は、敗戦このかたはじめてではなかろうか」と記されたご成婚から50年の両陛下の足跡には、素直に頭が下がります。








626 密輸手口の作品化(^。^)

2009-03-31 | その他あれこれ
 税関のホームページを時々覗きますが、定期的に「各税関の事件発表(○○年)」として全国の税関の密輸検挙事例が掲載されます。

このブログでも何回か取り上げたことがありますが、大阪税関が3月に関西空港でレソト王国から入国したレソト人女性が、覚せい剤1kgと大麻草2kgを「石像内部」に隠して密輸入しようとしたとして告発されています。

 麻薬の密輸手口は、スーツケースを改造したり、体に巻いたり、時には飲み込んだり、宅急便や郵便物の中に入れてきたりがよく見れるものです。

成田空港の今年の1月には、シャンプーや洋酒ビンに水溶液にした覚せい剤を詰めてというものが発見されており、まさに、あれこれ手を変え品を変えです。

外国ではどうかなと思って米国税関のページを見ると、今日のページで二つ見つかりました。

JFK国際空港のドミニカ共和国の旅客が持っていた6個の木製ハンガーからヘロイン4.5ポンドが見つかっています、米国税関の記事によれば、ドミニカからのハンガーやネクタイラックを利用したヘロインの密輸手口はこれまでもあるようです。

日本ではヘロインは余り流行りませんから、覚せい剤を、ハンガーを改造して持込もうと思うと相当たくさん改造しなければいけないから、密輸側でのコストパフォーマンスがあわないかしれません。

  もう一つは、マツダ セダンの乗用車に積まれていた、チーズが、ヘロイン入りのものだったという事案です。英文ではit was dissolved within two blocks of cheese.と表現されています。
合計11.8ポンドのヘロインですが、1ポンドは0.45KGですからかなりの量ですね。
なお、このチーズには麻薬犬が反応したようです。
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ときに、石像に隠してきた犯人の「レソト王国」ってどこかわかりますか?私はチリ苦手人間ですが、南アフリカ共和国に囲まれた人口186万人、全土が標高1400m以上の内陸国で、1966年にイギリスから独立した国です。





622 輸出は下げ止まったか?底をうったのか?

2009-03-25 | その他あれこれ
今晩は!
今朝、財務省から2月分の貿易統計の発表がありました。
輸出総額3兆5千億円、前年比マイナス49.4%、輸入総額3兆4千億円、同比43.0%で、差し引き824億円の輸出超でした。

この発表についての、ネットにおける全国紙のヘッドラインを見ると次のように表現されています。

・ 2月、輸出・輸入とも過去最大の減少 貿易収支は黒字に(朝日)
・ 貿易統計:輸出、過去最大の減少率を4カ月連続で更新(毎日)
・ 2月の輸出入額、ともに過去最悪の落ち込み幅 (日経)
・ 2月の貿易額、最大の落ち込み…収支5か月ぶり黒字(読売)

昨年2月(¥106.9/$)と今年(¥90.03/$)のドル換算を見ると、18.7%の円高です。

したがって、輸出入数量・単価が同一でも、円価額はこれだけへこみますから、輸出の実態を見るためにはこの分を割り引く必要がありますし、物流業界や製造業からは、数量ベースの統計を見たほうが実態を表しているともいえます。

なお、輸入は、原油の単価の低下が大きく寄与しています。

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 輸出について、先ほどの報道のように2月の数字は過去最悪のものとなっていますが、仔細に見ると、どうやら底になったのか、下げ止まりが見られるのではないかと思われる数字が、次のように散見されるようになりました。

1 円の輸出額ベース
  ・ 対アジア輸出の前年同月比  1月 マイナス46.7%  2月 マイナス46.3% と横ばい
・ 対中国輸出の前年同月比  1月  マイナス45.2%  2月 マイナス39.7% とマイナス幅が縮小

2  輸出の数量指数ベース
  ・ 対世界の輸出数量指数の対前年同月比  2008年9月 マイナス0.6%、10月 マイナス6.9%、
   11月 マイナス22.7%、12月 マイナス29.9%、2009年1月 マイナス40.9%、2月マイナス4
   5.4% と、下げ幅は縮小

  ・ 対アジアの輸出数量指数の対前年同月比  2008年9月 プラス1.2%、10月 マイナス2.8%、
   11月 マイナス22.4%、12月 マイナス 30.7%、2009年1月 マイナス39.0%、2月マイナス4      0.6% と、ほぼ横ばい

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 もちろん、金額、数量ともに絶対値は、前年比でマイナス40%超と超低空飛行状態ですが、マスコミの見出しは、上記のようにその中でも、どうやら底を打ちつつある数字に視線がいかないような感じがあります。

 実際に物流業界で仕事をされている方には、前年比マイナス40%というのは極めて厳しい数字でしょうが、氷河の中にも、雪解けの兆しが見られるのではないでしょうか?









611 覚せい剤の需給が逼迫しているんでしょうか??

2009-03-06 | その他あれこれ
 うっとおしい一日でしたね。
税関のホームページには、各税関の事件発表のページがありますが、これを見ていましたら昨年末から今年にかけて、1KGから数KGの覚せい剤の密輸で税関に検挙されているのが続いています。それも色んな港で、色んなところからのバラエテイのオンパレードです。

 覚せい剤は、拳銃と違って消費するのが目的のものでストック財では有りませんから、にわかに需要が増えたり、供給ルートが細まれば、小口の緊急輸入をするようで、そんなことなんでしょうか?

発表の新しいものから、簡単に並べると次のとおりです。

① 2月ウラジオストック港から富山港への貿易船の旅客が、スーツケースを二重底にして3KG
② 2月香港から成田に着いた台湾人が、菓子容器に隠して438g
③ 1月メキシコから成田に着いたメキシコ人が、シャンプー容器や洋酒ビンの水溶液などにして12kg
④ 1月香港からのシンガポール人が携行のキャリーバッグ内に1.5KG
⑤ 1月クアラルンプールからのシンガポール人がスーツケース内に1KG
⑥ 1月中国からの外国郵便の国際EMSから500g
⑦ 1月香港から新千歳についた台湾人の携行品から1.9kg
⑧  昨年12月南アフリカから中部空港に着いたスペイン人の身辺から990g

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 それにしても、円の対ドル、対ユーロ相場はよく動きますね。お金の換算率が毎日2%ぐらい上下するとなったら、海外駐在で円をドルに換算して給料を貰っている人は、その日によって青くなったり、赤くなったりでしょうか。

身近にも、花粉症で悩んでいる人が多数、お大事に!


 




559 覚せい剤のサプライチェーンが壊滅か?

2008-12-09 | その他あれこれ
こんばんは!今朝のかずさんの住まいの窓からは朝焼けの素晴らしい景色が見れました。

税関のホームページを見ると、定期的に各税関の事件発表が掲載されています。
多いのは大麻樹脂や覚せい剤、MDMAを、スーツケースや航空宅急便、国際郵便物などに隠して持ち込もうとするもので、中には飲み込んでというものもありますが、一回当りの摘発量は数百gから数キログラムです。

 

そういう中で、11月11日に門司港で、外国貿易船(1200トンと貿易船としては小型です。)のエンジンルーム最低部から、鉄観音茶598袋に入った覚せい剤322KGが摘発された事件は特筆できるものです。この船は中国からのもので、覚せい剤がどこで作られたのか、北朝鮮産なのかなどは報道されていません。これだけ大量の覚せい剤は99年に564KGという記録がありますが、過去3番目のものです。

 日本で年間どれぐらいの覚せい剤や、大麻、MDMAなどの不正薬物が消費されているかはわかりませんが、これらの殆どは密輸入されていると考えられています。(大麻は、時々プランターで栽培しているのが摘発されていますね。)

 そこで、覚せい剤の市中価格は、密輸による供給が取締強化やルート壊滅で減少すると上がりますし、逆ならば下がるというように、その時々の需要・供給の状況を正直に反映するようです。需給が逼迫すると航空旅客の運び屋を使っての緊急輸入なんてこともあるようです。

そして、今回のような100KG単位の覚せい剤をさばくためには、多額の資金と販売ルートがなければ扱えませんので、そのサプライチェーンの先には大都会の組織が関連していないと成立しないと考えられています。

門司港で摘発された事件直後の報道によれば、運び役の船員とともに、日本側の受け取りに東京から来ていた在中国と在日の者が逮捕されています。
恐らくは、供給側の中国(?)サイドと、日本の需要・売りさばきサイドをチェーンのようにつなぐ役割だったんでしょうか?

薬物の水際取締りで、価格が高騰するというのならガソリンと違って大賛成です。

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麻薬の密輸を描いた小説では「Cの福音」(宝島社文庫・楡 周平)は読ませてくれます。コンピューターネットワークを駆使したコカイン密輸システムです。