(プロローグ)平成20年10月23日、午前8時45分。
東京・霞ヶ関にある財務省三階のある部屋の入り口に、10枚ほどの資料が7-8cmの高さで積んである。
その周りに携帯電話を耳にあてた、20才代後半から30代後半ぐらいの眠たそうな男女10人ぐらいが周りを取り囲んでしきりに時計を見ている。すると、職員らしき人物数人が部屋に入ってきて、備え付けのマイクの前に座った。
庁内放送が「ただいまから平成20年9月分の貿易統計の発表を行います。」と告げた・・。30人ぐらいの手が、一斉に入り口の資料にのびて、先ほどの電話を持った人物は誰かに向けて資料の数字を早口で喋りだした。
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私たちが輸出入申告するとき貨物をHS番号9桁で分類していますが、その全国分の集計結果のプレス発表風景を想像で描いて見ました。
貿易統計のような、為替や株の市場に影響を及ぼす数値は、午前8時50分に発表されるのが通例で、先ほどの携帯電話をつなげて待っている記者は、いち早く世界に発信するためのスタンバイです。
発表は、担当課長が資料で説明後、質疑応答に入る、「原油、小麦の輸入価格状況はどうか。自動車輸出の地域別動向はどうか。円高の影響による貿易収支への影響をどう見ているか?」」とか「数量指数では○月連続の減だが、この傾向は今後も続くと考えるか」とか 「○○は前年比で30%減となっているが要因は何か?」などなどの質問が飛び交っている。
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年500兆円強ぐらいのGDPに対し、輸出入額がそれぞれ60~70兆円ぐらいの規模ですから、貿易額を正確に把握することはマクロ、ミクロ両面から大切です。
米国の貿易統計が日本と比べて正確性に劣ると評される理由の一つには、統計データーの収集方法や、その精度維持の仕組みに問題があるのではと言う意見も有るそうです。
各国の貿易統計を突き合わせてみると、日本からの輸出が100となっているのに、その国の輸入では90となっているなどの不整合がまま見られ、二国間の貿易インバランスの額の認識が大きく違うということにもなりえます。このため、時々、2カ国の担当者の間でなぜ数字が違うのか分析が行われているようですが、統計計上方法や範囲の違いでは説明できない部分が、何故か残ると聞いたことがあります。
なお、日本の貿易統計は、翌月20-25日の間で発表されていますが、米国は翌々月の初旬ー中旬となっています。
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貿易の統計としては、以前は税関の貿易(通関)統計以外に通産省の輸出承認統計がありましたが、後者は廃止されています。なお、当然ながら、マクロとしては、輸入の増減は国内景気、輸出のそれは外国景気を反映すると言われています。
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東京・霞ヶ関にある財務省三階のある部屋の入り口に、10枚ほどの資料が7-8cmの高さで積んである。
その周りに携帯電話を耳にあてた、20才代後半から30代後半ぐらいの眠たそうな男女10人ぐらいが周りを取り囲んでしきりに時計を見ている。すると、職員らしき人物数人が部屋に入ってきて、備え付けのマイクの前に座った。
庁内放送が「ただいまから平成20年9月分の貿易統計の発表を行います。」と告げた・・。30人ぐらいの手が、一斉に入り口の資料にのびて、先ほどの電話を持った人物は誰かに向けて資料の数字を早口で喋りだした。
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貿易統計のような、為替や株の市場に影響を及ぼす数値は、午前8時50分に発表されるのが通例で、先ほどの携帯電話をつなげて待っている記者は、いち早く世界に発信するためのスタンバイです。
発表は、担当課長が資料で説明後、質疑応答に入る、「原油、小麦の輸入価格状況はどうか。自動車輸出の地域別動向はどうか。円高の影響による貿易収支への影響をどう見ているか?」」とか「数量指数では○月連続の減だが、この傾向は今後も続くと考えるか」とか 「○○は前年比で30%減となっているが要因は何か?」などなどの質問が飛び交っている。
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年500兆円強ぐらいのGDPに対し、輸出入額がそれぞれ60~70兆円ぐらいの規模ですから、貿易額を正確に把握することはマクロ、ミクロ両面から大切です。
米国の貿易統計が日本と比べて正確性に劣ると評される理由の一つには、統計データーの収集方法や、その精度維持の仕組みに問題があるのではと言う意見も有るそうです。
各国の貿易統計を突き合わせてみると、日本からの輸出が100となっているのに、その国の輸入では90となっているなどの不整合がまま見られ、二国間の貿易インバランスの額の認識が大きく違うということにもなりえます。このため、時々、2カ国の担当者の間でなぜ数字が違うのか分析が行われているようですが、統計計上方法や範囲の違いでは説明できない部分が、何故か残ると聞いたことがあります。
なお、日本の貿易統計は、翌月20-25日の間で発表されていますが、米国は翌々月の初旬ー中旬となっています。
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貿易の統計としては、以前は税関の貿易(通関)統計以外に通産省の輸出承認統計がありましたが、後者は廃止されています。なお、当然ながら、マクロとしては、輸入の増減は国内景気、輸出のそれは外国景気を反映すると言われています。
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