サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

W杯日本代表の得点及び失点場面

2018年07月19日 | サッカー

ワールドカップのベルギー戦に関する記事を読むと、1点目を返されたヴェルトンゲンのヘディングシュートが「不運」などという言葉で説明されていることが多い。そのシュートはけっこう狙ったのではないかという印象があり、違和感があったので見返してみた。
ついでに他の失点及び得点場面も見返したので、備忘録も兼ねて振り返っておきます。
 

グループリーグ第1戦 コロンビア
前半6分 得点 1−0
コロンビア左サイドからのアーリークロスを昌子がクリア、1バウンドしたボールを香川が半身になり右足アウトサイドで前線のスペースへ浮き球のパス。大迫とダビンソン・サンチェスが競り合い大迫が抜け出しキーパーと1対1に。大迫のシュートはGKオスピナに一度は弾かれるがセカンドボールを香川がダイレクトでシュート。ペナルティエリア内でカルロス・サンチェスがハンド、サンチェスは退場となり日本にPKが与えられる。
香川がキーパーの動きを見極めてゴールし、先制。
香川のダイレクトでのシュートは、もし誰も触らなければ、外れていたかクロスバーを叩いていたと思われる。 

前半39分 失点 1−1
長友の高く蹴り上げたクリアボールを長谷部とファルカオが競り合う。微妙な判定だったが、ファルカオがうまくファ−ルをもらった?
キッカーはキンテーロ。壁は4枚。キッカーから見て、右から長谷部、大迫、吉田、昌子。
キンテーロのグラウンダーのシュートがジャンプした壁の下を抜けていきニアへ。川島は両手を伸ばし、かき出そうとするがゴールラインを越えていた。
壁はジャンプしない取り決めになっていたようだが、4人全員がジャンプしていた。
川島は片手だけを伸ばせば止めるチャンスはあったのか??

後半28分 得点 2−1
日本のテンポよいパス回し。昌子からの縦パスを受けた柴崎が前を向き乾へ。乾は柴崎へ戻し再び乾へ。乾が今度は前を向き大迫へ、大迫は本田に落として本田がスルーパス、酒井がクロスを入れる。そのボールを大迫が落として走り込んだ酒井がシュート。ディフェンダーに当たってコーナーキックとなる。
左CK、キッカーは本田、左足でゴールから遠ざかるボール。大迫がアリアスを押さえ込み、ヘディングでファーへそらしてゴール。
勝ち越し点となった。


グループリーグ第2戦 セネガル戦
前半11分 失点 0−1
セネガルの右サイドからワゲがクロス。原口がバックヘッドでクリア。クリアが小さくなりサバリが1トラップしてシュート。川島がパンチングするも詰めていたマネが押し込み、セネガルが先制。
やはり川島はキャッチすべきだった。また原口はコーナキックに逃げる手もあった。CKの守備に自信がある国は平気でゴールラインを割ってCKに逃れる。

前半34分 得点 1−1
吉田から柴崎へパスが渡り、柴崎がセネガルのディフェンスラインの裏のスペース(日本の左サイド)へ浮き球のフィード。長友が受けて乾へスイッチ、乾が得意の位置から右足を振り抜く。
乾のシュートはゴール右隅のネットを揺らし、同点に追いつく。

後半26分 失点 1−2
セネガル、左サイドのマネからペナルティ内のサバリへ浮き球のパス。サバリは柴崎のマークをうまくかわして左足でグラウンダーのクロスを入れる。ニアのニアングはシュート出来ないものの、左足で触りファーにつなぐ。そこへ右サイドバックのワゲが走り込んでゴール。勝ち越されてしまう。
乾がスライディングでシュートブロックを試みるも及ばず、結果としてはマークを外されてしまうことになった。

後半33分 得点 2−2
昌子から縦パスが岡崎へ、パスを受けた大迫がクロスを入れる。岡崎とDFサネ、GKエンディアイエが競り合いサネがクリア、岡崎とキーパーが倒れ込む。ファーにこぼれたボールに乾が反応、中央へ折り返す。
本田が左足で蹴り込みゴール。再び同点に追いついた。
乾の折り返しに反応しようとした岡崎の動きが、GKを押さえ込むことになった。
 

グループリーグ第3戦 ポーランド
後半14分 失点 0−1
山口がクルザワにファール、ポーランドにフリーキックを与える。
クルザワの左足からのキックにベドナレクが右足で合わせて、ポーランドが先制。
ベドナレクには大迫と酒井高徳がついていたが間を割られてしまった。


決勝トーナメント1回戦 ベルギー 
後半3分 得点 1−0
乾がボールを奪い柴崎へ、原口が右サイドを駆け上がる。その原口へ柴崎からスルーパス。スペースで受けた原口が切り返す動きを見せるがヴェルトンゲンが対応しているのを見て取った原口は、逆に右足アウトでわずかに外に持ち出す、その動きにつられてGKクルトワがニアに動いたところに、ファーへ右足でシュート。 日本が先制。
乾がボールを奪ってから13秒でのゴールだった。
柴崎のスルーパスはヴェルトンゲンが止められるそうで止められないギリギリのコース、というよりボールスピードが絶妙。ヴェルトンゲンとしてはミスだったか?

後半7分 得点 2−0
吉田から左サイドの乾へ、乾はドリブルで中央に持ち込み、ペナルティエリア内の大迫へ浮き球のパス。しかしこれはコンパ二がヘディングでクリア。香川が拾ってキープし、乾へ。乾の右足でのシュートは無回転でゴール右隅へ。
日本、追加点。
ベルギーは人は余っているのに寄せがあまかった。近くにいたデブライネはヴィツェルにお任せでまったく守備をする気がなかった。

後半24分 失点 2−1
ベルギーのコーナーキックからの流れ。川島がパンチングに逃れたボールを乾がクリア。高く蹴り上げたボールは逆サイドのヴェルトンゲンのもとへ。 ヴェルトンゲンのヘディングシュートがファーのサイドネットをゆらしベルギーが1点を返す。
「中央への折り返しがたまたま入った」という言い方をされているが、何度見ても狙ったヘディングシュートに見える。ファーに味方の選手が詰めて押し込んでほしいという期待もあったのかもしれないが、ヘディングするまでのボールの滞空時間も長く日本の寄せも遅れていたため態勢も充分だったし、頭や視線もファーのサイドネットあたりを向いていた。ボールが高く上がったため、ファーまで届かせるに充分な反発力も計算できた。川島がファーからニアまで急いで寄せてきたのも間接視野に入っていただろう。決まった後も「入っちゃたよ」という表情ではなかった。1失点目は自分のミスという意識もあっただろうし、やっとプラマイ0になったという感じだったか。
ヴェルトンゲンも自国のメディアにはコメントしているだろうから、ご存知の方は情報教えてください。 

後半29分 失点 2−2
ベルギー、コーナーキックからの流れでアザールが左足でクロスを入れ、フェライ二のヘディングシュートが決まる。
日本は同点に追いつかれる。
昌子がフェライニからうまくマークを外されてしまったか。
(追記)
その後昌子選手のインタビューを読みましたが、昌子選手だけディフェンスラインを上げた結果マークを外されたように見えたようです。
フェライニのマークについていたのも、昌子選手ではなかったそうです。

後半アディショナルタイム 失点 2−3
本田の無回転フリーキックをキーパーのクルトワが弾き出しコーナーキックとなる。こぼれ球が日本の選手に渡らぬように弾き出した落ち着いたセービングだった。
左コーナーキック、キッカーは本田。本田の左足キックをクルトワが直接キャッチ。走り出したデブライネの勢いを殺さぬように、クルトワがデブライネの前にボールを転がす。デブライネは高速ドリブルで持ち上がる。昌子もすぐに追い始める。右サイドのムニエ、中央にいたシャドリも猛ダッシュ、シャドリをマークしていた乾も追うが途中であきらめて止まってしまう。ムニエは香川が追走していたが、途中から香川はデブライネの方に寄ってきたためムニエはフリーに。 デブライネの前には山口が立ちはだかるが距離を詰めきれず、デブライネから右サイドを駆け上がるムニエにパスが渡る。それまでルカクをマークしていた長友がムニエのマークに走る。ルカクのマークには長谷部がつく。その裏からはシャドリが上がってくる。長友が寄せきる前にムニエからグランダーのクロス、ルカクはスルー、フリーで走り込んでいたシャドリが流し込む。昌子は懸命に戻るが及ばず。
ベルギーが超高速カウンターで勝ち越す。
昌子はかなり後方からの追走、最初はデブライネを追い、パスを出されてからはフリーのシャドリを追った。よくもあそこまで戻ったものだ。 

超高速カウンターを止めるチャンスはあったのか?
1 キーパーにキャッチされるようなボールを蹴るべきではなかった。
  ショートコーナーや低いボールを蹴り込む等の工夫はありえただろう。延長に持ち込むべきだとう意見もあったようだが、延長になったからといって日本が有利であるとも思えなかった。
2  キーパーの前に誰かが立つべきだった
  そのチャンスがあったのは吉田と昌子。しかしクルトワはキャッチと同時に走りだしているので前に立つのは難しいと思われる。
この時点でキーパーへのファールで止めることは可能だったかもしれないが、そういった判断は難しそうだ。 
3 山口がファールでもよいので止めるべきだった。
  確かにその通りだが、デブライネに詰めても右サイドのムニエはフリーだったためめ、速めにパスを出された可能性も大きい。香川はムニエを追走していたが、途中からドリブルするデブライブの方へ寄っていったということもあり、ムニエは完全にフリーになっていた。香川がずっとムニエに付いていれば状況は変わっていたかもしれない。また山口はデブライネからルカクへの縦のパスコースは切っていた。  
4  乾がシャドリを最後まで追走出来ていたら、シャドリをフリーにすることはなかった。
  乾には追う体力が残っていなかった。もし交代できる選手がいれば追走できていたかもしれないが、適任者がいなかった。中島が選ばれていたら良かったのにと、個人的には思った。
5  カウンターに備えてもう1人、自陣に残しておくべきだった。 
  監督が試合後の会見で「数秒後に自陣のゴール前に運ばれてしまうあのようなスーパーカウンターを受けるとは予測していなかった」と述べていることからも、有りえない選択だった。
  しかしあの時、「カウンター要注意!」と思った人々は多かったのではないか。私もそうだった。  

 



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