ヴァイオリンとフルートのRio

ヴァイオリンとフルートに取り組んでいます。

100年目を迎えました

2015年01月24日 21時41分58秒 | ヴァイオリン
 何年か前に購入したヴァイオリン、Camillo Mandelliと言う人が1915年に製作したもので、今年で100年目を迎えました。古い物が幅を利かせるヴァイオリンの世界ではようやく青年に達したくらい。小学生になった時に関東大震災を経験した父親が1916年生まれだったので、父親とほぼ同年代という事になります。それほど音量はありませんが、音色が澄んでいて響きのよい楽器と思います。見た目はあまり古い感じではありません。

 製作者は1873年イタリア生まれ。ミラノで修業後アルゼンチンに渡ったのが19世紀末、相当若いうちから修業したものと思います。第一次大戦前はヨーロッパも不況だったため、新天地を求めてアルゼンチンに移民として渡ったのではと想像されます。活動したのはブエノスアイレス、後にオペラハウスも完成するなどクラシック音楽も盛んだったようだし、アルゼンチンタンゴの国なので、ヴァイオリンの需要も多かったものと思います。その後、1920年にはイタリアに戻って、製作を続けています。

 この楽器はイタリアで修業したイタリア人が製作したものではあっても、原産地表示上はアルゼンチン製、この世界では産地が値段に影響するらしく、後年この製作者がイタリアに帰国した後に製作した楽器が大手楽器店で私のものより3割ほど高い値段で売られている事を発見したことがあります。少々不思議な気がします。

 この製作者特有の傾向なのか、楽器は細身でマッハワンの肩当ては滑り落ちるため使えません。色は赤みを帯びた独特のもので、ニスがひび割れています。樹脂分が多い艶のある皮膜が形成されているので、私はセルロース系かアクリル系の現代的な樹脂をニスに加えたのではないかと思っています。


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