練馬区役所のアトリウムでは年間通して防災、福祉、子育て、ガン啓発、緑化など各テーマで様々なパネル展示が行われています。
しかしながら私は、アトリウムにおけるパネル展示については、区が何か事業をやろうとした時に、「とりあえず、手っ取り早くパネル展で」という、やっつけ的なイメージを持っていました。
だから、区民参加の絵画や写真展以外は、いわゆる「響く」パネル展はなく、工夫が足りないといつも感じていました。
ところが、今回見た展示は初めてのインパクト。
それは、死んで海岸に打ち上げられたマッコウクジラの胃から出た20キロのプラスチックを目に見える形で展示したもの。
とてもショッキングでしたが、説得力があり、見た人への啓発効果も大きなものがあります。
クジラは、これらのプラスチックやビニールをクラゲなどの餌と間違えて飲み込み、その結果、胃が満腹と勘違いし最終的には栄養を摂取できずに餓死してまうという、「可哀想」などとは片付けてはならない、真剣に取り組むべき環境問題であります。
そして海では、クジラだけではなく、ウミガメ、イルカ、アザラシの被害も報告されています。
プラスチックには様々な種類があり、土に還るという生分解性プラスチックが注目されていますが、こちらに関しても、資料によれば、温度55度以上、湿度80%以上の環境で分解されるなどの条件があり、対策としては不十分と言えます。
環境問題については、各国の行政、企業、国民が共通認識のもと一丸とならないと解決しないわけで、その中での政治の果たす役割は大きなものがあります。
私も、現職の頃から生態系や緑化はメインテーマの一つであったので、今後もしっかりと取り組んでいきます。
また今回の展示には、シャワー10分出しっぱなしで排出される850gのCO2を吸収するには、下の写真の太さの木が3本必要という展示もありました。
そして、見るのが楽しみな練馬区の子どもたちによる啓発アート展示も。
今後は区としても、このようにわかりやすく、見た人が「考える」に繋がる展示を増やしてもらいたいと思います。