昨日は早朝3時に起床しマスターズをTVで観戦。
22歳と24歳の若者2人のダルマさん状態を見せられ、やはりゴルフは難しいのだな~と。
先週か先々週かあの孤独のグルメで有名な俳優松重豊が若き日、本気で相撲界に入ろうとしていたと知りびっくり
その番組の中で、相撲の名場面なども放送され、亡き大横綱・大鵬の奥様が語っていたことが印象的だったの。
「大鵬はいつも柏戸には勝てない、どうやっても勝てない」と語っていたというのだ。
大鵬と言えば昭和のその昔「巨人、大鵬、卵焼き」と言われたほどの向かうところ敵なしの横綱だったのに、
対戦成績でもおそらく圧倒的に柏戸を大きく引き離していたと思うのだけど
傍から見れば、向かうところ敵なしでもやはり基本的には弱い人間なんだという事に驚いた。
その外からは見えない弱さを、想像できないような努力で克服していくんだろーなー
昨日マスターズを見ながらそれを思い出していた。
マスターズの悲劇はサンデーバックナインの12番パー3で起きてしまった。
ここ数年、メジャーとくにマスターズや全英で物語が起きないな~と感じていたの。
あの有名な全英カーヌスティーで「バンデバルデの悲劇」に象徴されるような、そしてそのコースに住むと言われる
女神や魔物によって優勝に手が届きそうな選手たちは翻弄されたものだった。
不思議な事に最近は女神や魔物が環境悪化でどこかに行っちゃったの?と思わせるような淡々としたストーリーが続いた。
でも、今年はマスターズで起きちゃったんだね~
おそらくこの1枚はアメリカでそして世界中で多くの人が目にした写真だと思う。
写真のジョーダン・スピースとは若干22歳にしてマスターズ、全米オープンを昨年立て続けに勝利を挙げた
天才!宮崎で生ジョーダンを見たけれどプリティ・ボーイ
強度の自閉症である妹を持ち、その彼女が彼の強さのモチベーションとなっている。
ゴルフは他のスポーツと違い若ければ良いというものではない。コースに対する経験などがとても重要だから。
なので幅広い年代で活躍できる唯一のスポーツなのだ。
一度でもラウンドした人ならわかると思うけれど、だからといって体力的に楽なのではなくとてもハードだ。
18ホール×4日間まわるんだからね~私なんて3ホールで足がガタガタしちゃうもの
タイガー・ウッズに次ぐ若さでマスターズ・ウイナーとなりスコアもタイガーに並ぶ最小スコアを記録。
昨年は破竹の勢いで全米オープンまで制してしまった 世界ランクも破竹の勢いでアップし常に1,2番という凄さ。
特にマスターズが行われるオーガスタとは抜群の相性を示し、今年も昨年ほどではないもののフロントナインで前日、
上がり2ホールの不調を払しょくするバーディを積み上げ「今年もスピースのブッチギリ~か~」と松山君ファンの私はガックシ・・・
松山君も重圧から崩れていたからね~
スピースは史上5人しかいないという連覇の重圧。
松山君は日本人、いやアジア人初という重圧・・・
2年前に宮崎のフェニックスで優勝を争った若者2人は共に重圧に押しつぶされていた。
今回は奇しくも二人の関係性はリンクしていたように感じる。
松山君が優勝戦線から離脱しそうになるところをこらえて残った3,4日目前後のホールで
スピースは崩れていったのだから。
今回のスピースの何が凄いかって昨年のマスターズ初日からブッチギリで一度もトップを譲らず、
今年のサンデーバックナインまでやって来た事。
この時点で2位の今回優勝したウィレットに3打差をつけていた。
この最終日が始まるまでウィレットは松山君の下にいたのだった・・・
最終日に驚異的強さを見せる松山君は追撃するには最初の3ホールで伸ばさなければならなかったのに
不発・・・その後はズルズルとスコアを崩しもはや優勝は諦めていた私は、
スピースの一つ前で回り先にバックナインに入り息を吹き返しイーグル逃しのバーディで少しの希望を見出した直後だった。
スピースが155ヤードパー3無風でグリーン手前の池に入れてしまった
クラブ選択のミスはなくカットで打ったというのだ
池に入れるとペナルティーがある、そして直後の打ち直しで素人のようにダッフった。
あり得ないダフり・・・そしてまた池に。
普通にパーで余裕の優勝だったと思う。後続は自ら崩れて行ったのだから。
カーヌスティのバンデバルディもワケの分かんないショットで自滅したけれど、
彼はスピースのような盤石と思われている選手ではなかった。
スピースほどの盤石な(とくにオーガスタでは)選手があのようなミスを犯すとはね~
そこはやっぱり若さなんだというしかないじゃないのかな~
この時点で松山君にも優勝の目は再び出てきたし、昨年の最終日66という爆発力を見せた彼なら
不可能ではなかったのに、バーディチャンスにつけてはパットにことごとく嫌われた
松山君にもマスターズは特別な思い入れがある大会。
アマチュアで初めて参加し震災の影響で、出場も諦めしかし被災者の方々の後ろ押しで参加を決め、
アジア人、日本人として初めてローアマをとった。
そして翌年もアジアアマで2連覇しオーガスタに挑みローアマ2連覇を目指しながら、
最終日崩れあまりの自分のふがいなさを責め、涙でしばらくインタビューを受けられなかった大会だった。
それでもアマチュアでありながら連続で予選を突破するなど、十分に素晴らしかったのだけれど。
その当時やせっポッチだった彼はその後、肉体改造を行い今の様な強い選手になったのは
この大会への特別な思い入れがあるからで、ローアマではなくプロとなりグリーンジャケットを
着るという思いで並外れた努力を重ねてきたのだ。
それが手に届きそうになり、崩れた。
マスターズが始まる前「会場に入った時にいつもより緊張した。それは期待があるからなのかな」と語っていた通り
優勝できる自信があったのだと思う。
そして優勝できるほどのレベルにあったのは事実だ。
7位に終わり「自分であきれた」と言っていたけれどメジャーは特別なマインドコントロールが必要なんだろう。
これは、まだまだ若い二人にはとても難しい事なんだと思う。
パットが悪かったんじゃない!
もちろん世界最高と評されるショットも!
気持ちだけ・・・そう、まだまだ未体験ゾーンであったマスターズ優勝の前で怖気づいた気持ちだけの事。
ミスショットでもミスパットでもそれが逆にイーグルになったりバーディになったりすることがある。
前半の良いショットはショートで、後半短いパットは外れて。
女神が付いていたら、全て沈めてもおかしくないほどの近いパットだった。
弱気の松山君に女神は一つも微笑まなかった。
それは彼にはこの自分で自分を打ちのめし、そこから強くなる事の方が今回優勝するより大切だったからだろう。
ここから成長できるくらいに松山君は十分に若い。
タイプは違うとしてもスピースと松山君はとても聡明だという共通点がある。
松山君は口下手なので言葉は豊富ではないけれど、終わった後のインタビューでも
いつもの様に、とても正直に飾る事なく言葉を絞り出していた。
その目に涙の跡が見られたけれど、今度その涙を見るのは歓喜の涙なんだろう
ツイッターでスピースに向け言葉があったけれど、そのまま松山君に送ろう!
NO needs to worry about HIDEKI.
Will win loads of majors and this will be a big lesson