◇「レオパレス21」の事件から、引き続き、建築士受験講座の視点で整理していきます。
◇前回(昨日)は、国交省のプレスリリースから問題点を法制度との照合で整理しました。
◇違反事項は、施工された仕様が設計図書と異なるということです。
◇そこで、設計図書は適法であるとの前提で、違反に対する罰則規定の整理をしていきます。
◇勿論、2級建築士試験の受験対策の範疇での整理とさせていただきます。
◇ポイント①:建築基準法の「罰則」法98条、法99条の該当事項整理
・法98条1項の罰則:3年以下の懲役又は30万円以下の罰金
・今回の法98条1項該当者:設計図書と異なる建築材料、建築物の部分を引き渡した工事施工者
・外壁の1時間準耐、45分準耐、防火構造違反なので、法27条、法62条等の違反と思います。
・法27条(特殊建築物の防火規制)の違反の場合、法98条1項二号に該当します。
・法61条から法64条(防火・準防火地域の防火規制)違反の場合、法99条1項八号に該当します。
・その場合、法99条1項により、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金となります。
・天井については、1時間準耐火構造の床の仕様違反ということなので、令112条違反と思います。
・令112条は、法36条に基づく政令(技術基準)ですので、法36条違反ということになります。
・法36条(防火壁、防火区画の設置及び構造)の違反の場合、法98条1項三号に該当します。
・従って、・法98条1項の罰則:3年以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。
◇ポイント②:注意したい民法との関連
・今回の契約当事者が良く分からないので、あくまで推測で記述します。
・確認申請書を見ないと、建築主がオーナーなのか建売住宅のような建設業者なのか不明です。
・その範疇で推察すると、オーナーが債務不履行を問うことは難しいのではと思っています。
・むしろ、建築基準法違反による不法行為責任(民法709条)の方が感覚的にフィットします。
・不法行為責任であれば、当事者でなくとも第三者の立場で追及できます。
・ただ、不法行為責任の場合、因果関係の立証に、多大な労力を要するのが欠点のようです。
・これらは法曹界の話なので、深入りすると火傷をしますので、このくらいにしておきます。
・いずれにしても、責任の明確化が必要ですし、民事訴訟という手に負えない分野になります。
・我々は、建築士法の知識を深め、責任と権限の範疇で捉える、いい機会でもあると思います。
◇ポイント③:今回の事件とは異なるが注意したい罰則規定
・法98条1項二号に該当する、法20条1項一号から三号の建築物の構造規定違反。
・具体的には、構造計算を必要とするRC造や鉄骨造建築物の構造規定違反です。
・法98条ですので、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金の対象です。
・また、法20条四号の建築物の構造規定違反(木造の軸組み計算規定等)。
・具体的には、木造2階建ての住宅などの、柱の小径計算を必要とする建築物。(令43条)
・及び、軸組みの強度計算を必要とする建築物などです。(令46条)
・法99条1項八号に該当しますので、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金となります。
・加えて、令19条の居室の採光計算や、天井高・床高、階段の構造等の違反にも罰則があります。
・法101条1項四号による、法36条(居室の採光計算、天井高・床高、階段の構造等)の違反です。
・法101条1項に、100万円以下の罰金と記されています。
◇以上、建築士試験という視点で法令の整理を試みてみました。
2019年2月13日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、建築基準適合判定資格者」
◇前回(昨日)は、国交省のプレスリリースから問題点を法制度との照合で整理しました。
◇違反事項は、施工された仕様が設計図書と異なるということです。
◇そこで、設計図書は適法であるとの前提で、違反に対する罰則規定の整理をしていきます。
◇勿論、2級建築士試験の受験対策の範疇での整理とさせていただきます。
◇ポイント①:建築基準法の「罰則」法98条、法99条の該当事項整理
・法98条1項の罰則:3年以下の懲役又は30万円以下の罰金
・今回の法98条1項該当者:設計図書と異なる建築材料、建築物の部分を引き渡した工事施工者
・外壁の1時間準耐、45分準耐、防火構造違反なので、法27条、法62条等の違反と思います。
・法27条(特殊建築物の防火規制)の違反の場合、法98条1項二号に該当します。
・法61条から法64条(防火・準防火地域の防火規制)違反の場合、法99条1項八号に該当します。
・その場合、法99条1項により、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金となります。
・天井については、1時間準耐火構造の床の仕様違反ということなので、令112条違反と思います。
・令112条は、法36条に基づく政令(技術基準)ですので、法36条違反ということになります。
・法36条(防火壁、防火区画の設置及び構造)の違反の場合、法98条1項三号に該当します。
・従って、・法98条1項の罰則:3年以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。
◇ポイント②:注意したい民法との関連
・今回の契約当事者が良く分からないので、あくまで推測で記述します。
・確認申請書を見ないと、建築主がオーナーなのか建売住宅のような建設業者なのか不明です。
・その範疇で推察すると、オーナーが債務不履行を問うことは難しいのではと思っています。
・むしろ、建築基準法違反による不法行為責任(民法709条)の方が感覚的にフィットします。
・不法行為責任であれば、当事者でなくとも第三者の立場で追及できます。
・ただ、不法行為責任の場合、因果関係の立証に、多大な労力を要するのが欠点のようです。
・これらは法曹界の話なので、深入りすると火傷をしますので、このくらいにしておきます。
・いずれにしても、責任の明確化が必要ですし、民事訴訟という手に負えない分野になります。
・我々は、建築士法の知識を深め、責任と権限の範疇で捉える、いい機会でもあると思います。
◇ポイント③:今回の事件とは異なるが注意したい罰則規定
・法98条1項二号に該当する、法20条1項一号から三号の建築物の構造規定違反。
・具体的には、構造計算を必要とするRC造や鉄骨造建築物の構造規定違反です。
・法98条ですので、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金の対象です。
・また、法20条四号の建築物の構造規定違反(木造の軸組み計算規定等)。
・具体的には、木造2階建ての住宅などの、柱の小径計算を必要とする建築物。(令43条)
・及び、軸組みの強度計算を必要とする建築物などです。(令46条)
・法99条1項八号に該当しますので、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金となります。
・加えて、令19条の居室の採光計算や、天井高・床高、階段の構造等の違反にも罰則があります。
・法101条1項四号による、法36条(居室の採光計算、天井高・床高、階段の構造等)の違反です。
・法101条1項に、100万円以下の罰金と記されています。
◇以上、建築士試験という視点で法令の整理を試みてみました。
2019年2月13日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、建築基準適合判定資格者」